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第204話

Auteur: シガちゃん
由奈がその言葉を耳にした瞬間、全身を巡る血が、凍りついたかのように止まった。歩実の口元に浮かぶ、抑えきれない得意げな笑みを見て、ようやく理解する。

――母が転落したのは、彼女のせいだ。

だから祐一は、警察署に行かせなかった。だから、母が死んだ一部始終について、何も教えてくれなかった。

……すべて、歩実を庇うため。

由奈は拳を強く握り締めた。視界が滲み、目の縁が一気に赤く染まる。

歩実は一歩近づき、彼女の前で足を止めた。「本当は、死んでほしくなかったのよ。でもね、彼女は聞いてはいけないことを聞いてしまったの。運が悪かった、それだけ」

由奈の身体が震え出す。感情が、今にも決壊しそうだった。「……どうして、そんなことができるんですか?」

「だから、事故だって言ったでしょう?」歩実の顔に、後悔の色は一切ない。「これも、彼女の運命だったのよ」

「母だけじゃない……弟も、父も……全部、偶然だって言うんですか?」由奈は歩実の手首を掴んだ。「祐一が庇ってくれるから、守ってくれるから、何をしてもいいと思ったんですか?けど、彼が一生、あなたを守り続けられるなんて、本気でそう思ってるんですか
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