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第7話

작가: 夕子
ひとりで病院へ行き、傷の手当てを済ませてから、紗季は家に戻った。

紗季が真っ先にしたのは、颯真に関わるものをすべて捨てることだった。

二人で撮った写真、おそろいのパジャマやカップ、編みかけのマフラー、颯真から贈られたプレゼント……

ひとつも残さず、全部捨てた。

最後の荷物を捨て終えたところで、ちょうど颯真が帰ってきた。

ゴミ箱の中のものを見て、颯真は一瞬固まり、信じられないという顔で紗季の手をつかんだ。

「紗季、どうして全部捨てたんだ?今日のことは謝る。埋め合わせなら何でもする。だから、怒らないでくれ」

ここまで来ると、紗季はもう颯真を見ても怒りすら湧かなかった。

怒りはもうなかった。あるのは、胸の奥まで冷えきった失望と、どうしようもない諦めだけ。口から出た声は、自分でも不思議なくらい静かだった。

「引っ越すつもりだから、全部捨てただけ。埋め合わせはいらない。あなたの荷物も片づけておいて」

颯真は、紗季が自分のもとを離れるなど考えたこともなかったのだろう。その言葉を聞いても、ただ反射的に答えた。

「この前買った西山の別邸に移るのか?そのときは使用人に、俺たちの荷物を全部運ばせるよ。君はさっき怪我をしたばかりなんだから、無理に動くな。傷口が開いたら、俺がつらい」

つらい?

自分が倒れたとき、颯真が遠くから冷ややかに見ていた姿を思い出すと、紗季には皮肉にしか聞こえなかった。

何を言えばいいのかわからなかったし、実際、もう言うことなど何もなかった。紗季は黙って部屋へ戻った。

それから数日、家の中のものは少しずつ片づけられていった。

颯真は何に忙しいのか、二、三日に一度しか帰ってこなかった。

紗季も問いただすことはなかった。自分の荷物を青木家へ送り返していると、突然、颯真から電話がかかってきた。

電話に出ると、聞こえてきたのは颯真の秘書の焦った声だった。

「青木さん、白石社長が事故に遭って重傷を負い、今、病院で救命処置を受けています。意識がない中で、ずっとあなたの名前を呼んでいるんです。来ていただけませんか?」

その知らせを聞いた紗季が最初に思ったのは、また何かの復讐劇なのではないか、ということだった。

けれど秘書は何度も頼み込み、電話の向こうからは確かに救急のモニター音も聞こえていた。紗季はやむなく病院へ向かった。

病院に着くと、目に飛び込んできたのは、全身血まみれでベッドに横たわり、自分の名前を呼び続ける颯真の姿だった。

看護師は低下していく心拍数を見ながら、切迫した声で言った。

「患者さんは大量出血で非常に危険な状態です。すぐに輸血が必要ですが、当院にある輸血用血液が足りません。至急、同じ血液型で協力できる方を探してください!」

秘書は慌てて紗季を前へ押し出した。

「青木さん、同じ血液型ですよね。白石社長のために輸血に協力していただけませんか。お願いします。

白石社長は、いつだってあなたのことばかり考えているんです。今回事故に遭ったのだって、オークションで落札したネックレスを一刻も早くあなたに届けたかったからなんですよ」

そう言って、秘書は血のついたネックレスを急いで紗季に差し出した。紗季の頭は真っ白になった。拒む間もなく、颯真の仲間が数人、慌ただしく駆けつけてきた。

事情を知るなり、彼らは紗季を採血室へ押し込むように連れていった。

状況を飲み込む暇もないうちに、鋭い針が紗季の腕に刺さり、真っ赤な血が採血バッグへ流れ込んでいった。

どうすることもできず、紗季はそこに座って、颯真のために血を抜かれるしかなかった。

400ミリリットルも採り終えないうちに、医師がまた新たな緊急説明を告げた。

「一人から採れる量は最大400ミリリットルです。ですが患者さんの状態が非常に悪く、少なくともあと800ミリリットルの血液が必要です」

仲間たちの顔色が一瞬で変わり、ひどく取り乱した。

「連絡がつく人がいない。どうすればいいんだ?」

「こっちで血液型が合う人も、来られるのは早くても一時間後だ!」

紗季は青ざめた顔を上げるしかなかった。

「血が足りないなら、私から続けて採ってください」

看護師は数秒ためらい、何か言いたげにしたが、結局は頷いた。

400から800へ。さらに1200へ。

紗季の唇は紫がかっていき、顔からは完全に血の気が失せていた。

視界が二重にぶれ始め、意識はますます遠のいていく。そして紗季は、そのまま床に崩れ落ちた……

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