完璧美女は家事ができない

完璧美女は家事ができない

last updateLast Updated : 2025-12-23
By:  satomiOngoing
Language: Japanese
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主人公の神崎美咲(かんざきみさき)は自他共に認める完璧美女。今は会社の副社長だし、語学は堪能、頭脳明晰の非の打ちどころがない美女。名は体を表す。とよく言われている。 しかしながら、彼女は致命的・壊滅的に家事ができない! このままでは食生活が満足にいかず、買い食い・外食ばかりで肌荒れの嵐の予感。 そんなわけで社長である彼女の母推薦の下で、家政婦を雇うことにした。 条件は『彼女のイメージを壊さないこと』。 やってきた人を見てビックリ。男性だった…。家事の得意な乙男だったけど、同棲になっちゃう?!

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Chapter 1

第1話 完璧美女の真実

 私に家事の才能はない。

 卵焼き…というか卵料理全般。卵を割る。力加減が上手くいかない。全く割れない、又は何故か指が卵の殻を貫通。これは指が痛い。そして力を入れすぎると、卵粉砕。殻ごと粉々になる。

 テレビで見る。片手で卵を割るシェフの方。素晴らしいと心から思います。

 洗濯…は洗濯機がしてくれるからとお思いでしょうが、私は洗剤の量なんかがよくわからずに適当に入れていたら、汚れが残っていたりする…。某企業が作ってくれた、一粒でいいというあれにどんなに助けられていることか!

 お金がかかる、という話もあるけれど。それならば自分で稼げばいい話で問題なく有難く使わせて頂いています。

 お掃除ロボットも然り。以前なら掃除機のヘッドを至るところにぶつけ、掃除機の寿命を短くしてしまっていたけれども、お掃除ロボット様は私が留守の間にササーッとお掃除をしてくれている。なんて素敵なんだろう。スマホでその様子が見れたりして、あの子にもお名前を付けたほうがいいかなぁ?なんて思っています。

 そんな私の名前は神薙(かんなぎ)美咲(みさき)。名は体を表すってよく言われます。

「…でもねぇ。外食や買い食いばかりじゃ栄養バランスに偏りがあるのは確かよね。今はいいかもしれない」

 食生活は滅茶苦茶だけど、肌の調子はいつも良い。

「やっぱ家政婦さんを雇うのが現実的かなぁ?幸い私は高給取りだし」

 私は毎日ヒールを鳴らして会社に出社。

 私の役職は、ズバリ副社長。社長は私の母。シングルマザーだった母親が一代で築き上げた、神薙インターナショナルコーポレーションの副社長が私の役職。

 七光りとかいうバーコード親父とかいたりしても私の語学力やプレゼンの能力などを実感すると閉口してしまう。

「副社長は今日も麗しいよな。まさに名は体を表しているよな」

「私は副社長に憧れてこの会社に入社したのよ!」

「同じ会社にいたからって副社長みたいになるわけじゃないぞ」

「そうなんだけど…。わかってるわよ‼」

「副社長の夕飯なんかさぁ、きっと独り暮らしだけどパエリアとか?」

「あぁ、そんなイメージ。わかる~‼」

 さて、どんな人が私の家政婦として相応しいかだけど…。

 重要なのは、『私のイメージを壊さない』って事!なんせ私は完璧美女なんだから!

