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第206話

Auteur: 結奈々
「シャンデリアはあらかじめ改造してあって、特殊な仕掛けをリモコンで動かせるようにしてる。ああいう演出は簡単にできるんだ」遥真は彼女の疑問に気づき、自分から説明した。

柚香は一応納得した。それでも、もう彼と関わりたくなかった。「証拠はあるの?」

「恭介が調べてる」

「じゃあ、まだ証拠はないってことね」柚香はわざとそう言った。「お義父さんとどう争うかはあなたの問題でしょ。私は関係ないし、関わるつもりもない。でも今は、お義父さんは私をかばってケガしたの。だから、私の前で悪く言うのはやめて」

遥真の目に、暗い影が落ちる。

柚香は手を伸ばして、彼を少し遠ざけた。「どいて。外に出るから」

「もし証拠が出たら?」遥真が問いかける。

「証拠があったとして、それと私を助けてくれたことに何の関係があるの?」柚香は感情を押し殺し、できるだけ冷たい声で答えた。

ここ最近の出来事で、彼女も気づいていた。遥真がまだ、自分と玲奈の両方を手に入れようとしていることを。そんなの、受け入れられないし、理解もできない。

だったら……

この件を利用して、彼の中の自分のイメージを壊してしまえばいい。彼を信じ
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  • 手遅れの愛、妻と子を失った社長   第701話

    スピーカーモードの通話が切れると、ようやくその場は静かになった。健太が自分から説明する。「常和さんが電話してきたのは、たぶん承輝さんのほうで何かあって、父親に泣きついたからだと思います。社長の計画が分かるまでは、こっちから何も言わないほうがいいでしょう」「たぶん、こっちに来るよ」柚香がそう言うと、健太はごく自然に返した。「でも、ここがどこなのかも知らないでしょう」柚香はぱちりと目を瞬かせる。確かに、その通りだ。柚香はスマホを手に取り、母に無事だと連絡しようとした。神崎家を出てからこんなに時間が経っているのに、まだ帰っていないのだから、きっと母も心配している。「柚香さんのお母さんには、数時間前に社長から電話で話してあります」健太は彼女が開いた連絡先を見て、何をしようとしているのか察し、自分から言った。「相手を警戒させないために、少し時間を置いてから来てもらうよう伝えてあります。時間的にも、もうすぐ着く頃ですよ」そう言い終えたちょうどその時。安江と昭彦が到着した。柚香が川へ転落したと聞いてからというもの、安江はずっと気が気ではなかった。こうして無事に目を覚ました姿を見て、ようやく胸をなで下ろす。ひとしきり体を気遣ったあと、安江は尋ねた。「どうして川に落ちたの?」遥真から聞かされていたのは、柚香が川へ転落して意識を失ったことと、帰るのは少し遅くなるということだけだった。どうして川に落ちたのか、どこで落ちたのかまでは聞かされていなかった。「ちょっとした事故だよ」柚香はこれ以上心配をかけたくなくて、軽く答えた。「もし誰かにわざと車をぶつけられて川に落とされたうえ、川の両岸に何十人もの殺し屋が待ち伏せしてたことを『ちょっとした事故』って言うなら、確かに大したことじゃないですね」まるで人の気持ちなど考えないような口調で、慎吾が淡々と言った。安江と昭彦は同時に眉をひそめる。安江が低い声で聞く。「殺し屋?」昭彦も続けた。「車をぶつけられた?」慎吾はここまでに起きたことをすべて話した。一つ一つの細かな出来事も、どれほど危険な状況だったのかも、一切省かなかった。ただ、戻ってきてから黒幕を問い詰めたことだけは話さなかった。慎吾にとって、安江と昭彦は確かに社長の両親だ。だが、昭彦は黒崎家の人間でもある

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