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7. 「異世界ほのぼの日記3」171

Author: 佐行 院
last update publish date: 2026-05-02 09:22:33

-171 次の予定-

 一応俺の心中で予想はしていたのだが2人は次の予定について何も考えていなかった、流石は行き当たりばったりでの旅行と言えるが守には気になっている事があった。

守「なぁ好美、折角バルファイ王国に来たんだから王城にでも顔を出してみないか?ほら、「親しき中にも礼儀あり」って言うだろ?」

 守は王城に住むと思われるパルライの所に挨拶に行くべきだと思っていた、確かに好美と一緒に「暴徒の鱗」を経営している仲ではあったが3国の王の1人だからだ。

好美「行ってもいないと思うよ、城には本人が魔法(片手間)で動かしている鎧しかないもん。」

 好美の言う通りだ、パルライ本人は常に店の味を狂わす事無く守る為に住み込みで働いているので王城に戻ることなどよっぽどの事が無い限りはあり得ない話であった。

守「じゃあすぐにでもダンラルタ王国に向かうか?長かった国道ももうすぐ終わるだろうから10分もしない内に国境に着くと思うけど。」

 貝塚財閥(と言うより結愛)による土地開発で3国間の行き来はこの十数年の間でかなり便利になった、はっきり言ってネフェテルサ王国からバルファイ王国、そしてダンラルタ王国ま
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    -410 やっぱりここは異世界ですからね- 新たな挑戦に胸を躍らせる上級鳥獣人(バルタン)は近所に住む上級巨獣人(タイタン)の友人が経営する養鶏場の鶏舎で真剣にメモを取っていた(今更言う事では無いが勿論2人共『人化』しているので種族など全く関係無いのだが念の為って奴さ)、因みに毎朝の餌作りの作業は朝一の習慣になっているそうだ。友人「一般的には食用油を原料としたペレットやグランブルがよく使われるけどうちは父ちゃんの代から小麦やトウモロコシを粒状にしてあげているんだ、やっぱり誰だって美味しい物が食べたいだろう?」 自分の仕事に誇りを持っていると言わんばかりの満面の笑みを見せる友人、本当に幸せなのが見て取れる(良い事良い事)。ナイリ(当時)「やっぱりな・・・、ただの油より美味しいものの方がいっぱい食べて良く育つって事なのかな。」 どうやらこの世界の鶏は我々のいる元の世界の物とは何処か違う様だ、ただ大切なのは肉の味と安全性である気がするが・・・。友人「まぁ親父も俺も料理が好きだから丁度良いんだ、やっぱり美味しさや食材に拘りたいじゃん?」 ぼんやりとした記憶だが、以前ダンラルタ王国にあるクァーデン家の奴隷として捕まっていた巨獣人(ジャイアント)達も調理師免許を取得する程に料理が好きだった気がする。それが上級であるタイタンとなると素材にも拘る様になるらしい、これがレベルの違いってやつなのかな。ナイリ(当時)「なぁ・・・、うちで育てた米を粒状にして餌にするのはどう思う?」友人「きっと良い鶏に育つと思うよ、お前んちの米って本当に美味かったもんな。」 実は養鶏場を経営する傍らでナイリの父であるソンは庭に作った田んぼで米作りを行っていた、元々家で食べる様に作っていたそうなのだが食べきれそうに無かった事が多かったので近所の家にお裾分けしていた事があった様だ(という事は結構な量を作っていたと推測できるが今は気にしないでおこうかな、話が進まないもん)。ナイリ(当時)「でもよ、今思ったんだが鶏の餌に味なんて関係ねぇんじゃねぇか?あいつらに味覚があるってのかよ。」友人「それがさ・・・、俺がこの養鶏場を引き継ぐ少し前だったんだが・・・。」 友人が言うにはまだ貝塚財閥で働いていた頃に外でバーベキューをしていたそうなのだが、本人の好みでよく炙った唐辛子を火から上げた時に誤っ

