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第58話

Penulis: ASAMI
last update Tanggal publikasi: 2026-08-21 22:03:49

コンサートの終演後、楽屋口には世界各国の有名音楽事務所のスカウトやメディア関係者が殺到していた。

「素晴らしい演奏でした、音羽さん! ぜひ我がオーケストラとの共演を――」

「KJとのデュオアルバムの発売予定はあるのでしょうか!?」

矢継ぎ早に浴びせられる質問や称賛の嵐。

かつて神崎家の離れで、息を潜めるようにバイオリンを弾いていた私が、世界の音楽界の中心でスポットライトを浴びている。

夢の中にいるような感覚に包まれながらも、私は一人ひとりに丁寧にお辞儀を返した。

関係者たちの対応をスマートに引き受けてくれたケビンが、人波を抜けるとそっと私の背中に手を添え、楽屋奥の静かなプライベートスペースへと導いてくれた。

「お疲れ様、音羽。一晩で世界中の音楽関係者が君の名を覚えたよ」

「ありがとう、ケビン。……なんだか、まだ信じられないの。私がこんな風に、たくさんの人に音楽を届けられるなんて」

ソファーに深く腰掛け、そっと自分の手を見つめる。

神崎蓮から受けた歪んだ執着、そして冷酷な支配。

あの暗闇の中で擦り切れそうになっていた指先が、いまは人を感動させる音を紡いでいる。

胸の奥からこみ上げてくる
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