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112話

Author: 東雲桃矢
last update Petsa ng paglalathala: 2026-09-20 11:00:20

「どうしよう……」

「風呂とトイレに窓があるか確認するぞ」

「そうね、やれることはやらないと」

 ふたりで浴室に入ると、地面が揺れた。それと同時に電気が切れる。

「地震!?」

「いや、コンテナを運んでるようだ……」

 外からは重機と思われる音がする。クレーンかなにかがコンテナを持ち上げているのだろう。

『海に沈めてやる』

 矢絃の嘲笑う声が聞こえた。近くで荒い息遣いも聞こえてきて、秋明に触れてみる。いつも堂々としている秋明が震えているのが分かる。

「秋明さん?」

「すまない……。暗くて狭いところに、トラウマがあってな……」

 彼はなんとか深呼吸をして落ち着こうとする。だが震えは収まりそうにない。

 百合は矢絃の言葉を思い出した。彼は食料と水があると言っていた。もしそれが本当なら、この状況をマシにできる。

「待ってて!」

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    「どうしよう……」「風呂とトイレに窓があるか確認するぞ」「そうね、やれることはやらないと」 ふたりで浴室に入ると、地面が揺れた。それと同時に電気が切れる。「地震!?」「いや、コンテナを運んでるようだ……」 外からは重機と思われる音がする。クレーンかなにかがコンテナを持ち上げているのだろう。『海に沈めてやる』 矢絃の嘲笑う声が聞こえた。近くで荒い息遣いも聞こえてきて、秋明に触れてみる。いつも堂々としている秋明が震えているのが分かる。「秋明さん?」「すまない……。暗くて狭いところに、トラウマがあってな……」 彼はなんとか深呼吸をして落ち着こうとする。だが震えは収まりそうにない。 百合は矢絃の言葉を思い出した。彼は食料と水があると言っていた。もしそれが本当なら、この状況をマシにできる。「待ってて!」「待て、行くな!」「大丈夫、すぐ戻るから!」 百合はスマホのライトをつけ、冷蔵庫まで行く。それを見た秋明も、スマホのライトをつけて落ち着こうとする。 冷蔵庫にはペットボトルに入った水が2本、ビールが2本。コンビニのパンと、ケーキの箱。 百合はスマホをライトが上になるようにして置き、その上にペットボトルを置く。水に光が反射して明るくなる。「これで少しは違う?」「あぁ、すまない……。情けないところを見せてしまったな」 秋明は力なく笑う。「誰にでも苦手なものはあるわ。それを恥ずかしがる必要なんてない」 秋明を安心させようと笑いかけると、百合は軽く彼の背中を擦ってから立ち上がった。 百合は冷蔵庫に戻ると、ケーキの箱を開けた。中には小ぶりのホールケーキとドライアイスが入っていた。ケーキに乗った板チョコには「天国行きおめでとう」の文字。(どこまでもふざけてるわね) 天国行きを否定するかのようにチョコをかじると

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