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5. 「あの日の僕ら」64

작가: 佐行 院
last update 게시일: 2025-10-12 08:26:23

-64 大好物の力-

 好美は2人の為に何をすべきか分からなかった、ただ自分がとった行動により2人に迷惑を掛けてしまうのではないかという考えがあったからだ。

守(電話)「そっとしておくのが一番じゃないかな。」

 電話の向こうで守は冷静だった、しかし好美は決して放ってはおけなかった。それもそうだ、2人を襲った出来事があまりにも残酷過ぎたのだ。

守(電話)「今は様子を見よう、勿論事件を思い出させない様に気を遣いながらね。」

 同刻、美麗は秀斗が死んだ事を後悔する位に綺麗になってやろうとジム通いを始めた、と言うより事件の事を忘れていたいという気持ちが強く、体を動かしていると無心でいることが出来た。

 一方、香奈子は快方に向かっており、週末には退院出来るだろうと医者に告げられていた。

看護師「良かったわね、ここのご飯くそ不味いから嫌だったでしょ。」

香奈子「そんな事は無いですよ、意外と私好みで良かったです。」

看護師「あら、珍しい事を言う人もいるのね。では、もう少しの間だけゆっくりして行ってね。」

 香奈子は窓を開けて風で揺れる木の葉や樹木をじっと見つめていた、太く大きく育った大木に生命力を
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    -320 副店長の本心 デルアの姿にティアマットの母娘が目を輝かせていた顔合わせの直後、一先ずシフトの相談をする事になった。やはり優先されるのはこれからヌラルが学生として頑張ろうとしている事、それが故に母のバハラが副店長として十分に実力を発揮できる様に考慮する事だった。各々の生活をしっかりと守る事、そして大切にする事が(新)店長・デルアとオーナー・好美の義務だったからだ。デルア「安心して勉強に励んでくれれば良いからね、今はたった1度の人生を満足して全う出来る様に経験を十分に積むべき時期だからね。俺に出来る事があるなら何でも協力させてよ、それに・・・。」 すこし「哀愁」という言葉を感じさせる表情を浮かべる副店長。好美「「それに・・・」、どうしたってのよ。」 デルアの表情にただならぬ意味があると感じた好美、ただ何を意味しているのかは全くもって分からなかった。デルア「後悔して欲しく無いんだよ、俺みたいに・・・。」 バルファイ王国で黒竜将軍として活躍していたデルアの心中に「後悔」という言葉があるとは思えない好美、ナルリスと生き別れてから今の今まで何があったというのだろうか。好美「デルアから聞くとは思わなかった言葉だね、正直言って意外かも。」デルア「そうだよね、あまり良い記憶では無かったから話さない様にしていたんだ。一応確認するけど、俺と兄(ナルリス)が幼少の頃に一度生き別れている事は知っているよね?」好美「それは・・・、確かに光さんからちょっとだけ聞かされていたけど。」 確かに好美はデルアの成り立ちなどを詳しく聞いたことは無かった様な気がする、正直そんな機会など今まであっただろうか。デルア「これはまだ俺や兄貴が吸血鬼(ヴァンパイア)だった頃の話だ、皆も知っていると思うけど俺達の母親が人間により殺された際に俺は兄貴と生き別れた。まさか兄貴の中で俺が死んでいるものになっていたとは思わなかったけど俺は間違いなく独りぼっちだった、それから暫く経って本当は貝塚学園大学(こんな名前だった気がする)の料理科(あったの?)に通いたかったけど正直金が全く無かったから王国軍に入るまで色々と必死だったんだよ。実は板長と出逢って料理の修業をした後に1度大学に通って勉強をするかどうかを王様直々に聞かれたけどいち早く金を稼ぎたい一心だったから断ってね、今思えばあの時「Yes」

