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第9話

مؤلف: 温井虚秋
同じ頃、蓮司は詩織を支えるようにして、ゆっくりと病院から出てきたところだった。

彼の心は、どこか上の空だった。

朝から遥香に立て続けにメッセージを送ったのだが、どれも一向に既読がつかない。以前の彼女なら、こんな風に未読のまま放置することなど決してなかったはずだ。

考えれば考えるほど、言い知れぬ不安が募っていく。

蓮司はスマートフォンを取り出し、遥香の番号に電話をかけた。

だが返ってくるのは、「おかけになった電話は……」という冷たい機械の音声だけだった。

「蓮司……」詩織が猫撫で声を出しながら、懸命に蓮司の胸元へすり寄ってくる。その拍子に、わざと用意してきた下着のストラップを肩から滑らせた。

だが、今の蓮司にそんな誘いに乗る余裕など微塵もなかった。彼女をなだめるように言った。「いい子だから、わがままはよせ。今はとにかく帰るぞ」

遥香が本気で怒っているのかどうか、確かめずにはいられなかったのだ。

彼が詩織と関係を持ったのは、当初、詩織が自分の言うことをよく聞き、空気を読むのが上手かったからだ。仕事の重圧や疲労の中で、手軽に癒やしを与えてくれる都合のいい存在だった。

だが
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