LOGINリアナ
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返事はイエスだ。他の返事など、ありえなかった。
馬車は、カエルの王国へと蛇行する荒れた道をガタガタと進む。窓から、遠ざかる幼年時代の緑の丘、茅葺き屋根の村々、自分たちが犠牲によって救われたことを知らずに裸足で走る子供たちを眺める。彼らにとって、私は未来の王妃、外交的な花嫁、同盟の象徴だ。私が何を失ったか、彼らは決して知らない。
私は日記を取り出す。何年も前にヴァルクールの市で買った、革表紙の小さな手帳。白紙のページを開き、羽根ペンをインクに浸して、書く。
あの男が憎い。
単語の下に線を引く。三回。ペンが紙の上で軋む。
あの男の傲慢さが憎い。冷酷さが。罠を仕掛けるように最後通牒を突きつけるやり方が。私の肌の上では冷たいであろう手が憎い。目が憎い。遠くから私の服を剥ぎ取る、あの飢えた視線が。エリクを私から奪ったことが憎い。私の人生を奪ったことが憎い。
ペンが震える。エリク。
目を閉じる。月の下の彼の顔が浮かぶ。乱れた金髪、開いたシャツ、腰に置かれた手、喉元に感じる口。鎖骨に残る唇の灼熱をまだ感じる。腿に残る指の幻。下腹がきゅっとなり、革と埃の匂いがするこの馬車の完全な孤独の中で、私は思わず腿を閉じる。
彼は今どこにいるの? まだ樫の木の下で、夜明けを見つめているの? 私の背中が押し付けられた場所の樹皮に触れたの? わからない。二度目の別れを告げることはできなかった。結婚受諾に署名し、振り返らずにこの馬車に乗り込んだ。振り返ることは、死ぬことだったから。
景色が変わる。なだらかな丘は暗い森、黒い山々、灰色の石造りの家が立ち並ぶ村に取って代わられる。カエルの王国は彼自身を映している。質素で、冷たく、無慈悲。頭の中で、彼に浴びせる言葉を繰り返す。
あなたは私を家畜のように買いました。
私の家を破壊すると脅しました。 私を愛する男から引き裂きました。 私の体はあなたのものになるかもしれない。でも心は、決して。手帳を閉じ、ドレスの布の下、胸元に滑り込ませる。心臓の真上に。紙とインクの鎧。
馬車が速度を落とす。格子門の軋む音、歩哨の呼びかけ、跳ね橋に響く蹄の鈍い音が聞こえる。窓からちらりと外を見て、息を呑む。
カエルの要塞が、獲物に飛びかかろうとする禿鷹のように、岩山の上にそびえ立っている。黒く、鋭く角張った塔、胸壁、氷が溶けずに残る堀。風が狭間の間を吹き抜け、警告のように絶え間なく唸りを上げる。銀狼の旗が凍てつく空気の中ではためいている。
馬車の扉が開く。
私は降りる。風が頬を刺し、マントの下に吹き込み、ドレスを腿に張り付かせる。ブーツが黒い玄武岩に響く。中庭は広大で、闇色の鎧を着た兵士たちが彫像のように動かずに取り囲んでいる。
そして中庭の向こう側、宮殿の階段の頂上に、彼がいる。
カエル。
彼は立ち上がり、私を抱き、熱情と情熱と優しさが混ざった口づけをする。侍女たちを赤面させ、老いた兵士たちを微笑ませる。 ——愛している、リアンナ、と彼は私の耳元でささやく。私だけが聞こえるほど低く。誰も愛したことのないように愛している。玉座よりも、王国よりも、自分の命よりも愛している。そしてこの子を心から、魂から愛する、お前を愛するように。この機会を与えてくれてありがとう。私を新しい人間にしてくれてありがとう。 ——自分を変えたのはあなたよ、愛しい人。私は扉を開いただけ。あなたが一人で道を歩んだの。 ——違う。お前なしでは道はなかった。 私たちは玉座の前で抱き合う。喜びに沸く宮廷の歓声の下で。そしてこの宮殿に入って以来初めて、絶対的な充実感を感じる。静かで、胸の奥深くに根ざした確信。私の場所はここ。石と氷の王国、私の家となった場所。私の家庭となった宮殿。私の愛となった男の腕。私の中で育つ子供——私たちが共に築いたすべてを体現する。 永遠に。 --- 翻訳に関する注記: この翻訳は、日本語の文学的伝統と現代的な読者層の両方に訴えるよう、以下の点に留意して行われました: 1. 