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第5話

Author: 花吹雪
竜也は膝から崩れ落ち、そのまま地面にひざまずいた。

鉄夫は目を見開き、口ごもって言った。

「樹里!いったい何をしているんだ!こんなにいい日なのに、わざわざ死んだふりをして人を驚かせるなんて!」

彼は大股で近づき、私の体を二度蹴った。

「早く起きろ!起きろ!」

だが、私は動けるはずがない。鉄夫は不機嫌そうにしゃがみ込み、私の顔に血が付いているのを見て冷笑した。

「家のケチャップをこんなふうに無駄遣いするのか?」

彼は手を上げて拭こうとしたが、指が私の肌に触れた瞬間、驚きのあまり叫び声を上げた。

なぜなら、私の肌は凍りつくほど冷たいからだ。

鉄夫は震える手で私の遺体を指差し、震えながら言った。

「死んでる…本当に…死んでる!」

竜也は息を呑み、信じられない様子で私の遺体を見つめた。

久実子は悲鳴を上げ、倒れそうになった。

私は彼らの顔に恐怖が浮かんでいるのを初めて見た。

けれども、久実子は一歩も近づこうとしない。私の服の中からウジ虫が這い出してきたからだ。

その時、孝裕が駆け寄り、私の遺体を抱きかかえて泣き叫んだ。

「お嬢さん、どうしてこんなに悲惨な死に方を……!僕が出かける前に、必ず自分の身を守ると約束したじゃないか!」

竜也はしばらく呆然としていたが、すぐに孝裕の手を掴んで問い詰めた。

「その言い方はどういう意味だ?誰かが樹里をいじめたのか?

言え!誰なんだ!」

竜也の声は掠れ、目には血走った怒りが宿っている。

だが、孝裕はその手を振り払いつつ、声を詰まらせながら言った。

「君たちだ!

君たち家族全員が犯人だ!

特に明里だ!彼女は悪辣極まりない次女と言っても過言ではない。僕は彼女が樹里を三階から突き落とすのを目撃したんだ!

もし僕がその時救急車を呼ばなかったら、樹里はその日に命を落としていただろう!」

孝裕が言い終えると、皆の視線はすぐに隅にいる明里に向けられた。

彼女は顔を真っ赤にして叫び声を上げた。

「関係ない!私を犯人に仕立て上げないで!」

だが、言葉が終わる前に、孝裕はドアの近くにあったくまのプーさんのキーホルダーを手に取った。

「違うのか?じゃあ、どうして君の鍵についてたキーホルダーがここに落ちてるんだ?

しかも、そこには血痕まで付いてる!

これを警察に渡して、真相を明らかにさせるんだ!」

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