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子どもは五歳に、禁欲男子の元彼は心を乱す
子どもは五歳に、禁欲男子の元彼は心を乱す
مؤلف: 晴川

第1話

مؤلف: 晴川
再婚した旦那は、ガキみたいな人だ。

息子が二歳になるまで、旦那は毎日息子の茶碗を二つとも抱えて手放さなかった。

息子が四歳になると、今度は家の小さな庭で種をまき、水をやることに夢中になった。

そして、息子が五歳になったある日。私・沢村柚葉(さわむら ゆずは)は商談会で、六年間会っていなかった元カレ――あの聖人君子ぶった男と再会した。

彼は昔と変わらず、数珠を指で繰りながら、私を蔑むように見ている。

「柚葉、別れたら二度と会わないんじゃなかったのか?

どうしてそんなに未練がましいんだ。六年も経つのに、まだ俺を追ってこんな所まで来るなんて」

その瞬間、会場にいた誰もが面白い見世物でも見るかのように私に視線を向け、私が厚かましく復縁を迫るのではないかと小声で噂し始めた。

それもそのはず、昔の私はありとあらゆる手を使って、あの浮世離れした岩崎洸希(いわさき こうき)を振り向かせたのだから。

けれど、彼らは知らない。洸希が私とセックスした後、いつも仏間で、義理の妹の写真を見ながらひっそりと胸を痛めていることなど。

それどころか、彼はその義妹のために、私を岩崎家から追い出した。

挙句の果てには、流産したばかりで入院していた私に、義妹のために1000ccもの血を献血するよう強制したのだ。

あの日以来、私の心は完全に死に、蛇村に戻って聖女としての務めに専念し、パトロンの旦那と結婚した。

それなのに、六年も経った今、まさか彼と再会するなんて。

黙り込む私を見て、洸希はポケットから時代遅れのダイヤモンドリングを取り出すと、私の足元に投げ捨てた。

「拾って嵌めろ。そうすれば、結婚してやる」

私は呆然と床の上のダイヤモンドリングを見つめた。六年前、私が一番好きだったデザイン。

そして、私が一ヶ月も洸希にねだって、結局買ってもらえなかった結婚指輪。

私が指輪を見つめたまま黙っていると、洸希の顔が険しくなった。

彼の隣にいた友人は、もどかしそうな顔で洸希の肩を叩いた。

「せっかく柚葉に会えたんだ。どうしてまだ強情を張るんだよ?彼女のために、お前がこの六年、死ぬほど苦しんできたのを忘れたのか?」

彼は焦ったように私に向き直った。

「柚葉、君があの時、黙って姿を消してから、洸希はずっと君を探してたんだ。丸六年間も。

この六年間、彼は君のために還俗し、岩崎家のじいさん達が押し付けてきた縁談も、すべて断ってきた。

彼は君に会いたくて狂いそうだったんだ。だから、早く頷いて、彼と結婚してやってくれ!」

その感動的な言葉を聞いて、もし六年前のあの暗黒の日々を経験していなければ、私も洸希が心の底から私を愛しているのだと信じてしまったかもしれない。

私は薬指の指輪を撫で、穏やかに微笑んだ。

「いえ、結構です。だって、私たちは六年も前に別れましたから。

そうですよね、岩崎さん?」

数珠の紐が切れ、仏頂面をした洸希の手から、珠が一つ、また一つとこぼれ落ちた。

まさか、私が彼との結婚を断るとは、思ってもみなかったのだろう。

なにせ、かつての私は、恥知らずにも三年間も彼に付きまとっていたのだから。

その三年間、私は彼が現れるすべての場所で、偶然を装って待ち伏せした。

雨が降ろうが風が吹こうが、飽きることなく彼の家へ通い、精進料理を作った。

彼が夜に求めてくれば、私は二つ返事で、ありとあらゆる手を使って彼を喜ばせた。

しかし、そんな私の行動は、彼の家族や友人の目には、下品で恥知らずな行為に映っていた。

何度目の非難だったか忘れた頃、洸希は私の手を引き、岩崎家の人々の前に立った。

彼は言った。「柚葉は、俺が今まで会った中で最も純粋で、清らかな女性だ。俺は自分の信仰に背いてでも、彼女と共にいたい」

仏に仕える者は嘘をつかない。私は洸希の言葉を信じ、彼が私を愛してくれたのだと、本気でそう思った。

だから、毎晩セックスが終わるたびに、彼が仏間で二時間も懺悔していても、私はそれを、彼が私を愛している証拠なのだと解釈していた。

しかし、付き合って二年が経ったある日、洸希はまたベッドの上の私を置いて、仏間へ向かった。

私は震える足で立ち上がり、彼の背中をそっと追いかけた。破戒の罪を、彼と共に分かち合いたかったのだ。

けれど、固く閉ざされていなかったドアの隙間から、私は見てしまった。洸希が仏の前に跪き、一枚の女性の写真を前に、自慰に耽っている姿を。

オレンジ色の蝋燭の光が揺らめき、写真の女性の顔が明暗に照らされる。それは紛れもなく、彼の義妹、岩崎萌香(いわさき もえか)の顔だった。

その瞬間、私はようやく理解した。洸希が懺悔していたのは、夜ごと私と快楽を共にすることではなかった。

十数年も仏に仕え、念仏を唱えてもなお、断ち切ることのできない萌香への欲望だったのだ。

その日、私は枕を抱いて一晩中泣き明かし、彼も仏間に籠ったまま、寝室には戻ってこなかった。

翌朝、洸希は清潔な服に着替え、出かけようとしていた。

私が赤く腫れた目で戸口に立って彼を見つめても、彼は私の方を見ようともせず、私が泣いていたのかと尋ねることさえなかった。
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