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ひとりで動かない

Author: 影畑凛星
last update Petsa ng paglalathala: 2026-09-08 20:29:19

 スマートフォンを手にしたところで、綾香は少し迷った。

 杉浦から聞いたことを、そのまま遥臣に話すつもりはない。母や祖父が何を調べていたのか、理央や久世がそこへどう関わっているのか。それを説明するには、前の人生のことを抜きにしても話さなければならないことが多すぎた。

 けれど、昨日約束したばかりだ。

『何もなくても、怖いと思ったらかけてこい』

 それなら、少しくらい頼ってもいいのかもしれない。

『今日、少し出かけたいんだけど』

 送ると、数分後に返信が来た。

『どこに』

『まだ決めてないの。調べたいことがあって』

 少し間が空いた。

『昨日は買い物だったよな』

『今日は違うわ』

『一人で行くのか』

 綾香は画面を見つめた。

『そのつもりだったけど、九条先生が一人で動くなって言ったでしょう?』

 送信してから、少しだけ恥ずかしくなる。

 まるで、一緒に来てほしい

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