 大々的な募集もかけられないなぁ。口コミ?にしたって私が家事出来ないのを知ってるのは家族だけだし…。困った。

「呼んだかしら?」

 読んでないです。社長が現れた。

「へぇ、あなたが家政婦を雇おうと思ってるのね。殊勝な考えね。まぁ、収入は十分にあるわけだし?あなたの部屋が汚部屋にならないか心配だったのよ」

 お掃除ロボットさんが頑張ってくれています。

「ちょうどいい人探してあげるわ。ちょうどいい人がいるのよ。まぁ、ちょっと待っていなさいな」

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第1話 完璧美女の真実
 私に家事の才能はない。 卵焼き…というか卵料理全般。卵を割る。力加減が上手くいかない。全く割れない、又は何故か指が卵の殻を貫通。これは指が痛い。そして力を入れすぎると、卵粉砕。殻ごと粉々になる。 テレビで見る。片手で卵を割るシェフの方。素晴らしいと心から思います。 洗濯…は洗濯機がしてくれるからとお思いでしょうが、私は洗剤の量なんかがよくわからずに適当に入れていたら、汚れが残っていたりする…。某企業が作ってくれた、一粒でいいというあれにどんなに助けられていることか! お金がかかる、という話もあるけれど。それならば自分で稼げばいい話で問題なく有難く使わせて頂いています。 お掃除ロボットも然り。以前なら掃除機のヘッドを至るところにぶつけ、掃除機の寿命を短くしてしまっていたけれども、お掃除ロボット様は私が留守の間にササーッとお掃除をしてくれている。なんて素敵なんだろう。スマホでその様子が見れたりして、あの子にもお名前を付けたほうがいいかなぁ?なんて思っています。 そんな私の名前は神薙(かんなぎ)美咲(みさき)。名は体を表すってよく言われます。「…でもねぇ。外食や買い食いばかりじゃ栄養バランスに偏りがあるのは確かよね。今はいいかもしれない」 食生活は滅茶苦茶だけど、肌の調子はいつも良い。「やっぱ家政婦さんを雇うのが現実的かなぁ?幸い私は高給取りだし」  私は毎日ヒールを鳴らして会社に出社。 私の役職は、ズバリ副社長。社長は私の母。シングルマザーだった母親が一代で築き上げた、神薙インターナショナルコーポレーションの副社長が私の役職。 七光りとかいうバーコード親父とかいたりしても私の語学力やプレゼンの能力などを実感すると閉口してしまう。「副社長は今日も麗しいよな。まさに名は体を表しているよな」「私は副社長に憧れてこの会社に入社したのよ!」「同じ会社にいたからって副社長みたいになるわけじゃないぞ」「そうなんだけど…。わかってるわよ‼」「副社長の夕飯なんかさぁ、きっと独り暮らしだけどパエリアとか?」「あぁ、そんなイメージ。わかる~‼」  さて、どんな人が私の家政婦として相応しいかだけど…。 重要なのは、『私のイメージを壊さない』って事!なんせ私は完璧美女なんだから! 大々的な募集もかけられないなぁ。口コミ?にしたって私が家事出来ない
last updateLast Updated : 2025-12-01
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第2話 男性と同棲という事になるんですか?
 母には逆らえないので、ちょっと待った。母は社長ですし。 数日待って、やって来た。本当に待っていた。貯まりにたまった洗濯物が私の待ち具合を物語っている。これ以上は服を買いに行こうか?ってくらい洗濯物がたまっている。 やってきた家政婦さんに会った時に驚いた。―――見るからに男性。彼はオトメンというやつなんだろうか?それはいいけど、洗濯をしていただくという事は当然私の下着も洗濯するという事で……。これは母の陰謀だろうか?少しくらいは自分でも家事をしろという。あとあと、男性に買い物を頼むことになるけど、生理用品を頼むのは気が引ける。これも母の陰謀なの? 脳裏に高笑いをする母の顔が浮かぶ。「派遣されて参りました。颯斗と申します。家事全般申しつけてくださったら、何でも承ります」 マジでオトメン現った。母の人脈スゴイ! それにしても…颯斗。見た目がもっさいわ。本当に家事が万能なのかしら?「えーと、『私のイメージを壊さない』ことが大事なのよ。そうねぇ、今日の夕食にパエリアを作れるかしら?」