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第2話

Author: 猫は魚を食べる
私は返した。

【やらない】

すると、安英はまた尋ねてきた。

【じゃあ、なんで俺を追加した?】

私はむっとしながら文字を打った。

【そっちから友達申請してきたんでしょ?】

向こうから、しばらく返事がなかった。

やがて届いたのは、一言だけ。

【そう?】

その日、私はその【そう?】という言葉をじっと見つめて、なぜかふっと笑った。

それから私たちは、本当に少しずつ親しくなっていった。

ゲームの話から学校の話へ、学校の話から日常の話へ、そして日常の話から、毎晩寝る前の「おやすみ」へと、私たちの会話は少しずつ広がっていった。

彼は私が誰なのか知らなかった。

私と寧々が姉妹だということも知らない。

そして私は、彼と知り合ってから1ヶ月近く経った頃、彼が送ってきたある時間割や愚痴から、彼が安英なのだと薄々気づいた。

私はその名前を長いこと見つめていた。

心臓が激しく高鳴った。

それでも、何一つ聞けなかった。

こんなことをしてはいけないと分かっていた。

それでも、手放したくなかった。

ネットの中では、私は姉の影に隠れた、目立たない妹なんかじゃなかった。

彼と言い争うこともできた。

彼とふざけ合うこともできた。

そして、彼からメッセージが届くだけで、こっそり何時間も嬉しい気持ちでいられた。

当時、彼はいつも私のことを「橋本ちゃん」と呼んでいた。

私は、どうしてそう呼ぶのか尋ねた。

すると彼は、【呼びやすいから、なんか親しみがあるだろ】と答えた。

私はその言葉を見つめながら、耳のあたりが少しずつ熱くなっていくのを感じた。

けれど、私は知らなかった。

あの頃、彼が私を「橋本ちゃん」と呼んでいたのは、私自身をそう呼んでいたのか。

それとも、私を姉だと思っていたからなのか。

大学入試が終わったあと、彼は私に告白してきた。

彼は言った。

【橋本ちゃん、俺と付き合ってみない?】

私はその一行を見て、頭が真っ白になった。

しばらくしてから、恐る恐る返信した。

【私のどこが好きなの?】

安英からの返事は、すぐに届いた。

【気が強いところ。意地っ張りなところ。俺とよく言い争うところ。

一つ一つは全部、結構うっとうしい。でも、全部合わせると……なんだかんだ、俺はけっこう好きなんだよな】

スマホを握る私の手は、震えていた。

そして最後に、【いいよ】とだけ返した。

その日から、安英は私の恋人になった。

そして、私が誰にも明かせない、最も深い秘密にもなった。

私は最初、ずっと黙ってさえいれば、この関係はいつまでもこのまま続いていくと思っていた。

しかし3日前、安英が私に、金のネックレスの写真を何枚か送ってきた。

そして尋ねた。

【どれが一番いいと思う?】

私はベッドにうつ伏せになり、しばらく真剣に写真を見比べた。

最後に、一番シンプルで上品なものを選んだ。

【これかな。年上の人なら、きっと気に入ると思う】

安英はうなずくようなスタンプを返してきた。

そして、【俺もそう思う】と続けた。

そのときの私は、スマホを見ながらこっそり何度も笑っていた。

でも今、私は母の手にある金のネックレスを見つめながら、心が少しずつ奈落の底へ沈んでいくのを感じていた。

まったく同じものだ。

あれは、私に選んでほしかったわけじゃなかった。

私に、姉へのプレゼントを選ばせていただけだった。

だから、この3日間、彼が私に返信しなかったんだ。

忙しかったわけじゃない。

姉と一緒にいたんだ。

私は手を上げて、口をぎゅっと覆った。

それでも涙は、一粒、また一粒とこぼれ落ちていった。

そのとき、スマホの画面が突然光った。

安英からメッセージが届いた。

たった3文字だった。

【寝たか】

私はその3文字を見つめた。

胸が締めつけられるように痛んだ。

ついさっき、食卓で姉が笑いながら、それは自分の未来の彼氏からもらったものだと言っていた。

目の前には、もう事実がはっきり突きつけられている。

それなのに、彼は今になって、まるで何も起きていないかのように連絡してきた。

私は長いこと画面を見つめていた。

それでも、最後まで返信はしなかった。

代わりに彼のプロフィールを開き、彼を削除した。

ただ、友達リストから削除しただけで、ブロックまではしなかった。

せめて最後に、自分があまりみっともなくならずに済む逃げ道を残しておくように。

削除した瞬間、胸の中がすっと空っぽになった。

けれど、ほとんど次の瞬間、新しい友達申請が、画面に表示された。

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