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4. 「異世界ほのぼの日記2」82

Penulis: 佐行 院
last update Tanggal publikasi: 2025-07-06 09:51:41

-82 あの人-

 ニコフが作ったハヤシライスの香りがそこら中に広がる厨房の出入口からやんわりとだが誰かの視線を感じた好美、少し怖くなりながらも目線を刺さる視線の方向にやるとそこにいたのは見覚えのある女性に少し似ていた。

 好美はただ人違いだと失礼だからと一先ず軽く会釈を交わし食事へと戻った、すると出入口の方向から声が。

女性「ペプちゃん、先程から良い香りがすると思ったら何を食べているのかね。どれ、私も1杯もらおうか。」

ペプリ「お母・・・、様!!」

ニコフ「王妃様、これはこれは・・・。こちらはあくまで家庭料理ですので王妃様のお口には合わないかと思われますが。」

王妃「何を言っているの、私の舌には豪華な料理より家庭的な物の方が合う事を言ってなかったかい?」

 聞き覚えのある声や口調なのだが、見た目が全くもって違うので好美は話を聞き流した。未だに出入口から覗き込む王妃は好美の方を向いて話しかけた。

王妃「それに好美ちゃんだって冷たいじゃないか、せめて一言あっても良いと思うんだけど。」

好美「王妃様恐れ入りますが、どこかでお会いしましたでしょうか?」

王妃「今更何言ってんだい、毎日会って
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    -355 危機迫る- 懐かしい思い出に浸り顔をニヤつかせる兄により強めのため息をついた弟は『アイテムボックス』から引っ越し用に使っていたガムテープを取り出して引っ張り出したダンボール箱を封する用に使用した、そして辺りを見廻して新聞の折り込みチラシを数枚程見かけたのでその内の1枚に大きく「封印」と書くと勢いよくその箱に貼り付けた。イャンダ「これでよし・・・、と・・・。」 一安心するイャンダの隣で落ち込んだ表情をするベルディ、大切に保管していた物を一瞬にしてゴミに変えられてしまった事がよっぽどショックだったと見受けられる。ベルディ「折角取っておいたのに・・・、そうやって捨てる前に1度着てみれば良かったんじゃ無いのか?」イャンダ「あのな・・・、兄貴は俺の「汚点」を増やすつもりなのか?!勘弁してくれよ!!」 誰にだって忘れたくても脳内にへばりついてなかなか離れない記憶はあるものだ、イャンダにとって魔学校時代の学祭がそれだった様で・・・。イャンダ「一先ずこれは明日が「燃えるゴミの日」だから朝一番に出すからな、全く・・・。」 捨てるのを忘れない様にする為、封じたダンボールを抱えて先程降りて来た階段を昇るイャンダ。入り口となっている隠し扉の横にダンボール箱を置いた後、階段を再び降りて行った。ただ、重要な事を忘れている事を知らずに。 封印したダンボール箱を隠し扉の前に置いて階段を降りたイャンダが一安心した表情を見せた一方で、新たな部屋に持って来た荷物の大半を降ろしたピューアをネイアが気遣っていた。ネイア「ピューちゃん、ここ2階だから荷物運ぶの大変だったでしょ。」ピューア「大丈夫ですよ、好美の店で荷物運びをしていた事が多々あるので慣れているんです。」 店で使用する為に仕入れた食材の搬入をちょこちょこ手伝っていたピューアにとって引っ越し作業など朝飯前だった様だ、俺が思ったよりは腕力が備わっているらしい。ネイア「でも結構汗をかいただろう、バルファイ王国は他の国よりも気温が高いからね。」 国の大半を砂漠とビル街が占めているからか、やはり日中の気温が高いのも事実。これは店で提供するメニューを色々と思案しなおす必要があるのかも知れない、まぁ今は引越しの方に集中すべきなんだろうけど。ピューア「そうですね・・・、ちょっと喉が渇いて来たので水分を頂いても宜しいですか?

