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第238話

Author: 藤崎 美咲
星乃は、悠真がさっき律人を見たときの視線に、どこか複雑なものを感じた。

けれど、それ以上考えようとはしなかった。

悠真が去ってから間もなく、正隆が部屋の中から出てきた。手には一冊のアルバムを持っている。

彼は今になって、ようやく後悔し始めていた。

幸三の機嫌もまだ取れていないというのに、先ほどは危うく悠真と律人まで怒らせるところだった。

冬川グループのプロジェクトでの損失だって、どう埋め合わせればいいか見当もつかない。

正隆はアルバムを星乃に差し出しながら、弱々しく言った。「星乃、悠真に頼んでくれないか。どうかうちを完全に潰すようなことだけはやめてくれ。今は運が悪いだけで、いずれまた盛り返せるはずなんだ」

星乃は静かに視線を上げた。

正隆は、記憶の中の姿より少し老けて見えた。

かつては黒々としていた髪も、こめかみのあたりには白いものが混じっている。

――いいわね。こうしてゆっくり年を取れる。

でも、篠宮家のために働きづめだった母は、もうこの世にいない。

母を裏切ってまで浮気し、篠宮家の財産を食いつぶした男が、どうしてまだ平然と生きていられるの?

星乃は長く息を
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