「道具と材料があれば」 どうせいいキッチンだけど使いこなしてないわよ! 本格パエリアならパエリア鍋が必要なの?いいわよ。オトメンよ、作ってみなさいよ!お金なら存分に稼いでいるわよ! 颯斗はデパートでパエリア鍋などの道具と材料を調達し、美咲の部屋のキッチンを使った。 颯斗がデパートに行っている間に美咲は母に電話した。「家政婦が男性なんて聞いてない!」「言ってないもの。彼は昨今増えたオトメンというやつね。まぁ、うまく使ってやってよ」 そう言い、一方的に電話を切られた。 マジかー。 颯斗は手際よくパエリアを作り、味の方は完璧だった。「どこかのお店で修業したの?」「俺なんぞ、ただ趣味のようなものです」 その趣味すらもまともにできないんですけど……。 颯斗は部屋を見回し、洗濯物の山を見つけた。「美咲さん、あの洗濯物を洗濯してしまっていいでしょうか?」 任せてしまった方が私は楽なんだけど…でも、下着が…。「ああ、美咲さんはまさかご自分の下着が混ざっている事を気にしてらっしゃいます?家政婦にとって、洗濯物は洗濯物です!下着だからなんです?所詮は布!洗い方に注意書きがあるかもしれませんがそれは他の物と変わりはしません!」 そんなに熱弁されると。……
last updateLast Updated : 2025-12-01
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第3話 美咲のストレスと解消法
「最近、副社長の肌艶が以前にも増して良くなったと社内で噂ですよ?誰か好きな人がいるんじゃないかとか、最初から婚約者がいたんじゃないかとか」 私はその話を聞いて飲んでいた紅茶を吹き出してしまった。紅茶は今朝、颯斗が淹れてくれたものを魔法瓶で持って来ている。もったいないことをした。そこらの紅茶よりも美味しいのに。「どこからそんな噂が出てきたのよ?最近仕事の調子が良くてストレスもないからかなぁ?」 恐らく、颯斗によって食生活が改善したからだろう。 化粧だってわざわざファンデを塗らなくていいんじゃない?って思うくらいだし。 ……ストレスはその颯斗と一緒に暮らしている事かしら?あんなにもっさいのに家事が完璧なオトメンなんだもの。「今日は企業アピールのプレゼンですね。どっちかの企業を選んでいただかないといけないなんて……」「大丈夫よ!この私がプレゼンの資料を作ったんだから‼」 そうよ、この後の舘塚産業とのプレゼン対決だって私の圧勝よ!「―――2社のプレゼンを聞いたんだが、今回は舘塚産業にこの仕事を任せたいと思う」「有難いと思います」「社への愛を感じたよ。神薙さんの方もいいプレゼンだったんだけどねぇ。もう一つ足りない感じがしたんだよねぇ」   なんなの?このオヤジ!私のプレゼンよりも舘塚産業のプレゼンの方が優れていると?そうなの?大体名前から気に入らないのよ!‘舘塚颯斗(たちづかはやと)’。うちの颯斗に名字をくっつけたような。会長令息?そんなの知らん!女子社員が秋波を送ってたけど、うーん、確かにいい服着て、髪型も整ってるし『会長令息』って感じ!きっと特別室みたいなとこで部下を手足のように使ってこのプレゼンも作ったんでしょうね! こういう時はさっさと帰宅して、颯斗の美味しい料理にありつくのが一番よね~。「副社長、決済が必要な書類がありますので帰宅までこれらを片付けて下さい」 あぁ、こういう時に融通が利かないのよね。仕方ないけど。まぁ、私の事務処理能力をもってすればこの程度の書類すぐに片付けるわよ。 秘書曰く、私は鬼のような形相で書類を片付けていたらしい。 書類も片付け、早々に自宅に帰る。 待ってて!私の美味なる料理‼すぐに食べてあげるからね。  本日は颯斗も本職に手間取ったらしく(本職って何だろう?)、料理は颯斗的に手抜きだった。私的に
last updateLast Updated : 2025-12-01
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第4話 ~颯斗視点
