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5.飽きさせてくれるつもりはあるの?(レオナルド視点)

ผู้เขียน: 専業プウタ
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-11 18:12:26

 敗戦国であるマサス王国は、植物も育たない凍てつく孤島を残し全ての領土を奪われた。

 それは俺、レオナルド・マサスが生まれる30年も前の話だ。

 それからずっと、マサス王国は大陸から離れていることを逆手に取り魔法の研究を進めていた。

 世界的には失われたとされる魔法の力を我が国は手に入れることに成功していた。

 魔女の一族を捉え、その血を採取し研究を重ねた。

やがて、魔法の力を得る薬の開発に成功した。

 他国に露見せぬよう地下に魔法学校を建設し、魔法の力を得た者をそこで教育した。

彼らは大陸侵略の際には魔法学校の生徒から、マサス王国の兵隊になる予定だ。

「早く飲め! モリア!」

「あの⋯⋯でも、人によっては飲んだら呼吸困難で死を招くと⋯⋯」

「俺の為に力を得たくないのか? 役に立ちたいと言っていただろう」

「レオナルド様の力を分けて頂きたく⋯⋯」

 モリアは図々しい願いを申し出てきた。

 己の力を分け与えられる人間は生涯1人だ。

 俺は炎の能力を持っていて、その能力を分け与える相手を既に決めている。

 魔法の力が得られる薬はリスクが高かった。

 この薬を飲んだところで力を得られるのは10人に1人だ。

 その他の者は呼吸困難を起こして死んでしまう。

 俺にとってモリアは駒でしかないので、役に立たないならいらない存在だ。

「俺のことが好きなのか⋯⋯」

「身の程もわきまえない想いとは分かっております」

モリアが空色の瞳を潤ませながら縋ってくる。

 彼女はこれで俺の心が動かせるとでも思っているのだろうか。

残念ながら10年以上前から俺の心は、ルカリエに囚われている。

 ルカリエは覚えてもいないかもしれないが、10年以上前俺を絶望の淵から救ってくれた女神が彼女だった。

 だから、モリアがいくら俺を欲しても俺の気持ちは揺るがない。

ただ、利用できるものとして俺にとってモリアは存在していた。

「じゃあ、飲めるよな⋯⋯」

俺の言葉に一瞬の戸惑いを見せた後、モリアは薬を飲み干した。

 その瞬間、モリアからピンク色の光が発した。

 俺はこれで欲するものを手にいられると歓喜した。

「モリア、無事に魅了の魔力を手に入れたようだ⋯⋯今からスグラ王国に行ってクリス王太子を誘惑して来い」

「誘惑って⋯⋯レオナルド様、私はあなた様を!」

「俺を愛しているならば、俺の望みを叶えてくれるのだろう? 俺はクリスの婚約者のルカリエが欲しいんだ」

「欲しいって⋯⋯その、愛しているということですか?」

 モリアの安っぽい質問にはがっかりする。

 愛しているとか、愛していないとかそんなレベルの話ではない。

 ルカリエは俺にとって生きる為に必要な酸素と同じと言っても良い。

 彼女がいたから、残酷なほど多くの命を無駄にして魔法研究にも没頭した。

 大陸を侵略するという、さして興味も持てなかった先代の夢はルカリエを手に入れた後ゆっくり叶えれば良い。

「ルカリエが欲しいんだ。俺の願いを叶えられるのはお前だけだ。モリア」

俺はサービスと言わんばかりに彼女に口づけをした。

 彼女が感動のあまり震えているのが分かる。

「何でもやります⋯⋯レオナルド様の為ならば⋯⋯」

俺は壮大な計画の1部をモリアに話した。

 モリアは戸惑いながらも、俺のキス1つで忠誠を誓う程俺に惚れていた。

♢♢♢

 俺は計画通り、モリアにルカリエを追い詰めさせた。

 俺しか救いがないように見せて、彼女の愛を得ることに成功した。

 ルカリエは俺に心酔し、愛しはじめた。

 ずっと彼女が好きだった。

 マサス王国の先王がずっと企てた大陸の領土を手に入れた際には彼女へのプレゼントにしよう。

 俺が欲しいのはルカリエだけだ。

 彼女と念願の結婚式をした夜、俺の最大の敵が現れた。

 クリス・スグラ王太子⋯⋯俺のルカリエの元婚約者だ。

 バルコニーに出たルカリエの美しい銀髪がたなびくのに見惚れていると、スグラ王国の船が見えた。

(モリア⋯⋯何をやっている!)

 俺はクリスを繋ぎ止めていると思っていたモリアがヘマをやったと思い、慌ててた。

「レオ! スグラ国の船が⋯⋯!」

カナリアが鳴くような美しいルカリエの声を塞ぐように俺は口づけをした。

 きっと、彼女を取り返しにクリス・スグラがやってきた。

(でも、彼女はもう俺のものだ⋯⋯)

「もう、忘れて⋯⋯クリスのことも⋯⋯スグラ王国のことも⋯⋯」

俺は思いの丈をルカリエに伝えた。

 裕福な侯爵令嬢として育った彼女は、類稀なる美貌を持ってクリス王太子に溺愛されていた。

 そんな他国にも伝わる周知の事実に俺は苦しんでいた。

 彼女を愛する他の男がいようと、1番彼女を求めているのは自分だと確信があった。

 必死にルカリエを抱きしめる。

「忘れさせる程、夢中にさせてくれるんでしょ。レオ⋯⋯」

彼女は本当に悪女だ。

 忘れるも何も彼女のことを考えていない時間など、俺には存在しない。

「レオも私に飽きたりして⋯⋯」

「飽きさせてくれるつもりはあるの? ルカ⋯⋯本当に悪い女だな⋯⋯君を知ってしまったら、君以外欲しくないよ」

彼女に飽きるという感情を想像できない程、俺は彼女に夢中だった。

 マサス王国が魔法の力を持って企ている侵略など、彼女の前では無意味に思える。

 俺は彼女を侵略し、征服したい。

 俺は彼女が気を失うまで抱き潰し、翌朝寝室に特攻してきた彼女の元婚約者を牢に入れた。

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