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    -319 黒龍族と黒竜将軍- 正直言って必要かどうか分からなかったが美麗含む「貝塚運送」の従業員数名による迅速な作業により新居への引っ越しを終えた混沌龍(ティアマット)達や好美は急ぎデルアが待っている(かどうか分からない)「暴徒の鱗 ビル下店」へと向かった、引っ越し作業を行う前にオーナーが言った通りと言わんばかりに新店長予定者は暇そうに茶を飲んでいた(時間が時間なのでそうなってもおかしくはないよな)。デルア「いらっしゃい、ずっと待ってたんだよ。」 引越しの作業中ずっとなのかと考えるとかなりの間仕事をサボっていた事が見受けられる、それとも長めの休憩時間を設けていたのだろうか。好美「ごめんね、思った以上に引越しの作業が長引いちゃって遅くなっちゃった。ただデルア、今の所店は大丈夫そうだけどいざお客さんが来た時どうするの?」デルア「問題無いよ、お客さんが来たらホールにいるバイトにベルを鳴らしてくれって伝えてあるから。」 副店長に店を突如任された可哀想なアルバイト店員、何となくだが誰か労ってあげてよと思ってしまった。因みに察しが付くと思うが荷物は少なかったし好美は何もしていない。好美「そんなになるまでランチタイムが大変だったの?まだイャンダが異動した訳でも無いのに?」 イャンダが異動する予定の店舗(旅館)はまだ改装作業が終わっていないので異動のしようがない、それが故に今でもビル下店の店長として働いているはずなので今日は出勤していると思われるのだがどうしたのだろうか。デルア「別にサボっている訳じゃ無いよ、今までなかなか有休を取得する事が出来なかったから今日は半休にしているんだよ。」好美「半休?!」 この店(いや会社)に半休の制度があった事すら知らなかった好美は目を丸くしていた、と言うか店舗のオーナーの癖に知らない事が多すぎやしないか?デルア「悪かったよ、ただこのままでは会社が国に怒られちゃうから2人で話し合って決めた事なんだ。好美ちゃんにちゃんと言えてなかった俺達の責任だ、許してくれ。」 バルファイ王国の元竜将軍(ドラグーン)に頭を下げさせるとは、やはりこの店での好美の存在はかなりの大きさだと言える。好美「別に良いよ、ちゃんと会社の事を考えて決めた事なんでしょ?タイミングが悪かっただけじゃない、頭を上げてよ。」 あれ?珍しく優しいな、まぁそう言う

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    -316 新居と寛大な国- 女性達が昼間から酒を煽りながら露天風呂を満喫してから数日経った事だった、相も変わらずの独断(いや自己中?)ぶりを発揮した大家によりブラッディ母娘はマンションの空き部屋を借りて住み始めた。因みに貝塚学園の寮として使っている下層階の部分に空き部屋が無かったという事もあるので他の住民には内緒で家賃は少し安くなっている様だ、こう言って良いのか分からないが無理矢理この場所に住めと言ったのが好美自身なのでちょっとしたサービス精神をもって良いかと思うのも納得はいく。好美「何よ、それじゃ私が独裁者みたいじゃない。人聞きの悪い事を言わないでよ。」 す、すんません・・・。今度またビールでも奢らせて頂くので許して下さい。好美「約束だからね、確か前に約束してもらったビールもまだだったはずだから一緒に奢ってよね。」 あ、あれ?そんな事ありましたっけ・・・、忘れないうちにお送りさせて頂きます。 さてと・・・、「鬼の好美」が出ない内に話を進めますかね。 初めて村以外の場所で住む事になった母娘は好美自らの案内で連れられた新居に驚きを隠せなかった、マンションの中では結構スタンダードな部屋だと思われるのだが。ヌラル「すげぇな・・・、好美・・・、俺達本当にここに住んで良いのかよ。」バハラ「何か申し訳ないよ、家賃だって安くしてもらっているのにこんなに良い部屋を用意してもらっちゃって・・・。何か罰が当たりそうで怖いよ。」 母娘は今にも泣きだしそうな表情で語っていたがずっと受けていた迫害の事を考えるとこれから良くなって行くばかりの人生(いややはりそこは「龍生」?)の前兆だと言えるのではないかと思われる、寧ろ好美からすれば少し遠慮した位だった様だ。好美「何を仰っているんですか、私がお呼びしたのにこんな部屋で申し訳ない位ですよ。」バハラ「私達にそんな事を言ってくれるのかい、こんなに嬉しくなったのは久方ぶりだよ。」 2人の年齢の事を考慮に入れるとバハラの「久方ぶり」という言葉が我々人間に比べると桁違いの物となっている事だと推測できる、きっとその分感動も遥かに大きい物なのだろう。ただ感動しているのも束の間、ヌラルには1つ心配している事があった。ヌラル「ただ俺達がこうやって来たのは良いんだけど家財道具とかどうやって運べばいいんだよ、鳥獣族(グリフォン)に知り合い