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    -354 兄弟の秘密③- 頑なに押入れの引き戸を開ける事を拒否し続ける兄(ベルディ)にイラつきだした弟(イャンダ)、それほど弟に見られたくない物が入っているのだろうか。ただ「見ちゃ駄目だぞ」と言われると逆に見たくなってしまうのが人間という物、正直傍らで見ているだけの俺も「早くしやがれ」とクレームを入れたくなってしまいそうになっている。イャンダ「兄貴、「別に何も」って言うなら開けても平気だろ?それとも俺に見られたくない物でも入っているのか?」ベルディ「あのな・・・、誰にでも知られたくない秘密って物があるだろうが。こう言った事はな、そっとしておくのが1番なんだぞ?世の中に「知らぬが仏」や「触らぬ神に祟りなし」って言葉がある位なんだから「見なかった、ここには何も無い」って事にしておいてくれよ。」 いやお兄さん、その態度だとやはり「何か秘密を隠している」のが明らかだぞ?兄弟同士、正直になるのが1番だと思うけどな。イャンダ「ほら、作者(このアホ)だって言っているだろう?諦めて開けろよ。」 おいイャンダ、今のは聞き捨てならんぞ!!「アホ」とは何だ「アホ」とは!!イャンダ「チィッ・・・、いちいち細かい事で突っかかって来るんじゃねぇよ。そんなんだからいつまで経っても彼女が出来ねぇんだぞ。それより兄貴、そろそろ観念して押入れを開けろっての。」ベルディ「そこまで言われると俺にだって意地って物があるから開けたくないもんね、絶対開けて堪るか!!」 あらら・・・、このままだと埒が明かないな。イャンダ、俺が許すからやっちまえ。イャンダ「あのな・・・、お前何様なんだよ。」 え?この世界を創った創造主(作者)様だが?イャンダ「別に良いか・・・、と言うかお前に言われなくてもやってやろうと思ってたんだよ。」 痺れを切らしたイャンダはベルディを押しのけると無理矢理押入れを開けて中にある物を引っ張り出した、押入れの下段には古びたダンボールが1箱。よく見ると「イャンダ」と書かれていた、イャンダ自身の私物だというのだろうか。不審に思いながら弟はその箱をゆっくりと開けて中身を覗くと唖然となっていた、そして何故か顔を赤くしてその場にしゃがみ込んでしまった。イャンダ「兄貴・・・!!何でまだ持ってんだよ・・・、これは昔「汚点だからもう捨てる」って言っただろ?」 「汚点」だって?元竜将軍

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    -351 放っておけない- ピューアがイャンダに思いを寄せていた事は「暴徒の鱗 ビル下店」の従業員間や中心街界隈等でもう既に有名となっていた話だったが、その上級人魚(ピューア)の想いにやっと気付いた元竜将軍(イャンダ)に対してその場にいた全員が「今更かよ!!」とツッコミを入れたくなる位だった事は正直言って予想通りだなとため息が出てしまう程だった。 ひょんなきっかけでイャンダがピューアに告白した夜が終わってから数日経った後、遂に2人が改築を終えた新店へと異動する日がやって来た。デルア「ピューちゃん、この前も言った通りなんだがイャンはかなり鈍感だから新しい場所での生活や新店での仕事にちゃんと対応出来るか正直心配なんだよ。こいつの事を任せても良いかい?」 「ビル下店」の調理場奥にある小さな部屋で旧店長の右肩に手を添えながらピューアに優しく声をかける新店長、ただこの事に関しては旧店長も黙っていない。イャンダ「別に初めて行く訳じゃ無いんだぞ、新しい設備にも一通り目を通しているから心配すんなって。」デルア「そんな事言って・・・、まさかと思うが自分が極度の機械音痴でここのレジを使いこなすまでにどれくらいかかったか忘れたってのか?好美ちゃんが店長を替わろうか悩んでいた位なんだぜ。」ピューア「そうなの?初めて聞いた。」 折角の機会だと思ったデルアはイャンダと出逢ったばかりの頃の事を語った、「ビル下店」新店長によるとイャンダはバルファイ王城の調理場で気分を変えようと小さなラジカセを取り出して音楽を流そうとしていたそうなのだが10分程経過しても全くもって音が流れなかったという。心配になったデルアがイャンダの懐をよく見ると、カセットテープとラジオしか使えない機械でCDやMDを流そうとしていたので流石に止めたそうだ。デルア「本当に申し訳ないけど、あれはガチで笑ったわ。差込口が見つからなくてカセットテープの所に無理矢理MDを入れようとしていたんだもんな。」イャンダ「止めろよ、今でも忘れる事の無い汚点なんだから。」 デルアの語った思い出話に顔を赤らめるイャンダ、よっぽど恥ずかしい経験だったんだろうなと推測される。 元竜将軍(ドラグーン)達が思い出話に花を咲かせる中、俺はここ数日間におけるイャンダの行動を思い返していたが新店に設置された新しい設備に目を通している様な場面は

