「陛下より」私はこの羊皮紙を破り捨てるべきだ。踏みつけるべきだ。拒絶の言葉を彼の顔に叩きつけるべきだ。しかし、意思に反して私の指はその紙を掴んでしまう。広げる。筆跡は正確で貴族的、一文字一文字が完璧な技巧で描かれている。お前の一言で、民は救われる。拒否すれば、ヴァルクールを瓦礫にする。石一つ、塔一つ、思い出一つ残さず、すべてを。選ぶための猶予は三日。それを過ぎれば、選択の余地すらなくなる。――カエル私は顔を上げる。声は震えているが、それは怒りのためだ。「あなたの王は、獲物を押し潰す前にいつもこんな手紙を書くのか?」男はまばたきひとつしない。「陛下が自ら筆を取られることは稀です。書かれる時は、すでに返事が決まっている時だけです」彼は一礼し、階段の向こうへ消える。私は凍りついた壁にもたれかかり、心臓は激しく鼓動し、握りしめた拳の中で羊皮紙はくしゃくしゃになる。そして突然、思い出す。六ヶ月前。近隣諸国の首脳会談。外交官や王子たちで溢れかえる大広間。カエルはあの場にいた。柱にもたれ、沈黙し、距離を置いて。私は彼に話しかけはしなかった。だが、感じていた。私に向けられた彼の視線を。重く、執拗で、磁力のような視線。私が顔を背ければ首筋に、話せば唇に、身振りをすれば手に、いつまでもまとわりつく視線。自分でも認めたくないほどに私を動揺させた視線。理由もなく頬が熱くなり、呼吸が浅くなり、指が杯を握りしめたのを覚えている。胸を高鳴らせながら、あの広間から逃げ出したのを覚えている。私の中の何かが、あの無言の視線に応えてしまったから。動物的で本能的な何か――私はそれを自尊心の下にすぐさま押し殺したけれど。先ほど去り際、使者がオルヴィンに囁くのが聞こえた、その言葉。「奴はあなたを敵として見ていなかった、王女。目で貪り食っていた」目で私を貪っていた。そして今、彼は残りのすべてを望んでいる。その考えに、肌が粟立つ。恐怖だけではない。口に出すことを拒む、何か別のもの。危険な好奇心、戦慄を伴う魅惑に似た何か。軍勢を掌中に収めるあの手が、私の肌の上にあったらどんなだろう? 王国の運命を決めるあの吐息が、私の首筋にかかったらどんなだろう? 下腹がきゅっと縮まり、私はその感覚を憎み、全力で押しのける。だがそれはそこにある、陰湿に、灰の下の残り火のようにしつこく。三日。民か自
Last Updated : 2026-07-14 Read more