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第16話

작가: 無名
その夜、涼太の親友である黒崎潤(くろさき じゅん)が、彼のもとを訪ねてきた。

潤は怒りにまかせて詰め寄った。「おい涼太、霞と入籍してまだ1ヶ月だろ。どうして離婚なんて言い出すんだ?

彼女は心臓が悪いんだ。ショックを与えちゃいけないって、わかってるだろ?」

涼太は淡々とした口調で言い返す。「どういう立場で、俺に説教しに来たんだ?」

潤は涼太の胸ぐらをつかみ、怒鳴り声を上げた。「霞はひどく傷ついて、泣き通していたんだぞ。離婚の件、考え直せよ!」

だが、涼太は至って平静で、口調も軽いものだった。「そんなに心配するなんて、もしかしてあいつのことが好きなのか?」

図星を突かれたのか、潤は急に固まった。「ああそうだ。俺は7年間、ずっと霞が好きだった。でも、彼女にはずっとお前がいただろ」

そう言いながら彼は涼太の顔を殴りつけた。「お前が俺の親友じゃなかったら、とっくに奪い取ってたさ!」

潤はずっとこの想いを胸の奥に隠し、誰にも言わずにきたのだ。

涼太は舌先で口の中を探ると、鉄のような血の味がじわりと広がった。

本心を言い当てられ、逆上する親友を見て、涼太は思わず笑ってしまった。

「俺たちが離婚すれば、お前にチャンスが回ってくるだろ?」

潤は怒りで震えた。「もし俺が人の弱みにつけ込むような男なら、お前と霞が元サヤに戻ることなんてなかったはずだ」

涼太が明日香と付き合っていたあの数年間、チャンスはいくらでもあった。だが、潤はあえてそれをしなかったのだ。

涼太は表情を硬くした。「潤、お前は本当に霞のことをわかってるのか?昔は俺も理解しているつもりだった。でも、今はまるでわからなくなった」

潤は目を赤くして訴える。「海外で霞がどれだけ苦しんだか知ってるのか?言葉も通じず、頼れる人もなく、そのうえ病気だぞ。彼女がどうやって耐え抜いたか?

電撃結婚してすぐに離婚だなんて、霞の立場はどうなる?まるで彼女が他人の恋愛に付けこんだ悪者になったみたいじゃないか?」

涼太は少し虚をつかれた顔をした。「そこまでは考えてなかった」

軽率に離婚を切り出してしまったが、霞を傷つけるつもりなんてなかったのだ。

確かに、配慮が足りなかったかもしれない。

潤はさらに語気を強めた。「霞がこんなに苦しんできたのは、元はと言えばお前のせいじゃないか?

彼女への愛が本物だったなら、
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