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そんな…嘘でしょ?まさかルナールが!?

Aвтор: Kaya
last update Последнее обновление: 2025-07-30 18:09:00

 ◇

 今すぐ逃げようと思います。

 危険の度合いを数字の5段階で示すとしたら、危険アラート最大5くらい(?)。

 「じ、じゃあ、そういうことで……、」

 「おい、今さらどこ行くんだよアデリナ。

 逃すか。」

 慌ててベッドを抜け出そうとしたら、ぐいっと体ごと引っ張り直されて、また抱き止められる。

 「な、な、何で男なのー!?騙された!

 貴方にも!作者にもね!!」

 「サクシャ……?

 ははっ。本当のルナールは今、お前の夫と寝室にいるレェーヴの方なんだよ。」

 「……え!!」

 「俺は替え玉。

 時々妹が危険そうな場面に出くわした時に、俺が妹のフリをすんの。

 今回はずーっと替え玉になってたってわけ。

 あんたが何でルナールの秘密を知ってたのかは知らないけど、残念だったな?」

 「な、なるほど。

 そんな複雑な事情があるとは知らず。

 じゃ、じゃあ私はこれで……」

 「おい、待てよ。

 自分から誘っといて、俺を放置するのか?」

 「誘っ…!?いえ!私は貴方を誘った覚えはないですけど!?」

 変なことを言って人を再度ベッドに引き寄せようとするルナール、改めレェーヴから逃れようと必死に抵抗する。謎の攻防が続いた。

 「じ、じゃあ陛下の部屋に押し付けた方が本物のルナールってこと!

 そっちの方がまずいんじゃない!?」

 いくらローランドが鈍くても…

 いや、このレェーヴが男だと頑なに言い張っていたから鈍いとは言い切れないけど、もし万が一本物のルナールが女だって分かったとしたら。

 原作通り、ルナールはローランドに惹かれてしまうのだろうか?

 そしてローランドもまた、ルナールを邪険にできずに優しくしてしまうのだろうか?

 一瞬、モヤっとする。

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  • 愛のために我が子を失った悲劇の王妃に憑依したみたいです。推しの息子と二人で幸せに暮らすため、夫はヒロインに差しあげます!   軍事力ゲット!…って何で不機嫌なのよ?

     ◇◇◇ 「俺はアデリナ・フリーデル・クブルクに忠誠を誓うぜ。」 レェーヴは片膝を突き、まるで物語に出てくる騎士の誓いの様に、私の掌にキスをした。 「だから……アデリナから離れろ……!」 ちょっと。何でルナールじゃなくて、その兄であるレェーヴが私に忠誠を誓ってるの? それに何でローランドはそんなに怒ってるの! 東部地方の問題が解決した上に、ルナール一味が今後、私達の味方をしてくれると言っているんだよ? なぜかローランドじゃなくて、私に忠誠を誓って掌にキスしてくるレェーヴは、ちょっと何やってるのか分からないけど。 なんせルナール率いる一味は、クブルクの一軍にも匹敵する規模の山賊で、山での戦いを得意とする武力集団だ。 それが今後クブルクのために働くって言ってくれてるんだから。きっと東部地方の鉄壁な守りになってくれる。 こんなに心強い味方はいないよ? 確かに私が勘違いして、一緒にベッドに横になるというハプニングはあったけど… 結果的には何もなかったんだから! ………だから、ちょっとは仲良くしてよ!! あの騒動の後、私達はフィシの城でフィシの代理者と面会した。 なるほど確かに本物のルナールは、レェーヴと同じ髪色をしていた。 男装しているけれど肩幅は小さく、小柄で顔は小さくて中性的。よく見たら完全に女性! くっ……!騙された。 この原作小説に何度騙されたことか。 もう迂闊になんでも信じない方がいいみたい。 フィシの腹違いの弟で、腹心のアルバは私達に会うなりすぐに謝罪した。 「兄の不祥事を兄だけの処罰に留めて下さり、クブルク王陛下、ならびに王妃陛下の寛大なお心遣いに感謝致します。 我々はこのメレフ一帯、及び鉄採掘場の所有権をルナールに明け渡します。 ここは元々彼らの土地でしたし…