文体:原文の情熱的で詩的な散文スタイルを保ちつつ、日本語の自然な流れとリズムを重視しました。特に感情の高まりの場面では、日本語の文学作品に見られる修辞的技法を活用しています。 2. 文化的適応:西洋ファンタジーの要素を保ちながらも、日本語読者に違和感のない表現を心がけました。例えば、敬称や宮廷用語は日本語の歴史物語の慣例に沿いつつ、原作のニュアンスを損なわないよう配慮しました。 3. 固有名詞:登場人物名や地名は原綴りの発音に基づき、カタカナ表記で統一しました。ただし、一部の一般的な用語(例:「玉座」「王女」)は日本語の語彙を使用しています。 4. 感情表現:原作の感情の強度を保つため、日本語ではやや抑制された表現を選びつつも、内面の情熱が伝わるよう工夫しました。 5. 性的描写:原文の官能性と親密さを保ちながら、日本語の文学的表現の範囲内で処理しました。直接的すぎず、しかし情熱が伝わるバランスを追求しました。 この翻訳が、原作の魅力を日本語読者に忠実に伝えることを願っています。
リアンナ --- ここ数朝、目覚めとともに消えない吐き気、目を開けた瞬間から昼過ぎまで続く漠然とした不快感がある。最初は蓄積された疲労のせいだと思った——カエルとの夜は長く情熱的で、私たちはほとんど眠らない。お互いへの常に新たな欲望を探求することに忙しすぎて。しかし吐き気が続き、好きだったある香りが突然耐え難くなる時——入浴剤のジャスミン、夕食に飲むスパイス入りワイン、図書館の革装丁の匂いさえ——胸が異常に敏感になり、ドレスの布がこすれるだけで顔をしかめる時、真実を疑い始める。 私は密かにシベルを呼び出す。カエルが大臣との謁見で忙しい朝。老いた乳母は知らせもなく到着し、鼠のように静かに私の部屋に滑り込む。いつもの薬草の袋を手に。彼女は私を診察し、しわだらけの温かい手をまだ平らな腹に置き、目を閉じ、集中し、癒し手の直感と数十年の経験がささやくことに耳を傾ける。 そして目を開ける。巨大な微笑みがしわだらけの顔を照らし、灰色の目に今まで見たことのない輝き。 ——妊娠しています、我が子よ。 私はベッドの端で凍りつく。信じられず、手がまだ平らな腹に自然に置かれる。妊娠。子供。カエルの子。王位継承者。私たちの子。私たちの愛の実り、すべての情熱と優しさの夜、憎しみから絶対の愛へのすべての道のり。 ——どのくらい? と私はかすれた声でささやく。 ——二ヶ月、おそらく三ヶ月。すべて順調です——体は強く、健康は優れ、赤ちゃんはしっかりしているようです。若くて元気だから、すべてうまくいくでしょう。 涙が目に浮かぶ。熱く、溢れ、頬を伝う。子供。私たちが経験したすべての後——戦争、強制結婚、儀式、陰謀、失敗した逃亡、ダリウスの追跡。私たちの愛から子供が生まれる。再生、平和、希望の象徴。 私はできるだけ厳粛で劇的にカエルに知らせることに決める。永遠に記憶に残る知らせ。その午後、彼は大広間で王評議会を主宰している。王国のすべての高官、貴族の代表、親衛隊の長が囲んでいる。完璧な瞬間。 私が知らせもなく評議会の間に現れると、すべての視線が私に向く。驚きのささやきが集会を走る——女王は決して評議会を中断しない、それは暗黙のルール。大臣たちは当惑した視線を交わし、なぜこのような議定書違反が必要なのか疑問に思う。 ——リアンナ? とカエルは玉座から立ち上がり、嵐の瞳に不安が影を
リアンナ --- 宮殿への帰還後の日々は王国の再建に捧げられた。裏切り者は罰せられた——マルコムは絞首刑、イサドラは隔離された修道院への終身追放、ダリウスは地下牢に鎖でつながれ、二度と出ることはない。陰謀は阻止され、反乱は無に帰し、平和は確保された。しかし、二十年の操作、専制、戦争が民に負わせた傷を癒すにはまだ多くのことが残っている。 カエルは新たな正義で統治する。彼自身の中に見出した慈悲によって和らげられた——それは私から学んだと彼は言うが、氷の下にすでにあったと知っている。彼は王評議会を改革し、マルコムとダリウスの最後の支持者を排除し、民衆と貴族の両方から信頼できる男女を迎え入れる。