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第182話

Author: 森の小鹿
そうして、電話は切れた。

一緒に仕事?

今は別に何もないのだけれど……

電話を切った奈緒の心に、言いようのないざわつきが広がる。

ちょうどその時、オフィスに秀智が入ってきた。その表情はこれ以上ないほど晴れやかだった。

「奈緒さん、とびきりのニュースです!

うちのスタジオの大株主である、俺の兄が帰国するみたいです!兄と奈緒さんの二人でこのスタジオの舵取りしてくれたら、ヤジン・デザインは業界トップに躍り出るはずですよ!」

奈緒は呆然とした。

今さっき電話で、仁哉が帰国すると言っていた。そして、今度は秀智が兄が帰国すると言う?

まさか……

奈緒は椅子の背から弾かれたように立ち上がり、秀智を驚愕の眼差しで見つめた。

「もしかして!

ヤジン・デザインの創業者は仁哉さん……それで、秀智さんのお兄さんが仁哉さんなんですね?!過去5年間、私の設計図に助言をくれていた『指導役』って……仁哉さんのことですよね?」

すべてのパズルのピースが埋まった今、奈緒は胸の高鳴りを抑えきれなかった。

秀智はどう説明しようかと考えていたのだが、奈緒は察しがよく、あっという間にすべてを理解してし
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    「産後の回復がかなり遅れていますね。出産時に出血が多かったですし、低血糖で倒れやすい状態です。しっかり栄養をとって、気持ちをあまり高ぶらせないようにしてください」診察が終わっても、奈緒はまだ眠ったままだった。医師は病室で蛍に病状を説明した。隣で聞いていた香織が、ため息をついた。「奥様は産後の肥立ちが悪くて……最初の2週間はお乳が張って痛くて食事が喉を通らなかったんです。その後は赤ちゃんが夜泣き続きで……それでも奥様は自分で母乳をあげていたから、夜もまとまって眠れていませんでした。昼間は仕事もしていて、体が回復する暇もなかったんですよ」それを聞いて、蛍は怒り心頭になりそうだった。

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