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第2話

Author: 甘てんてん
私は自嘲気味に笑った。――これが、彼が「急いで解決しなきゃいけないこと」だったの?

椅子をつかんで壁に叩きつけ、二人の結婚写真を粉々に砕く。すぐにハウスクリーニングを頼んで、この部屋に残っている辰也に関するものを全部処分させた。

翌朝。軽くメイクをして出勤する。

恋で悲しむことは許しても、恋で自分を腐らせることだけは許さない。

だが不運は続いた。通勤途中、違反車線変更をしてきた車にぶつかられ、足をケガして病院に運ばれる。

そこで――彩花の肩を抱いて降りてくる辰也と鉢合わせした。

目が合った瞬間、彼は彩花の肩から手を離し、慌てて駆け寄ってくる。

「結、どうしたんだ!?」

私は平然と答える。

「たいしたことない。ただの事故でちょっと足をケガしただけ」

辰也はすぐに私のそばを離れず、検査の順番取りや薬の手続きを慌ただしくこなした。

そんな彼の姿を見て、彩花の目に嫉妬の色が浮かぶ。

そして挑発的に私へ言った。

「結、結婚式を台無しにしたのは私の勝ちよ。でも意外だったわ、そんなに我慢強いなんて。――でもね、もしそれで辰也さんのそばにいられると思ってるなら、それは大間違いわ」

私と辰也が出会ったのは大学。雨の日、図書館の傘を分け合ったのがきっかけだった。

彼の優しさに惹かれ、気づけば心は完全に落ちていた。

五年間の交際は、周囲も認める理想のカップル。ずっと熱い想いを抱き合ったまま、自然に結婚というゴールへ進んでいけると信じていた。

だが、彼の幼なじみ――彩花が海外から戻ってきた。

四か月の妊娠を抱え、強引に私たちの間に割り込んできたのだ。

「結、信じる?私がいる限り、辰也さんはあなたと結婚なんてしない」

彼女の言葉など取るに足らないと鼻であしらった。五年の絆があるのだから。

それに、彼女は未婚で妊娠、しかも子どもの父親は別の男。辰也が彼女を選ぶはずがない、と。

――結婚式のあの日までは。

現実に叩きつけられ、私は悟った。

それでも、負けたまま彼女にいい気分を味わわせる気はなかった。

私は冷たく言い返す。

「西村さん。どうあっても私は辰也の正真正銘の婚約者。あなたは一体、どんな立場でそんなことを言えるの?いまや不倫相手ってそんなに誇らしい肩書きなの?」

彩花は顎を上げ、挑むように答える。

「愛されない方こそ『浮気相手』でしょ」

その瞬間、地面が大きく揺れた。

「地震だ!」誰かが叫ぶ。

薬を受け取りに並んでいた辰也が駆け戻り、真っ先に彩花の腕をつかんで外へ走り出す。

「辰也さん、子どもが……!」彩花が青ざめる。

すると彼は方向を変え、二階へ駆け上がり赤ん坊を抱えて戻ってきた。彩花と子どもを連れて外へ。

その背中を、私はただ見つめていた。――最後まで、一度も振り返らなかった。

この瞬間、認めざるを得なかった。

五年の思い出は、彩花の前では何の意味もなかったと。

私は彩花に負けたのではない。辰也自身に負けたのだ。

揺れが収まり、ようやく辰也が私の存在を思い出したように人混みを逆流してきた。

「結……さっきは子どもが心配で……お前のこと、後回しにしてしまって……」

私は苦笑し、言った。

「いいよ、当然子どもが一番でしょ」

その言葉に彼は安堵の表情を浮かべる。

「結、お前がわかってくれるなんて……よかった。送っていくよ」

だが後ろから、泣きじゃくる赤ん坊を抱いた彩花が涙目で訴える。

「辰也さん……子どもが怯えてるの……」

辰也の顔は再び焦りに染まる。

「まずは彩花と子どもを上に戻す。結、ここで待っててくれ」

私は無言でうなずき、二人が階段を上がったその瞬間――背を向けて歩き出した。

辰也。もう、私は二度とあなたを待たない。

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