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    -409 忘れてた- 父(ソン)から養鶏場自体を任された息子(ナイリ)は数日後に近所に住む上級巨獣人族(タイタン)の友人が経営する養鶏場へと向かった、ここはナイリの家と違い食肉用の鶏(ブロイラー)のみを扱っているとの事で何か参考になればと思った様だ。友人「ナイリじゃないか、いつ以来だ?」 久々の再会を全力で喜ぶ友人、本心ではそれ所ではないと言いたいが折角時間を作ってくれた友人への礼儀を欠いてしまうので応える事に。ナイリ(当時)「確か魔学校を出て以来だったはずだったから・・・、何年前だったっけ?」友人「おいおい勘弁してくれよ、まぁ俺も人の事言えないんだがな。」 今頃解説すべき事では無いかも知れないが、この世界にいる獣人や魔獣はエルフやドワーフと同様に長命な存在である事が多いのでどうやら自分が何年前に魔学校を卒業したのかを忘れてしまう事が多いらしい。因みにこれは余談だが自分が上級の種族に進化した事も気づかない事が多い様だ、言ってしまえば「どうせ今までと生活は変わらないから種族なんてどうでも良い」という意見を持っている住民が少なくも無い。ナイリ(当時)「それにしてもお前、確か貝塚財閥の本社(バルファイ王国支社)で働いてなかったか?」 魔学校を卒業してから様々な仕事を経験した最後に貝塚財閥をやめて今に至る様だ、簡単に言うとナイリとは逆の人生を送って来たと言っても過言では無いのかも知れない。友人「実は父ちゃんが腰を悪くしちゃってね、心配だから手伝いをさせてくれって名乗ったんだ。そのお陰で毎日おふくろの味を楽しめるから結果オーライってやつさ。」ナイリ(当時)「お前って奴は・・・、昔(ジャイアントの頃)から食いしん坊なのは変わらないな。」友人「よせやい、それだと俺がいっぱい食う良い男みたいに聞こえるだろ?」ナイリ(当時)「あのな・・・、褒めたつもりは無いんだが?」友人「いやいやいやいや・・・、今の俺んちでは誉め言葉だぞ?」 学生時代を懐かしみながら何気ない会話を楽しむ2人、ただナイリはここに来た目的を忘れていないか?ただ世間話をしに来た訳では無いだろう?友人「それでナイリ、今日はどうしたんだ?ただただ話をしに来たんだったらわざわざ時間を作ってまで会う必要は無かったんじゃ無いか?」ナイリ(当時)「そうだよ、忘れてたよ。」 またかい、ここでも「蛙の

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    -406 その場の流れでやって良い事では無い様な・・・- 支払いを終えたナルリスが『瞬間移動』で戻った時、ミーレンの目の前には多数の缶ビールが並んでいた。店で散々呑んだはずなのに未だ呑む気満々なのがオーナーは個人的に許せなかったので「後で絶対先程の領収書を叩きつけてやろう」と心中で誓っていた様だ、しかし長年連れ添って来た妻・光には見事にバレてしまっていた様だ。光(当時)「落ち着きなさいって、気持ちは分からなくも無いけどね。」ナルリス(当時)「だって見てみろよ、結構な値段だったんだぜ。」 領収書を渡された光個人は銀行口座の中に莫大な貯蓄があるので屁とも思わなかった、ただ(ここだけの話)お小遣い制の主人には相当なダメージだった様だ。ナルリス(当時)「笑わないでくれよ、今月の小遣いが半分以上飛んで行ったんだぞ。」光(当時)「ごめんごめん、後でチョイ足ししてあげるから許してあげなって。」ナルリス(当時)「流石は光様、いたわり方を分かってらっしゃる。正しく「神様仏様光様」でございます・・・。」光(当時)「ナル・・・、それ本当に思っている訳?」 居酒屋のレジに表示された金額によるショックが大きかったのか、実は正気を保てそうになかったという吸血鬼(ヴァンパイア)。俺も気持ちは分からなくもないが今は楽しい席にして欲しいというのが個人的な意見。 そんな中、少し離れた所で相変わらず馬鹿みたいな量の酒を浴びる様に吞んでいた犯人(ダーク・エルフ)の話題はこの日の主役(?)である恋人達の事に。ミーレン(当時)「ねぇ・・・、ナイリ君だっけぇ?正直に聞くけど、妹(ペンネ)の事をどう思ってんのよ。」ペンネ(当時)「ミーレン、やめなって。吞み過ぎだよ・・・!!」 恐らくミーレン自身は酒の肴にする程度に質問したと思われるが、恋人達は本気にしている様だ。ただ店呑みから宅呑みへと切り替わったからか、2人共改まった様に安心して呑んでいたので良い具合に酔いが回って来た様だ。ナイリ(当時)「お、俺は・・・。」ミーレン(当時)「何よ、何処が好きとか言えないってのぉ?」 軽い気持ちで言える訳が無かった、双方共にどう思われているかが分からなくて不安だったからだ。返答次第では自分達の今までの思い出や関係が一瞬で崩れるかもかも知れないと言っても過言では無い、正直言って楽しく呑んでいたはず

