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5. 「あの日の僕ら」①

مؤلف: 佐行 院
last update تاريخ النشر: 2025-08-24 08:33:26

 午後8時20分、一般的には仕事を終えた会社員や学生達で繁華街がごった返すであろう時間帯だ。もう一方では恋人達が愛を育んでいるであろうとも言える時間帯だ。

 そんな中、山の中の一軒家で携帯のアラームが鳴ると俺の1日は始まる。ため息と共に起き上がりベッドから降りる。

院「はぁ・・・、また今日もか・・・。」

 そう、俺・佐行 院は相も変わらず「夜勤族」だ。

 この昼夜逆転生活が始まってから俺の体質にはある変化があった、決して良くはない変化だ。

 夜勤の初日の夕食後、出勤する直前に緊張と「どうして自分が夜勤に?」という疑念を頭の中で巡らせていたが故か、嘔吐下痢を発症してしまった為その日をきっかけにカレーが食べれなくなってしまった。今でも同様の症状が俺を襲う。

 そんな中、俺はふと思い出した。今までまともな恋愛を経験していなかったことを、そしてこれからもしないであろうという事を。

 だからせめて妄想の中だけでもと、そう思いこの作品を書いた。

 さぁ、再び俺の妄想の世界に貴方方を誘おう・・・。

5.「あの日の僕ら」

佐行 院

-① 序章~卒業~-

 義弘による貝塚学園での独裁政治が幕を閉じてか
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    -200 らしさ- まるで英雄かの様に格好良く登場したつもりの「全能の神」だったが転生者達による質問によりその場にずっこけてしまった、ただ俺はそれを見て「おいおい空気を読めよ」と言う気持ちも無くもなかったがこのスタイルこそこの物語だなと頷きたくもなった。ビクター「お前らな・・・、それって今言う事か?特に倉下好美、ボートには行ってたけど緊急事態だと思って致し方なく天界から降りて来たのだ。これを見ろ、私が競艇場を出た直後のレースが15万舟だぞ!!俺だったら絶対取れてたね!!」 上級古龍が最後に発した言葉は舟券を買ってない奴がよく言う台詞だと思われるが正直言って今はそんな事を話している場合じゃないという事は誰にでも分かっていた、転生者達のお陰でその場の雰囲気が和んだのでビクターは本題に戻る事にしたが正直言って未だに今自分が見ている光景を理解しきれていない者が約1名。リンガルス「あのすみません・・・、こちらの紳士の方は?」ビクター「おや、私の事を「紳士」なんて言ってくれるのか。長生きはするものだな。」 ビクターの言う「長生き」は桁外れな物であるが今掘り下げるのはどうかと思ってしまうのは俺だけだろうか、というか「一柱の神」って結構有名な存在じゃ無いのか?結愛「警部がこうやって言うのも無理もないさ、ビクター神様はこの世界に降りたり人前に出現する度に姿をコロコロ変える事が多いからな。」 そう言えばそうだな、確か最初光の前に現れた時は髭を蓄えたおじいさんの姿だったか。ビクター「悪かった悪かった、本当は古龍の姿のままいるべきだとは思うんだけどそれだと目立つし近隣の住民達の邪魔になるだろう。迷惑をかける訳にはいかないと思っていつも『人化』しているけどどの姿でいるべきか定まらなくてね、いつも迷っているんだよ。」好美「じゃあいっその事その姿にすれば良いじゃないですか?しっくりするし私は好きですよ。」 「好美の好み」か・・・、フッ・・・。好美「ああ!!今鼻で笑ったでしょ、それじゃ私がスベったみたいじゃない。」 えっ?お前まさか俺がこう言うとウケると思っていたのか?好美「それは無いけど・・・、別に私の事は良いじゃん!!いつ本題に戻るのよ!!」 そうだな、すまんすまん。それで?どうして結愛の考えがあり得ないと神様は仰っていたんですか?ビクター「そうだよ、それを話