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    -350 功を奏す- 2人が付き合うきっかけとなったのは数日前の夜だった、イャンダは「王様(エラノダ)に呼ばれたから」という理由で海斗が呼び出されたあの日から数回程ピューアと共に働いていた。ピューア(当時)「ごめんねイャン、朝から働き続けているのに無理言っちゃって。」 この日の朝、夜勤を終えたナイトマネージャーが家へと帰る数分前から出勤していた店長の事をピューアは心配していた。イャンダ(当時)「別に構わないよ、店長をしている身として偶にはこうやって深夜の時間帯に顔を出さないといけないって思っていたんだ。」 本人は自分の事を気遣うピューアの事を考慮して「偶には」と言っていたが、ここの所週に何度も夜勤に入っている印象が強い。イャンダ(当時)「それにしてもさ、海斗の奴はどうしたってんだよ。」ピューア(当時)「確か・・・、電話では「熱が出た」って言ってた様な気がするけど。」イャンダ(当時)「アイツめ・・・、月に何回熱を出せば気が済むんだよ。」 イャンダの寒いジョークと共に時間が経つにつれて客足も退いて行き、空いているカウンターやテーブルが目立って来たので客席側に数個だけを残してある程度のウォーターピッチャーを回収して来たピューア。やはり好美の考えた営業形態が功を奏している様で辺りを見廻すとラーメンというよりは1人呑みを目的としたお客が目立っている様な気がした、ただ〆にラーメンを食べる客も少なくもないのでピッチャーを全回収してなくて良かったと胸を撫で下ろすばかりであった。イャンダ(当時)「それにしてもさ、今日俺が来てなかったらどうなっていたんだろうな。」ピューア(当時)「いつもの事よ、客足なんて大体いつもこんなんだから1人で回る時も少なくないの。まぁ・・・、後で海斗にお仕置きをする事は変わらないんだけどね。」 時計はAM2:00を示していた。ナイトマネージャーが先程の店長の物に比べたら大分マシなジョークをかました気がする中、カウンター席に座るお客が1人2人いるかいないかといった状態になっていたのでイャンダは汚れを浮かす為のお湯をシンクに溜めていた洗い場へと向かった。ピューア(当時)「あ、ごめんね。私がやるから置いといて。」イャンダ(当時)「こんなの気にしないでよ、元々厨房にいたのに洗い忘れていた俺が悪いんだよ。ピューちゃんは客席の方をお願い出来る

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    -⑮ 既視感と涙の正体- 数分前の事、息を荒げて守の腕を強く引く真帆の様子を見て辺りを見廻した美恵は、近くののぼりや仄かに匂ってくる料理の香りからキッチンカーがすぐそこの公園に多数止まっている事を知り、懐の財布から2000円を取り出して2人を呼び止めた。美恵「ちょっと待って、これ持って行きな。守君には重要情報をくれたお礼、それと真帆ちゃんには怖い想いしたと思うから少ないけどヤケ酒代。」真帆「ありがとう美恵おば・・・、お姉さん、でも良いの?」美恵「良いのよ、個人的にお小遣いあげたくなったから何も言わずに持って行って頂戴。」守「ど・・・、どうも。」 守からすれば大したことをしたつもり

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    -⑫ 試着- 2人は待ち合わせ場所からゆっくりと歩きだした、別に恋人同士と言う訳でも無いので歩幅を合わせたり手をつないだりと言う心遣いは全く持って無い。 朝早い時間帯が故か、そこら辺中通勤中のサラリーマンやOL、そして通学中の学生達が右往左往していた。 そんな中、互いに休みだった2人は一先ず緑色の看板で有名な全国チェーンのカフェに入った。珈琲の良い香りがそこら中に広がる中、2人は珈琲やサンドイッチ、そしてクロワッサンを頼んで屋外のテラス席へと向かった。真帆「今日、何しよっか?」 突然決まった事なので別に予定が決まっている訳では無い、しかし実際に行動しながらこの後の予定を一緒に決める

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   6. 「あの日の僕ら2」⑨

    -⑨ 離れた理由- ラムネと駄菓子を存分に楽しんだ高校生たちは各々の家路についた、1つ先の通りにある交差点で二手に分かれて帰って行った。 まだ昼の2時だったのでゆっくりと景色を楽しみながら守は家までの道を歩いた、無意識に笑顔がこぼれて自然に鼻歌や口笛が出ていた。 守が家に到着し、玄関の鍵を開けて引き戸を開けると奥からテレビの音が漏れていた。守(当時)「あれ?母ちゃん、今日休みなのかな・・・。」 普段、母の真希子はパートの仕事に出ているはずの時間帯なので音がはずは無かったのだが今日は違うみたいだ。 廊下を歩くと、リビングの入り口から真希子がテレビを見ているのが見えたので守は一先ず一

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   6. 「あの日の僕ら2」⑥

    -⑥ あの時の言葉- 二手に分かれた4人はそれぞれ反対の方向へと向かって行った、光明の作った隠しカメラと悟に知られない為の作戦を完璧に遂行するべく、この行動は必須とも言えた。 親会社「貝塚財閥」の副社長である光明からすれば「貝塚技巧」の工場内の全貌は頭に入っていたので今更見学は必要無かったのだが、少しでも友に協力する為に守と悟が完全に見えなくなるまで演技を続けていった。悟「こちらから作業場に入って行きます。」 悟自ら作業場への引き戸を開けて守を中に案内した、全体的に吹き抜けになっている工場では数人の男女が作業をしていた。 因みに聡の協力の上、光明が守の衣服に仕掛けた小型のマイクを通

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