「ちょっと聞いてくれる?あなたと同じ名前の舘塚颯斗ってのが、この私よりも良いプレゼンって評価されたのよ?信じられない!絶対部下を手足のようにこき使って今回のプレゼンだって作り上げたに違いないわ!私は一人で作り上げてるわよ?それに評価が付くなんて気分が最悪だったんだけど、颯斗が作ったこのカレーを食べて、なんだか安心したわ」「俺なんかが役に立てて光栄です」「謙虚ねぇ。颯斗はいつも役に立ってるわよ~」 ふぅ、俺がその舘塚颯斗だってわかったら、彼女は絶望するだろうか?しそうだな。洗濯までしたし。オトメンてのは確かなんだよなぁ。 神薙社長からの依頼でココに来てみれば、大惨事で聞いてた通りと言えばその通りだけど…まさかここまでとは…と正直なところ思ってしまった。 いつもの会社に行く仕様の格好じゃなくて良かった。彼女は‘舘塚颯斗’をライバル視してるみたいだしな。ワザとにもっさい格好してたわけじゃなくて、普段はそんな格好でいたい!普段からあんな会社にいるみたいな格好でいるのは疲れる。 俺に関していえば噂はこうだ。「颯斗さんの家には絶対家政婦さんがいてさぁ、「坊ちゃま今日は何をお召し上がりですか?」とか朝に夕飯の質問してそう?」「あー、わかる~!」「仕事の前後でジムに行ってそうだよな。イイ体してるもんな」「あんた、颯斗さんのどこ見てんのよ?」「腹筋。泳いでます!って感じがする」 という感じ。真面目に家事をこなすとこうなる。かなりの重労働だからな。 プレゼンの事言われたけど、アレは…寝静まった後にPCでちょこちょこと作ったものだ。思わぬ高評価を得たが。 プライベートでまであんな会社にいる時みたいにかっちりとしているのは疲れる。その点、美咲さんは私生活でもかっちりとしていてすごいと思う。俺がいるからだろうか?断固としてすっぴんは見せません!って感じだし、服装もキチンとしている。スウェットでダラダラなどしていない。スウェットでもいいと思うのだが?「美咲さんは何故に仕事でもないのに服装などに拘りがあるのですか?」「うーん、着慣れてるからこっちの方が楽という感じかなぁ?ほらっ、和服なんか肩が凝りそうだけど、着慣れてる人は和服の方が楽って言うし。それと一緒じゃないかなぁ?」 なるほど。 世の中にはいろいろとあるのだなぁ。スウェットが必ずしも楽とは限らないとい
last updateLast Updated : 2025-12-01
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第5話 社長の力
 先日のプレゼン対決で副社長の私が負けてしまった。という事はすでに会社の噂になっていた。「副社長の何が不満だったの?」 そんなのはこっちが聞きたい。今までが順風満帆だっただけに衝撃が大きい。「実は副社長って七光りってやつじゃねー?」 今まで恩恵を受けておいていきなり何を言いだすのか、愚かな奴を雇っていたんだなと思った。 私はその発言をした男を解雇したが、余計に私の支持率を下げることとなった。「事実を言われたから……」 あー、これは説明した方がいいかなぁ?「違うわよ!」「「「社長!」」」「今まで副社長の恩恵を受けて仕事をしてきたっていうのに、たかだか1回ミスったくらいで手のひらを返したような発言。愚かしいでしょ?そんな愚かな人間を雇うような趣味はないのよ。上層部は1度のミスも許されないのかしら?そんなことはないでしょう?」「そ、そうよね。確かに一度くらいミスるわよ」「副社長になってからずーっとぐーたらしてるんならまだしも、社のために粉骨砕身働いてるんもんな」「そうよ!」 社長の言葉で私の立場が元に戻った。と言っても、今後も精進していかなきゃならないのは変わらないけど。 私がこの会社を継ぐんだからしっかりしないと!颯斗には家政婦頑張ってもらおう。ん?家政婦。颯斗だってそのうち結婚して家庭を持つようになるわよね。うん、その大黒柱として恥ずかしくないほどの給与を渡さないと!「副社長!颯斗君はその後どう?うふふっ」「社長、その話は副社長室なんかでじっくりとしましょう?こんな公衆の場でなくて」 私と母は、副社長室に移動した。私の秘書にも秘書室の方に行くように指示を出し、二人きりになるようにした。「どう?って颯斗はとてもよくしてくれますよ?作る料理は大体美味しいですし?」「あ~ん、そうじゃなくて。颯斗君本人よ!」「もっさいですよね~。さすがは母です。人脈がスゴイですね~」「もっさい?颯斗君が?いつもビシッとスーツ姿で髪型も決まってて、凛としてるのに違うの?」 それは誰?「うちにいる颯斗と別人じゃないですか?」「その‘颯斗’の名字は?」「あ、そういえば聞いてないなぁ。料理が美味しくて♡」「私が派遣したのは、‘舘塚颯斗’よ?」 タチヅカ ハヤト? 嘘でしょ?その颯斗に洗濯させてる。下着まで。「冗談。もっさい男よ?オトメン
