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第68話

Author: 結奈々
柚香は言葉失った。「……」

玲奈は横目で、深刻な表情を浮かべた柚香の横顔を見つめた。ぼんやりと、初めて出会った頃のことがよぎり、つい言葉が口を突いて出た。

「もしあの時のことがなかったら、私たち、一生の友達になれてたのかな」

「ならないよ」柚香はきっぱりと言った。

玲奈の性格は、そもそも「穏やかに」なんて収まらない。

あの出来事がなかったとしても、ふたりが一生の友達になる道なんてなかった。

「ならないなら……じゃあ遥真の話をしよう」玲奈はその答えをわかっていたし、驚きもしなかった。「あなたも、遥真に纏わりつかれたくないんでしょ。あなたの生活に口出しされたくないはず」

柚香は横目で玲奈を見る。彼女が何を考えているのか、まるで読めなかった。

「私も同じなの」玲奈は目をそらさずに向き合った。「この件に関しては、私たちの目的は一致してる」

「何が言いたいの」柚香の瞳の奥に、わずかに感情が揺れた。

「協力しない?」玲奈ははっきりと目的を口にした。「私のこれまでの貯金、全部あなたに渡す。その代わり、おばさんの病状が落ち着いたら、あなたはおばさんを連れて京原市を出て行って。あなた
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