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第154話

Author: 森の小鹿
奈緒は、隣の誰もいない個室へと向かった。

充もすぐにあとを追ったが、その表情は暗く、目には困惑の色が色濃く浮かんでいる。

今夜起きたすべてが、充の中のこれまで信じてきたことを根底から覆した。身近な人間たちの醜さを、これ以上ないほど思い知らされたのだ。

頭の中は混乱していたが、1つだけ確かなことがあった。この騒動をこれ以上大きくしてはいけない。このままでは、誰にも収拾がつけられなくなる。

充は事態を収めるため、自ら間を取り持つことを決めた。

彼は奈緒に近づくと、そっと彼女の肩に手を乗せ、諭すように言う。

「奈緒、お前も見ただろ?美紀と静香さんたちは持っている金を全部かき集めても、あれだけしか金を用意できなかったんだ。

どうしても金が必要なら、残りの数億円は俺が払うし、明日朝一番に経理からお前の口座に振り込ませる。だからこの話、これ以上広めないでくれないか?」

奈緒は静かに充を見つめた。その瞳には、すべてを見透かしたような冷静さと、相手を射抜くような鋭さだけが宿っている。

すべては奈緒の予想通りだった。

たとえ美紀の本性を知ったとしても、充は相変わらず彼女をかばい、尻ぬ
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