last updateLast Updated : 2025-12-01
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第6話 不吉
「今日は早く帰って来れたので、豪華です。天ぷらですよ。天ぷらは揚げたてが最高ですからね。お帰りを待っていたんですよ」 もっさい格好をした颯斗がそこにはいた。 とりあえず、夕食にありついた。 颯斗の言う通り揚げたての天ぷらが最高に美味しい。サクサク。スーパーの惣菜なんかはなんかべちゃっとしている感じ。「天つゆも作ったんですよ!簡単なんですけどね」 颯斗はポリポリと顔を掻きながらそういうけど、とっても美味しい。「俺は大根おろし必須派なんですけど、美咲さんは大根おろしがお嫌いでしたよね?大根おろしが入っている方は俺の天つゆです」 颯斗は次々と天ぷらを揚げていく。「肉からは肉の脂が出てしまうので、とり天はラストです」 ラストのとり天も美味しそう。「安いササミとかを使うんですけど、この方法だととっても美味しいんですよね」 颯斗が作った天ぷらで夕飯をいただき非常に満足しました。 「さて、颯斗。颯斗に聞きたいことがあるの。あなたの名字は何なの?」「……舘塚です」「ということは、あなたは舘塚颯斗本人?」 ちょっと~、恥ずかしい。本人に本人への愚痴をぶちかましてるじゃないの!っていうか、どうやって時間を捻出してるのよ!「ココの家事と仕事の両立ご苦労様!クビよ~」「え?俺、なんか落ち度ありましたか?」 あー、ないけど。ライベル社の令息と同棲してるって社に知られたくないのよ!「颯斗はココにいたいの?」「そうですね。家事もしごたえがありますし。料理も思う存分できます」「身分がわかったからもう材料費とか出さないわよ?」「マジですか?今後は節約料理を作らないと」 今までどれだけ豪華な食事を作ってたんだ?「しかしまぁ、『完璧美女は家事ができない』って言う都市伝説は本当だったんですね。家事ができていない時点で完璧ではないと思うんですけど」「出てけ~~~~~~‼‼‼‼‼‼‼」  翌日の夕食より私の食事は買い食いに変わった。「ああ、颯斗の作った食事が美味しかったなぁ。口が悪くなければなぁ」「副社長、どうしたんですか?副社長の完璧な肌にニキビが…。なんか不吉な……」「大袈裟ねぇ。ニキビくらい誰でも出るでしょう?」 そうは言うものの、私はニキビ初体験。記念に写真でも撮っておこうか?ってくらいかなり珍しい。最近の食生活の悪化がもろに肌に現れた
last updateLast Updated : 2025-12-02
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第7話 割烹着の怪
 自分が勝手にライバル視してる人間が家事が出来て仕事もできるパーフェクトだと思うと腹が立ったから八つ当たりをしただけだ。「颯斗になんか弱点みたいなのはないの?」「弱点ね~?猫が苦手とか?」「颯斗避けに猫でも飼おうか?」「ダメよ!あなたは動物を飼う事も上手にできないでしょ!猫も死んじゃうわ!」 困った。私はどう考えても颯斗に劣っている。「この会社と颯斗の会社を合併させようとしてたの?」「まあそうよ。この会社は海外に強いけど、国内にはそんなに力がないのよ。舘塚産業はその逆。合併すれば、国内だろうと海外だろうと強い会社が出来上がると思ったんだけどなぁ」  まずは会社の合併。颯斗には今まで通りにうちの家政婦を続けてもらう(あの口が開かなければなぁ)。合併後は私がトップになり颯斗にはその補佐をしてもらう。 頭の中で青写真を描く。 いいじゃない?「いいわよ、合併の手続きを続けて下さい?合併後の会社のトップは私。颯斗はその補佐って事で」 その足で私は副社長室へと戻った。 内心スキップでもしたい気分だった。 颯斗と結婚とかどうとかはあり得ないし、何しろ合併後に会社のトップってのがいいわよね。 会社同士のことなので、調印式なんかもあったが、恙なく進んだ。「颯斗、ちょっと顔を貸してくれる?」 私は颯斗を呼び出した。