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3. 「異世界ほのぼの日記」65

Author: 佐行 院
last update Last Updated: 2025-03-09 09:56:38

-65 ヒーローはすぐそばに-

 覆面の男は息を漏らしながら突き付けている小刀をドーラの顔にゆっくりと近づけ始めた。

男「俺はゆっくりと嬲っていくのが好きなんだ・・・、無力な馬鹿どもの目の前でお前の顔に1つずつ傷を入れてやる・・・。」

ドーラ「あんた・・・、誰を相手にしてるか分かってんの?私みたいなブスを人質にしたって仕方ないのよ。」

男「俺はこの状況が好きなだけでお前が誰かなんてどうでも良いんだ・・・。ほらほら・・・、後ちょっとで傷が・・・、ぐはっ。」

 小刀が顔まであと2cmとなった瞬間、男が小刀を落とし崩れ落ちた。

 男に男性が微量だがスタンガン程度の電力がある雷魔法を喰らわせている。

男性「ふっ・・・、間に合ったな・・・。」

ドーラ「林・・・、田・・・、いや利通!!怖かった・・・!!」

 利通の胸で涙を流すドーラは1人の刑事ではなく女性の顔をしていた。

利通「てめぇ・・・、何人の女に手ぇ出してんだよ・・・。」

 利通は小刀を持つ男に鋭い眼光を向けた。

結愛「社内恋愛ならぬ、署内恋愛?」

ドーラ「・・・ってあんた、何彼氏面してんのよ!!」

結愛「違うんかい・・・。」

ドーラ「いや、利通は正真正銘私の彼氏ですけど?」

結愛「何やねん・・・、ってどうでもええわ!!」

利通「わ・・・、悪い・・・。だって・・・、大好きなドーラに・・・、刃物が向けられているのを見て・・・、じっとおれんかって・・・。」

結愛「何で関西弁やねん・・・、でお前が泣くんかい!!」

 結愛がキツめのツッコミを見せた時、利通とドーラの無線機から声がした。林田警部からだ。

林田(無線)「えっとな・・・、利通・・・、それとノーム君。君たちが以前から良い雰囲気になっていたのは署内全員が知ってはいたんだがね。そのやりとりの音声を署内の人間全員の無線に送る必要は無かったのでは無いのかな・・・、と私は思うのだよ。しかも貝塚社長の目の前で・・・、ねぇ・・・。」

 利通とドーラは無線機のチャンネルを確認した、両方ともの無線機が署員全体への連絡に使う物となっている。

 恋人たちは顔を赤くし2人仲良くその場から離れて行った、行き先はどこへやら・・・。

 気を取り直して、プニ達は爆弾の処理に戻ろうとしたがその場にまだ男がまだいたのを忘れていた。

 ケルベロスの1人が男を背後から取り押さえ、もう1人が懐から手錠を取り出
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