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第2話

Auteur: 浜田玲王
拓馬の言葉で、披露宴の会場が一気に騒然となった。

誰もが予想もしなかった展開だ。私が好意で結婚式を中断し、彼に別の女性を救いに行かせたのに、戻ってきた彼がこんな理不尽な提案をするとは。

普段私のことをよく思っていなかったはずの拓馬の母親でさえ、息子の行動を見かねて眉をひそめ、叱った。「何を馬鹿なことを言ってるの?拓馬、結婚は遊びじゃないのよ。どうして新婦を突然変えたりできるの?」

拓馬の父も同様に不快そうに眉をひそめたが、口を開かなかった。既に何か別の考えがあることを物語っていた。

拓馬も申し訳なさそうに私を見つめ、こう言った。「今回のことは俺が悪かった。後で必ず償うよ」

会場のあちこちからささやき声が漏れ出し、同情の目を向ける者もいれば、「自業自得だ」と嘲笑する者もいた。

だが、私は意にも介さず、あたかも屈辱に耐えつつ浅野家の顔を守るかのように振る舞い、涙を浮かべながら言った。

「大丈夫。吉野さんを救おうと決めた瞬間から、私は全て彼女の気持ちを優先しようと覚悟した」

その瞬間、愛佳は不満げに口を開いた。「私を助けたのは浅野お兄ちゃんよ。今日私と結婚すると言ってくれなければ、私はまた飛び降りていた。それがあなたと何の関係があるの?」

この言葉で、それまで私に同情していた人々がさらに私を庇った。

誰かが「一花さんが拓馬さんを説得して愛佳さんを救わせたんだよ」と言うと、愛佳の顔が一瞬気まずそうに歪んだ。だが、すぐに自信満々に言い返した。

「浅野お兄ちゃんが私を助けたいと思っていなければ、誰が何を言おうと彼は動かなかったわ。要するに、彼の心には私がいるのよ」

これに拓馬も怒りが頂点に達し、激昂して叫んだ。「愛佳!俺が助けたのは、家同士の関係を考えたからだ。それがなければ、誰がお前なんか助けるか!」

「お前のために一花がどれだけ恥をかいたと思ってるんだ?もしまた俺たちを邪魔するなら、そのまま屋上に戻って好きにすればいい!」

愛佳は悔しそうに目を赤くして何か言いかけたが、周りに味方がいないことを察し、仕方なく頭を下げた。「浅野お兄ちゃん、ごめんなさい。ただ、私はあなたを愛しすぎただけ」

「でも、一花が今日の結婚式を譲ってくれるって言うなら、早く式を挙げよう。お客様をこれ以上待たせるわけにはいかない」

拓馬は困惑した表情で私を見た。私は微笑みながら壇上を降り、化粧室へ向かった。

化粧室に到着する前に、既に前方から音楽が流れ、愛佳の感情のこもった告白の声が響いてきた。

化粧を落とし、普段の服に着替え終えた頃、宴会場から慌てた様子のスタッフが駆け込んできた。「前で喧嘩が起きています!」

急いで会場に向かうと、拓馬が私の甥、森嵐太を押し倒して殴っている光景が目に飛び込んできた。

愛佳は横でジュースを浴びて台無しになった姿で、地団駄を踏みながら怒鳴っていた。「こんな卑しい奴、殴り殺してやりなさい!」

私は怒りに震えながら拓馬に駆け寄り、その腕を掴んで叫んだ。「拓馬、やめて!」

嵐太は私を見て涙目で叫んだ。「おばさん!」

彼は、亡き姉が残してくれた唯一の息子であり、前世では拓馬に私を弱みに取られる理由にもなった。

結局、彼は自分を責め続け、ビルから飛び降りて若い命を絶った。

その後、私は深い悲しみに沈み、程なくして病気でこの世を去った。

こうして再び彼が元気な姿で目の前にいることに、私は涙を禁じ得なかった。

だが、拓馬は私を全く無視し、腕を振り払って私を床に突き飛ばした。次の瞬間、痛みが下腹部に走った。

私は全身が冷たくなるのを感じ、思い出した。前世のこの時、私は既に妊娠していたのだ。

床に倒れた私を見て、ようやく拓馬が動きを止め、駆け寄って手を差し伸べた。

だが、私は涙目で彼を突き放した。その隙に嵐太が駆け寄り、私を抱き起こしてくれた。「おばさん、大丈夫?」

私は首を振り、彼を抱きしめながら答えた。「おばさんは大丈夫」

そう言ったものの、下腹部の痛みは引かず、心の中でこの子がもう助からないことを直感した。

でも、それでいい。

この子には申し訳ないが、愛のない環境に生まれてほしくはなかったし、汚れた血を引く存在であってほしくもなかったのだ。
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