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    -405 大人なんだからルールはちゃんと守りましょうね- その場の勢いに任せて浴びる様にビールを呑みまくった後、台本通り(?)「魔力が有り余っていた光はそこにいた全員を連れて『瞬間移動』した」との事。俺の知らない所で誰がその台本を書いているのだと言うのか、1度でも良いからその現場を見てみたい物だ。光(当時)「な・・・、何・・・。台本通りやったけど駄目だったの?まさか撮り直し?」 いや大丈夫ですって、別にドラマの収録をやっている訳ではないですからお気になさらないでください。俺はただ興味本位で「見てみたいなぁ・・・」と思っただけですよ、そして「ここの動きとボケ、ちょっと付け足しますか」的な会話を交わしてみたいんです。光(当時)「「動きとボケ」って・・・、これはコントじゃないんでしょ。」 はい、すんません・・・。反省しますので話を続けても宜しいでしょうかね。光(当時)「そうね、でないとこの長い回想シーンがいつまでも終わらないもんね。」 恐れ入ります、では光様の優しいお言葉に甘えさせて頂きます。 『瞬間移動』をしたのはいいものの、今思い出したんだがさっきまで皆がいたのって居酒屋だったよな?何か忘れている様な気がするんだが気のせいか?ナルリス(当時)「いや、気の所為じゃ無いよ。俺達は街の中心地に近い所にある居酒屋でビールを呑んでいたんだ、何か問題でも?」 いやね、さっき俺が言った通り本当に「その場の勢い」でこっちに来ちゃったもんだから全員して「あれ」を忘れてはいないかなと思ってね?光(当時)「あんたね、「あれ」って何で敢えて隠すのよ。」 念の為って奴ですよ、皆が吞み過ぎて忘れてはいないか確認する為です。それで・・・、「あれ」を忘れてはいませんか?ナルリス(当時)「勿体ぶらないで言えよ、「あれ」が何かによったら大事になりかねないだろうが。」 仕方ないな・・・、俺が言いたかったのは「お会計」ですよ。流石に全員して忘れているって事は下手すれば「食い(いや呑み)逃げ」って事になっちゃいますよ?光(当時)「あ、本当だ・・・。それってまずくない?」 口をポカンと開けて途方に暮れる光達、ただ最初に居酒屋で呑もうと言い出したダーク・エルフ本人が「そんな事も知った事か」と言わんばかりに速攻で続きを始めようとしていたので・・・。ナルリス(当時)「このままだとお

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    -⑥ 社長登場- つい最近、元の世界で英検3級をやっと取得した女性社長の口調や性格はこちらの世界に来ても一環として変わることは無かった。守(念話)「結愛か、お前は相変わらずな奴だな。」結愛(念話)「何だよ、俺は「あの頃」からずっと変わらないぜ。」 「あの頃」とは勿論、結愛の父親である義弘が西野町学園を買い取り「貝塚学園」とし、理事長として独裁政治を行っていた頃の事だ。2人にとって「最悪の高校時代」と言っても過言ではない。 守は決して脳から離れない黒歴史を1人思い出していたつもりだったが、大企業の社長には筒抜けだった様だ。結愛(念話)「おいおい、親父の事を思い出させんじゃねぇよ。あ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」④

    -④ 彼氏の扱い- 学生時代の頃から相も変わらず「鬼の好美」は健在だったが、この世界に来て数年が経ち少し変化があった様だ。イャンダ(内線)「好美ちゃん、別に呑むか呑まないかは勝手だけどまあ引越しの作業が終わって無いんだろ、大丈夫なのかい?」 やはり元竜将軍(ドラグーン)と言えどオーナーである好美には頭が上がらない様だが、イャンダは好美が忘れっぽい性格だった事をしっかりと覚えている様だ。好美「大丈夫だって、あと数箱しか残って無いんから。」 守はその「あと数箱」の事を思い出した、中身は家電等が中心で比較的大きめの物ばかりだった。まさか、全部一人でやらせるつもりなのだろうか。 守の表情

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   6. 「あの日の僕ら2」90

    -90 涙がくれたもの- 冷蔵庫の中を確認して1人顔をニヤつかせる守を見て怪しそうな表情をする店主は、目の前の従業員が何を言っているのかが分からなかった。ケデール「ん?何にだ?」守「ほら、例の試食会の料理にですよ。俺の得意料理に丁度良いのがあるんです。」 ケデールは守に試食会で出す料理の提案と当日の調理をお願いしていた事を思い出した。ケデール「そういう事か、良いじゃないか。是非、その方向で行ってみてくれ。」 そして迎えた試食会当日、朝早くに起きた守は何度も味見を繰り返して料理に使うタレを作っていた。守「あ、店長。おはようございます。」ケデール「おはよう、朝から気合が入ってんな

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