「この会社のトップは私。あなたは私の補佐よ、OK?それから、今後もうちの家政婦を続けてちょうだい。補佐だもの、時間的にも余裕があるでしょう?」「了解しました」 私はこの時の颯斗の姿にちょっとドキドキしてしまった。こういうのをギャップ萌えって言うんだろうか?普段はあんなにもっさりとしてるのに。 家に帰ると、割烹着を着て私を待つもっさりとした舘塚颯斗がいた。 イマドキ割烹着?「家事をお任せするとは言ったけど、割烹着はなくない?」 もっさりしたままだし。いや、ビシッとした状態で割烹着来てても不審……。「あー、なんか俺ら婚約者同士らしいから。少しは美咲をドキドキさせないとなぁって苦肉の策」 割烹着は別の意味でドキドキしたわよ!「で、今日は何なのよ!」「割烹着着てるし、それっぽい感じで、筑前煮をどうぞ!」 ち、…筑前煮ですって⁈あの具材ごとに下処理がいろいろと面倒だと有名な…。「あ、味はどうなのかしら?」 私は明らかに動
last updateLast Updated : 2025-12-03
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第8話 パーティーへ行こう
「神薙社長にも「娘をよろしく♪」と言われていますし」 私の知らないところでそんな簡単に私を処理しないでよ。 でもまぁ、舘塚颯斗は優良物件よね。家事は出来るし、連れて歩くにはビジュアルもいいし。「神薙社長とうちの親父とで揉めてるのは合併後の会社の社名」 くだらないことに労力を使うなぁ。「あ、そうそう。今度SSカンパニーがパーティーをするようで、俺らが招待されています。丁度いいのでその場で婚約発表でもしちゃいますか」 やっぱり颯斗との婚約は決定事項なんだ……。そうよね、合併の文書に書かれていたことだもの。  SSカンパニー―――佐藤さんと鈴木さんが創業者の会社。私達が世界規模の企業になるうえで既にSSカンパニーは世界規模で活躍しているから、体育会系だったら先輩~って崇めるとこなんだけど、残念ね。海外におけるうちの会社の知名度と国内における舘塚産業の力を考えると実力社会のこの業界だと私達の方が上なのよね。「パーティーに向けて合併後の会社の名前を確定しておきたいみたいなんだけどさ」 なるほどね。このままじゃ、若造がふたりパーティーに参加するだけの様相だものね。「…なんか『T・神薙インターナショナルコーポレーション』らしい。舘塚産業の部分は『T』だけね」でも海外だと『神薙』って名前が売れてるのよね」 そういうのとか揉めてたみたい。 パーティーの前に颯斗からドレスを送られた。こういうのが似合うと思って……。はにかんでるけど、結構背中は空いてるし、スリットも結構入ってるんですけど?チラ見せではなくガン見せなんですけど? 婚約者の体を見せちゃってもいいのかな? 私は前日までにドレスに合うようなアクセサリーなどを準備し、当日に備えた。  そして当日。「やっぱりドレス似合うと思った」 私のアクセサリーチョイスもなかなかのもんだと思う。そして、このドレスにはやっぱピンヒールよね。「エスコートする側がスリット入っている方だから美咲さんはただ歩きやすいだけだよ」 そう言われて、なるほどと思う。「そのヒール凄いね。もはや凶器じゃない?」「私も思う。こういうのって、危険物取り締まり法に違反しないわけ?」「アクセサリーならいいんじゃない?」「アクセサリーです!って言い張ったら、釘バットもOKになるの?」「どうやってあれがアクセサリーになる?」
last updateLast Updated : 2025-12-04
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第9話 まさかの親も?
