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第五話

Auteur: ひなた翠
last update Date de publication: 2026-01-16 12:26:14

◆抑えきれない想い

 レティシアがもうすぐ十八歳になる。

 いつの頃からか、彼女は「氷の令嬢」と呼ばれるようになった。舞踏会の会場で、男性たちの視線を集める女性へと成長していた。

 美しくて、笑わない。まるで心が凍ってしまったのではないかと、貴族たちの間で噂されている。どの殿方にダンスを申し込まれても断っているらしく、彼女は誰なら踊るのであろうかと囁かれている。

 最近のレティシアは舞踏会に出席しても、いるのは最初だけだった。ホールでダンスが始まる頃にはいつの間にか姿を消している。一通りの挨拶を終えると、どうやら帰宅しているようだった。

『私、いっぱい笑います!』

 七歳の彼女が言った言葉が脳裏に蘇る。あんなに素敵な笑顔だったレティシアは、どこへ消えてしまったのだろうか。

 今夜も王宮の舞踏会が開かれている。レティシアが来ると聞いて、私も出席した。会いたかった。出張から戻ったばかりで疲れていたが、彼女に会えるなら何でもない。

 広間に入ると、すぐにレティシアの姿を見つけた。淡いピンク色のドレスを纏い、シャンデリアの光を浴びて立っている。胸元には、十六歳の時にプレゼントした銀のブローチ
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