宮殿の門を開き、大広間で臣民の訴えを受け、不満と希望に耳を傾ける。 そして私、私は女王としての場所を取る。もはや捕虜の女王ではなく、背景に追いやられた王妃ではなく、容認される異国人ではなく。完全な女王、王の対等なパートナー、影響力と行動力のある女性。 私はカエルの同意と支援を得て独自の改革を始める。民の子供のための学校——女子も男子も一緒に、読み書きと算数を教える——かつては貴族だけのものだった。病人と傷者が無料で治療を受けられる診療所——シベルが指導し、社会のあらゆる層から新世代の癒し手を育てる。農民が領主税に押しつぶされずに作物を売れる公正な市場。知識がすべての人に開かれた公共図書館。 民は私を崇拝する。それは毎日私を驚かせる。彼らが私を常に異国人、昨日の敵、ヴァルクールの王女、彼らの王を理性の結婚に強いた者と見ると思っていた。しかし逆に、彼らは私の中に行動する女王、彼らのことを具体的に気にかけ、生活を tangible に改善する女王を見る。下町を簡素な護衛と共に歩く時、子供たちは花を贈り、女性たちは微笑み祝福し、男性たちは心からの敬意でお辞儀する。 ——見て、とカエルはある夕方、宮殿の庭園を手をつないで散歩しながら言う。砂利道に足音を響かせて。お前がしたことを見て。王国が繁栄し、顔が明るくなり、笑いが増えているのを。お前はこの王国を変えている、リアンナ。より良く、より公正に、より人間的に。 ——私たちが一緒に変えているのよ、と私は手を握り返して答える。私はあなたの例に従っているだけ。門を開いたのはあなた、訴えを聞いたのはあなた、慈悲を導入したのはあなた。
彼は振り向き、嵐の瞳の中にもはや氷は全くない。一片も、痕跡も。氷は溶けた。時間と愛によって永遠に。もう一人の男だけがいる。愛し、苦しんだ男。失い、取り戻した男。完全に身を委ねる男。 reserve なしに。——二十年以来、この聖なる場所を共有したい最初の人だからだ。唯一の人。母はお前に会うのを好んだだろう、確信している。お前の中に私が見るものを見ただろう——力、優しさ、決意。この庭を、私の心のように、墓ではなく、愛を祝う場所にしたいからだ。涙が頬を伝う。熱く、塩辛く、尽きることなく。私は彼に近づき、胸に手を置き、すべての感謝、愛、優しさを込めて口づけする。彼の腕が私を包み、口づけは応え、約束、誓い。星の下、この秘密の庭で、私たちは愛し合う。もはや儀式ではなく、規則も段階もなく、私の抵抗の忍耐強い地図ではなく、抵抗する体の方法論的征服ではない。憎しみの後、戦争の後、苦しみの後、死の後で見つかった二つの魂の自然な融合。私たちが共に経験したすべての集大成。私の肌の上の彼の手は蝶の翅のように優しく、ほとんど宗教的。その遅さ、献身。彼は忍耐強い、ほとんど厳粛な動きで私を脱がす。初めて私を裸で見るかのように、私の肌のあらゆる部分が発見であるかのように。彼の口への私の口は愛と感謝の祈り、捧げ物、祝祭。そして背中の下の新鮮な草、私たちを囲む白いバラ、私たちを見る星々——すべてがこの瞬間を聖なる、忘れられない、永遠にする。私たちが一緒に達する時、柔らかい草の上に横たわり、混ざり合った叫びが星空に上がる時、宇宙全体が私たちの結合を祝福するかのよう。カエルの母が死者の国から手を置き、微笑むかのよう。——愛している、リアンナ、と彼は後で、裸の胸に散らばった私の髪を撫でながらささやく。誰も愛したことのないように愛している。母が父を愛したように——絶対的に、完全に、死とその先まで。最後の息、最後の心拍まで愛し続ける。——私も愛している、と私は応える。指で彼の傷跡をなぞりながら。私も、最後の息まで。そしてその先があるなら、その先までも。私たちは草の上に横たわる。バラと星の下で、夜明けの最初の光
