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第1208話

Auteur: 楽恩
南は「へぇ」と声を上げた。

「不衛生っていうのが庶民の味ってこと?」

来依はすかさずお腹に向かって話しかけた。

「息子よ、将来は義母をしっかりご機嫌取りするんだよ。ママはもう味方してあげられないの。ママには力がないからね……」

南は苦笑して、彼女の額をつついた。

「もう、その芝居やめなよ。子どもまで巻き込んで……まだ男の子かどうかも分からないくせに」

来依は真顔で答えた。

「あんたと親戚になりたいのよ。うちの子はお母さんの気持ちを察してくれる、だから願いもきっと叶えてくれるわ」

「理屈がめちゃくちゃ」──そう言って南は買い物に出かけた。

車に乗ったばかりで、鷹から電話がかかってきた。

「また仕事サボり中?」

鷹は笑って答えた。

「自分の奥さんに電話するのがダメだっていうのか?」

南は自分で運転していた。エアコンをつけながら、買い物のことを考えていた。

「今ちょっと忙しいの。夜には帰るから」

エンジン音を聞いた鷹は尋ねた。

「今、出かけてるのか?」

南は鼻を鳴らした。

「私がどこ行くか、あなたが一番よく知ってるでしょう?」

鷹は隣にいた海人をちらりと見て言った。

「好きなものを買ってくれ。俺が全部払う」

南はすぐに聞き返した。

「海人、今そっちにいるんでしょ?」

「これって、罪悪感?」

「紀香ちゃんの件で?」

鷹は笑った。

「さすが我が妻だ、全部見抜いてるな。でも口に出さなくていいのに」

実際、海人にはそれほど責任がない。

彼は全ての心を来依に向けていた。紀香は妹とはいえ、常に見張ることなどできなかった。

それに紀香自身、清孝から逃げるためだけに生きているわけではない。

彼女には彼女の生活があるのだ。

「じゃあね、仕事に戻りなさい」

電話が切れると、鷹はスマホをしまい、海人の正面に座った。

彼の前に置かれていたお茶を一気に飲み干した。

海人は冷ややかな目で彼を一瞥し、もう一つの茶杯を手に取った。

鷹は彼の足を軽く蹴った。

「今、清孝は無人島にいる。国内の誰とも接触せず、その島の持ち主は外国人だ。

それで、お前は義兄さんにどう説明するつもりだ?」

海人は黙って茶をすすった。暑さでイライラが募っていた。エアコンの効いた室内でも落ち着かない。

茶杯を軽くテーブルに置いて、ぽつりと答えた。

「俺の
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