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第6話

作者: 文香
駿介が私に譲歩するような態度を見せるなんて、考えられない。彼にとっては、あり得ないほどの大きな変化だ。

結局のところ、ここ数年というもの、彼は私に対して優しさのかけらもなければ、尊重してくれることさえなかったのだから。

仕事においては特に厳しく、情け容赦のない鬼のような上司だった。

私が少しでもミスをすれば、大勢の前で叱り飛ばされるのは日常茶飯事。私の尊厳や気持ちなど、全く意に介さなかった。

あの辛かった時期の記憶が蘇ると、今でも胸の奥が締めつけられる。

同僚たちが私に対してよそよそしく、時として排他的だった理由も、ようやく納得できた。

あの会社のトップである彼の眼中になかったのだから、周りが私をどう見ていたかなど言わずもがなだろう。

言い争いをするたびに、駿介は必ずあの世に行った彼の初恋の人を引き合いに出し、今の私は彼女に全く及ばないと言わんばかりの態度をとった。

私が深く傷つくことを承知の上で、公然と侮辱し、赤恥をかかせていたのだ。

当時の私は駿介に未練があったため、どんなに辛くても、いつも自分から謝って仲直りしようとしていた。

けれど、私の我慢も譲歩も、彼の理
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