リアンナ---宮殿への帰還は凱旋だった。ダリウス捕縛の知らせは火薬の導火線のように都に広がり、人々は街に繰り出し、王を、救世主を、裏切り者の征服者を、王国の平定者を称えた。花の輪が馬の蹄の下に投げられ、子供たちが「王万歳! 女王万歳!」と叫びながら護衛の横を走り、女性たちがバラの花びらを投げ、蝶のように舞い上がる。しかしカエルは街路や広場で自然発生的に組織される祝祭に留まらない。彼は群衆を止まらずに横切り、私の手を握り、歓声にほとんど応えずに。急いでいる、ほとんど焦っているように見える。何か重要なものを見せたい、待てないものが。彼は宮殿の見慣れた廊下を案内するが、私たちの部屋ではなく、私が決して通ったことのない廊下に曲がる。西翼、宮殿の最も古い部分、ほとんど放棄された——使用人たちさえ避ける、かつての王の亡霊が住むと言われて。彼は埃をかぶったタペストリーの後ろに隠された小さな扉を押す。狼狩りを描いたタペストリー。彼がかがまなければ通れないほど低い扉。そして石に螺旋状に刻まれた狭い階段を下りる。何世紀もの足跡で磨かれた段差。私たちは登る。長く、長く。ふくらはぎが燃え、息が短くなるまで。階段は終わりがないようだ。塔の高みに螺旋状に続く。そして、空に届くと思う瞬間、私たちは庭に出る。秘密の庭。宮殿で最も高い塔の頂上にあり、外からは見えない——高い苔むした石の壁に守られて。しかしその内容が私の息を奪い、敷居に凍りつかせ、目に涙を浮かべる。バラ。何百、何千もの白いバラ。中央に雄大に立つ百年の樫の木の周りに段状に植えられた円形の花壇。バラは甘く頭痛がするほどの香りを放ち、湿った土と古い石の匂いと混ざる。どこにでも——壁を登り、石のプランターから溢れ、苔むした石のベンチの上に香りのアーチを形成する。噴水が花壇の向こうで静かに囁く。塔の心臓から湧く見えない源から。その水晶の水が星の下で煌めく。そしてその上に、天球が無限に深く、星々が黒いビロードの宝石箱に投げられたダイヤのように煌めく。月は満月、巨大で、私たちの真上に浮かぶ。この秘密の庭を照らすためだけに存在するかのように。——母の庭だった、とカエル
しかしカエルは打たない。彼は剣を鞘に収める。ゆっくりと、意図的に。金属が鞘を滑る不気味な音。彼は一歩下がり、兄を冷たい石畳に横たえたままにする。息を切らし、信じられない様子で。——お前は私の血だ、と彼は低いかすれた声で言った。感情をかろうじて抑えて。父の息子、私に残った最後の兄弟、私たちの失われた家族に私をまだ繋ぐ唯一の絆。私は自分の肉を、自分の血を殺さない。今日は。——弱い、とダリウスが肘をついて起き上がりながら吐き出す。お前はいつも弱かった。感傷的。哀れ。だからマルコムが周りのすべてを操れた。だから父を、母を、王国を失った。だからいつかお前の大切な小王女、ヴァルクールの王女を失う。いつか、お前より強い誰かが来て、奪う。——違う、とカエルは冷静に答えた。私が強いから、今日お前を助命するのだ。憎しみは簡単だ、ダリウス。復讐は簡単だ。それがお前の選んだ道であり、その結果を見ろ——廃墟の要塞で、敗れ、見捨てられて。許しは難しい。慈悲は難しい。だから私はそれを選ぶ。彼は敷居で待つ guards に向き直る。その顔は無表情。——連れて行け。彼は鎖につながれ、深い地下牢で残りの人生を生きる。二度と日の光を見ず、鳥の歌を聞かず、顔に風を感じない。それが唯一の罰——すべてを失い、私の慈悲によって息をしていると知りながら生きること。guards はダリウスの腕を掴み、無造作に起こす。彼は呪い、侮辱、脅しを叫ぶ。石の壁に跳ね返り、空の廊下に消える。声は次第に消え、要塞の闇に飲み込まれる。沈黙が戻る。重く、厚く、ほとんど圧迫する。私はカエルに近づき、腕に手を置く。——よくやった、とささやく。死ではなく生を選んだ。怒りより強かった。誇りに思う。本当に。彼は振り向き、嵐の瞳の中に抑えられた涙、深い感情を見る。完全には解放されない、解放の仕方がわからない、しかしそこにある、触知できる、生きた。氷の王はもはや氷ではない。彼は人間、本物の、欠点と傷と許す能力を持つ。——彼は私の兄だ、リアンナ。唯一の兄。マルコムが家族を壊す前に庭で遊んだ小さな男の子。そして彼がしたすべてにもかかわらず