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    -315 下らない真相- 確かにあの日、莉子は渚の様に下っ端達を殴って「一掃した」訳では無いが台所で伸びていた事は事実だ。殴る以外の方法で倒してしまう方法なんてあるのだろうか、ただ転生者達と一緒にいたティアマットのヌラルが1番聞きたかったのはそれでは無かった様な・・・。ヌラル「なぁ・・・、俺はただ結愛の「お袋の味」を知りたかっただけなのにどうしてそんな話になっちゃったんだ?」結愛「そうだよ、母ちゃん!!ここに来てもらったのは母ちゃんの手料理を作って貰おうと思ってなんだよ!!」 『人化』した混沌龍により娘は自分をここに連れて来た目的を思い出したと察した様だが、莉子はその言葉を聞いて少し抵抗感を覚えていた。莉子「結愛・・・、母親としてあんたの長年の願いを叶えたいのは山々だけど出来ないんだよ・・・。」結愛「「出来ない」って・・・、何でだよ・・・。」 その場で顔を蒼白させる母娘、そこまで深刻な理由でもあるのだろうか。莉子「結愛・・・、私ね・・・。」 少し抵抗しながら自分の事を語り出そうとする莉子の言葉を突如後輩が遮った。渚「料理が「ド」の付く程下手だったんですよね。」莉子「あんた・・・、そんな事をよく覚えていたね。」渚「そりゃあそうですよ、うちの若が説明した通りに何度も何度も作り直しても不思議な位まずい料理が出来上がってましたもん。」 そう、渚達がまだ中学生だったあの日に下っ端達が倒れた理由は莉子が試作した不味い料理を繰り返し食べたからであった。渚「見た目だけは若の物とさほど変わらなかったはずなのにそこにいた全員が理由を聞きたかった位不味かったんですもん、誰だって覚えていますって。」 因みにこの事は赤江組の組員達内により「黒歴史」として語り継がれていたという。莉子「だから・・・、何と言うか・・・、ごめんね。今更言うべき事じゃないと思うけど、きっと義弘も料理の出来ない私に愛想を尽かせて追い出したんじゃないかなと思うのさ。」 恥ずかしそうに後頭部を掻いていた莉子は笑いながら語っていたが、義弘が莉子を追い出した理由は全くもってそうでは無い。結愛「そうか・・・、分かったよ。じゃあもう無理は言わない様にするから義弘の事を口にするのはやめてくれ、思い出すだけでも吐き気がするんだよ。」 まるで胃もたれを起こしたかのように腹を摩る結愛、「最悪の高校時

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    -199 過去を思い出して- 恋人達は貝塚学園の入学センター長を兼任するアーク・ワイズマンのリンガルス警部に話せるだけの事を話した、先程結愛の話を含めた『念話』が上手く行かなくなった事や渚の『転送』により送られた荷物が的外れの場所に届いてしまっていた事等だ。しかしその場にいた転生者達の心中には共通してある疑問が生じていた、今回の義弘脱獄事件に転生者達の能力が関係しているのだろうか。 一先ず社長達の疑問を解決するためにリンガルスは3国警察の、しかもそのごく一部の者しか知らない重要事項を思い出していた。これが事件解決の糸口になれば・・・、という一心での行動に俺は敬意を表するばかりであった。

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」189

    -189 必要なのは人同士の繋がり- ただただ呆然と立ち尽くすロラーシュを横目に、「バルフ酒類卸」にて一般客が利用する表側の小売り用の店舗とは打って変わった様に薄暗い倉庫の部分へと渚はゆっくりと進んで行った。ロラーシュ「お姉さん・・・、ここ私達は入って良い場所なんですか?」渚「大丈夫だって、私は以前からここで屋台の食材を仕入れているんだ。それに表向きの店舗はつい最近出来た場所で元々はこんな倉庫だけでの営業だったんだ。」 と言うよりこの世界では渚の屋台以外にもあらゆる外食産業の店を経営する会社達が必ずと言って良いほどこのお店との付き合いをすると言っても過言では無い、その為に先程赤鬼が言

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」188

    -188 大丈夫?- 改めて食材リストを睨みつける渚はあまりにも高額だった為に再び震えていた、これだと今日の経費を全部使うどころか数日分の売り上げを返上しても払える訳が無い。渚「あんたね、うちは見ての通り屋台の拉麺屋だよ。こんな大金払える訳が無いじゃ無いか、いくら後で返金があるって分かっていても買い出しになんて怖くて行けないよ。」 確かに渚が言っている事は正論ではあるが転生者達は元から1京円の資産を与えられているはずなので問題無いがやはりいち経営者としてしっかりとした話し合いをすべきだと簡単に引く訳に行かない様だ、きっと王城からの信用を得て売り上げのアップを見込んでいるのだろう。デカ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」186

    -186 普段優しいコッカトリスは怒ると怖い- 好美にこれ以上飲まれてたまるかと言わんばかりに焦った様子で手に持っていたコーラを一気に口にした守は国王の前だという事にも関わらず大きなゲップをしてしましった、第三者として様子を見ているだけの俺からすれば原因は好美にあるのか守にあるのかが分からない。しかし仲睦まじい恋人達の様子を見ていたデカルトは好美を乗せて地上に降り立った後にただただ笑うだけだったが顔が引きつっていない事を願うばかりであった。守「王様、大変失礼致しました。申し訳ありません。」 頭を深々と下げて謝る守、それに対して腰の低さに定評がある国王は全てを笑って許してくれた様だ。デ

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