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     え?ハグ?女同士のハグ?百合? まさか百合展開とかじゃないよね? そんなの原作に全くなかったよね? 「う、うん、いいけど……」 返事したと同時に、真正面からギュッと抱き締められた。厚い胸板に顔が埋まって息ができない。  「う、ぷっ…ちょっ、ルナール?」 「んー、アデリナ。 お前、抱き心地最高だな。」 やっと顔を上げたのにルナールはなぜか体をギュウギュウに絡めて、やっぱり私の髪の匂いを嗅いでくる。 ちょっと、凄い力強いんですけど。 押しても引いてもびくともしない。 それにサラシを巻いて胸を隠してるにしては、脂肪分というより、かなり筋肉質な体をしている。 山賊の頭領設定だから強いのは分かるけど、それにしても体は男そのものじゃない? 「ルナール?ねえ、ちょっと、ルナー……」 暫くそうしてると、自分の脹脛辺りに何かゴツンと硬いものが当たった。 「え………?」 「何だよ。アデリナ。俺は女、なんだろ?」 見上げたら、ルナールの少し優し気な瞳と目が合う。 だが同時に意地悪そうな口元の笑みも一緒に映った。それにはドキッというよりギクって表現が相応しい。 え?え?何?何が?何で?何これ。 ルナールは女だよね? そんな設定だったよね?ローランドに恋する不憫な…… 「ステータス、おーぷん…」 ごくりと唾を飲み込んで、私はウィンドウ画面を出現させた。 [ルナール▷本名レェーヴ  正体▷男装した女を装った、男 ルナールの兄 21歳 Lv89 アデリナを堪能中 現在の親密度55 体温37.4] ………なん、だ、これは。 男装した女を装った&helli

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     ◇ フィシ達は城の牢獄に閉じ込めてある。 王妃殺害未遂の罪も大きいが、この世界の契約書はかなり大きな意味を持つそうで、破れば相応の罰が下されるんだとか。 だからローランドも私との離婚を渋ってるのかも? 今後どうなるか分からないが、とにかく今夜はルナールを守れたし、良しとしよう。 「今夜はルナールと一緒に寝ます。 心配しないで。」 「いや……心配しかない!! 駄目だ!アデリナ!あれは間違いなく男だ! お前は一体何を言ってるんだ! お前は私の妻だぞ!もっと自覚しろ! だめだ、アデリナ!アデリナ!!!」 頑なにルナールを男と疑うローランドが、すごい剣幕で引き止めてきたが、とりあえず部屋から追い出して鍵を閉めた。 元々私がいた寝室にはレェーヴを押し付けた。  「は〜。これだから鈍感男は。」 「アデリナ、来い。」 「?貴方のベッドはあっちよ?」 なぜかルナールが人のベッドに横たわり、嬉しそうにシーツを叩いて呼んでる。 「えー、いいだろ? だって俺達友達だろ?一緒に寝ようぜ。」 どうやら私は「友達」というワードに弱いらしい。 長く主婦をして、夫の浮気に全神経注いで辟易していたせいか、友達と何かをして楽しむという事も忘れていた様だ。 「っ、しょうがないわね〜。」 とか言いつつ自分の口角は緩みまくりだ。 そっと狭いベッドに横になる。 ただ思った以上に狭いから、どうしてもルナールに体はくっついてしまう。 「アデリナ。お前、いい匂いするな。」 「そう?軽くお風呂入ったからかな。」  すん、とルナールが人の頭の匂いを嗅ぐ。 ひゃー!やっぱり山賊として、しかも頭領として長年男装してきたルナールの男らしさは、大したものだ。 これ絶対、知らない女なら惚れちゃうやつ。 白髪に近い綺麗な髪がさらりと枕に落ち、薄い灰色の

  • 愛のために我が子を失った悲劇の王妃に憑依したみたいです。推しの息子と二人で幸せに暮らすため、夫はヒロインに差しあげます!   そんな…嘘でしょ?まさかルナールが!?

     勇ましいローランドの姿に毎回ドキドキしてしまう。 これはルナールやリジーが惚れて当たり前。 やっぱり男主人公優遇されすぎ! 「あのっ、ありがとうございます。陛下。 私を話を信じてくれて。」 汗をかき、まだ息の乱れたローランドを見上げて私は素直に礼を言った。 「…当たり前だろう。夫が妻を信じなくてどうする。」 《今夜ルナールが奇襲される》 そんな、まだ起きてもいない事をローランドはあっさりと信じ、こうして来てくれた。 私の夫、本当に完璧だなぁ。 強いし、そして何だかんだでちゃんと守ってくれてる。 いくら政略結婚とはいえ、アデリナは一応妻だし、それが義務だもんね? たまに訳分からない誘惑もするけど本当にいい男だ。 暗殺者達は皆捕えられ、フィシは即座に拘束された。  「アデリナ………」 ふとローランドが手を伸ばし何か言いかけたけど、私はルナールの服が破れてる事に気付いて大慌て。 「ルナール…!服、破れてる!」 「え?ああ、本当だ。最初の一撃の時に奴らの剣が掠ったのか」  しかも胸元だ。 この場にいるのは私以外全員男! 誰にも聞かれないようにルナールにそっと耳打ちした。 「こっちへ来て、一緒に着替えましょう。」 「え?」 「大丈夫、貴方が女だって事、私には分かってるわ。」 「………!!………ふうん。 じゃあ、お願いしようかな?」 奥にある男性用のドレスルームに連れて行こうとすると、なぜかルナールに笑われてしまう。 「?とにかく、急いで。」 「アデリナ?」 不安そうな顔してローランドが私達を引き止めた。 「大丈夫です。ちょっとルナールを着替えさせるだけですから。 陛

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