 私は颯斗が婚約発表をするんだと思っていた。が、うちの母&颯斗の父が私達の婚約発表と会社の合併を発表した。「何?政略結婚ってやつ?颯斗さんかわいそ~」 とか言う声が聞こえてきたので、イライラして颯斗の腕に抱きついてエスコートされた。本来ならば腕につかまる程度でいいんだけど。「合併後の社名は『T・神薙インターナショナルコーポレーション』で社長は神薙美咲。社長補佐に舘塚颯斗を任命する」  『かわいそう』。私と婚約者でいることが?「全く部外者ってやつは何も知らないから好き放題言いたい放題だよな?俺のどこが可哀そうなんだ?婚約者が神薙美咲って有名な完璧美女。どこが?って感じだよな?」「え、ええ」「おい、美咲さん。しっかりしてくださいよ。完璧美女!」「わかったわよ!」「よし、復活したな」「あらあら、お二人さんは結婚前だというのにイチャイチャしちゃってまあ」「母さんまで。ところで、合併後は母さんどうするの?」「夢だったのよねぇ、クルーズ船で世界一周旅行よ!」 どうぞ、行ってらっしゃい。「舘塚産業の会長は?」「あら、聞いてない?私と一緒にクルーズ船世界一周旅行よ!」 うーん、子供同士を結婚させる前に自分たちもできてない?「ああ、必要以上に颯斗にくっ付いてるのは、颯斗が「かわいそ~」とか言うのを牽制するためよ」「颯斗君、可哀想…」「??」 私はその母の言葉をわからずにいた。「それにしても颯斗はさぁ、ビシッとしてれば男前よねぇ。なんで普段はあんなにダルダルなの?」「プライベートまでビシッとしてらんないだろ?」「そんなもんか。私は自分一人の時以外はちゃんとしてるかなぁ?あと、家族の前以外」「ってことは、美咲さんは家族になったら俺の前でダルダルするという事ですか?」「あっ…まぁ、そうなるわよねぇ」 「美咲!」「あ、久し振り。こちら婚約者の舘塚颯斗さん」「颯斗、こちら幼馴染の相良匠」「お前婚約したんだ。一生できないもんだと思ってた」「失礼ね。こんな美人に限ってそれはないでしょう?」「自分で自分の事美人とか言うか?」「事実でしょう?」「美咲さん、匠さんはその…美咲さんの」「ああ、こいつが家事できないことなんか知ってるぜ?」「美咲さん、ちょっと外の風にあたって来ますね」「え、ええ」 なんだか、複雑
last updateLast Updated : 2025-12-05
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第10話 ~颯斗目線
 俺はおかしい。 美咲さんに似合うだろうとドレスを送ってみたり、幼馴染に会ってはしゃぐ美咲さんを見てなんだかムカムカして逃げてきたり。 幼馴染の方を嫉妬というやつだろうか?俺は絶対に美咲さんに惚れない自信があったのに。惚れられる事はあっても惚れる事はないだろうとタカをくくっていた。 今なら、神薙社長が言った「颯斗君、可哀想」の言葉の意味がわかる気がする。あの人は人の心の機微にスルドイなぁ。  あ、美咲さんに送ったドレス!俺がエスコート側に立ってないと美咲さんの脚が万人に晒されてしまう。 こんなところで不貞腐れていないで会場に戻ろう。 そこらの茂みでは盛っている人がたくさんいるし、さっさとお暇しよう。 戻ってみると、美咲さんの横には先ほどの幼馴染君(名前を忘れた)が立っていた。俺は美咲さんの方へ行き、幼馴染君に「そこは俺の場所ですよ?」と言った。牽制の意味。まだ婚約者の立場で実際に結婚しているわけじゃないからなぁ。これが限界。 それでも美咲さんが、俺を待っていたような表情をしていたのでかなり救われた。 美咲さんにこのドレスとかってやっぱりクリーニングですか?と聞かれた。クリーニングが無難だろうと思う。下手に手を出して失敗するよりもクリーニング屋さんに任せた方がいいと思う。 ついでに今日の帰りには二人で今日の夕飯は何にするかを相談しながら買い物をしよう。そういうのってなんだかいいなと思う。「美咲さん、今日の夕飯は何がいいですか?」「なんだか疲れたから、疲労回復しそうなものがいいわ」 会話の男女が逆のような気がするけどそれが俺達のカタチなのだから、気にしない。 疲労回復……なんかドリンク剤にありそうな気がするけど、そうじゃなくて美味しい食事でありつきたいという話だ。 ハーブと漢方薬は名前が違うだけだったりする。その中でも疲労回復効果のモノを選び、お粥にすると、癖の強いお粥になりそうだ。ネットなど情報を駆使して料理名なんかを割り出す。 それが俺の仕事。普段はキチンと会社の仕事だってしています。美咲さんの補佐に任命されたからには全力で補佐の仕事をしましょう。手伝えと言われれば手伝うし、特に仕事のない時は家の掃除を全力でしましょう。
last updateLast Updated : 2025-12-06
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