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    -199 過去を思い出して- 恋人達は貝塚学園の入学センター長を兼任するアーク・ワイズマンのリンガルス警部に話せるだけの事を話した、先程結愛の話を含めた『念話』が上手く行かなくなった事や渚の『転送』により送られた荷物が的外れの場所に届いてしまっていた事等だ。しかしその場にいた転生者達の心中には共通してある疑問が生じていた、今回の義弘脱獄事件に転生者達の能力が関係しているのだろうか。 一先ず社長達の疑問を解決するためにリンガルスは3国警察の、しかもそのごく一部の者しか知らない重要事項を思い出していた。これが事件解決の糸口になれば・・・、という一心での行動に俺は敬意を表するばかりであった。リンガルス「それでは皆さんに一つ質問です、ネルパオン強制収容所では貝塚義弘の様な強大な魔力を持つ犯罪者達をどういった方法で幽閉していると思いますか?」 結愛は以前望まないままに行った父親との面会での事を思い出した、あの時の義弘はどの様な様子だっただろうか。結愛「確か・・・、手枷と足枷を付けられていた様な。」リンガルス「そうです、実はあの手枷と足枷はとある国にひっそりと住む少数民族達しか掘削する事が許されていない希少な鉱石を使った特別製でどんな強大な魔力でも封じてしまうというとんでもない物なんです。実は私もその掘削の現場や少数民族の住む国も知りません、ましてやどの様な種族の民族なのかも知りません。ただ今言える事は両方の枷の鍵を持っているのは強制収容所長や選ばれた職員達と今申し上げた少数民族の長のみだという事だけなんです。もしかしたらその中に協力者(裏切者)がいるのかも知れません。」結愛「ただな・・・、1つ引っ掛かる事があるんだ・・・。」守・好美「何・・・?」 結愛は元の世界にいた頃、それも「最悪の高校時代」が幕を下ろしてから数日後の事を思い出していた。結愛「守・・・、義弘は元の世界にいた頃にどのようにして刑務所を出たか覚えているか?」守「確か・・・、あの頃は義弘派閥の・・・、あーっ!!」結愛「思い出したか・・・。」 同級生として高校時代を過ごした2人の間のみで展開される会話に全くついて行く事が出来なくなってしまっている好美とリンガルスは何となくだが疎外感を感じてならなかった、一体守は何を思い出したのだろうか。好美「何よ、こんな時に2人だけで盛り上がらないでく

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    -197 騒動発覚- 折角良い雰囲気になりかけていたというのに音楽がピタッと止まってしまったので「故障か?」と思った守は致し方なく路肩に車を止めようとした、すると突然Bluetoothで接続していた電話の着信音が鳴り響いた。オーディオの画面には懐かしい名前が。守「結愛だ・・・、でも何で『念話』じゃなくて電話なんだろう・・・。好美、ちょっと出て良いか?」好美「うん、勿論良いよ。」 恋人の許可を得てから一先ずハンドルのボタンを押して社長からの電話に出る事にした守、ただ着信音が鳴るまでの時間差が少し気になったが今はそれ所では無かった。どうしてかと言うと・・・。守「もしもし・・・。」結愛(電話)「もしもし、守か?!やっと電話出た・・・、好美は一緒か?!2人共無事か?!」 そう、電話の向こうにいた旧友がかなり焦っていたのだ。ただこんなに焦った結愛ははっきり言って久方ぶりな様な気がするが何かあったのだろうか・・・。守「「無事か」って急に何だよ、俺と好美は元の世界で出来なかった卒業旅行をしていただけなんだけど。」 至って落ち着いていた守とは打って変わっていた様に未だに焦っていた結愛、何となく嫌な予感がしたのは俺だけだろうか・・・。結愛(電話)「お前、何も知らねぇのかよ!!今すぐテレビかラジオをつけろって!!」守「分かったよ、分かったからちょっと待てって・・・。」 結愛との電話を一旦切った守はカーオーディオをラジオに切り替えた、通常ならこの時間は守が豚舎で仕事をしている時にいつも聞いているお気に入りのラジオドラマが再放送されているはずだったがスピーカーから流れたのはニュースの緊急速報だった。しかもその内容が守にとってただ事では無かったらしく、先程の電話で聞いた結愛の口調の理由を物語っていた。キャスター(ラジオ)「速報です、今日未明にネルパオン強制収容所に収容されていた貝塚義弘死刑囚が脱獄したというニュースが入りました。」 ニュースによると義弘は数週間前に行われた裁判で元の世界とこちらの世界での素行や犯罪歴を考慮に入れた結果、「情状酌量の余地なし」とみなされ死刑が確定したのだが何者かの手を借りて脱獄して遠くへと逃げて行ったと言うのだ。好美「結愛に聞いただけだけど確かネルパオン強制収容所ってこのダンラルタ王国から少し離れた孤島にあるんだっけ。」守「ああ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」196

    -196 思い出に浸るのも束の間- 目の前でまさか元の世界における学生時代からの憧れであった自分の愛車が1国の国王や大臣達を相手取って時給の交渉を始めるとは思わなかった中、珍しく素直に俺の言う事を受け入れた渚は少し渋々とした表情をしながらステッカーを貼り付けていた。渚「「珍しく」って失礼な奴だねぇ、それにしてもこのステッカーってまさか一生剥がれない訳じゃ無いよね。私ゃそうだと絶対嫌だよ、綺麗なままにずっと乗りたいんだからね。」 やはりこっちの世界に持って来るくらいだからそれなりに思い入れのあるお車だからそう仰ると思いましたよ、でも剥がれますから安心して下さい。渚「だったら良いんだけどね、ただ私の車だけじゃ宣伝効果が薄い気がするんだけど。」 大丈夫ですよ、守の車(カペン)にもこっそり貼り付けておきましたから。渚「それはそれであんた・・・、勝手にやっちゃ駄目なんじゃないかい?」 問題ありませんって、王城の敷地の中に新しく建設する「暴徒の鱗」の宣伝にもなる上にちゃんと好美ちゃんに許可を貰ってますから(嘘です)。渚「そうかい・・・、だったら良いんだけどね。」 「守の車なのにどうして本人ではなく好美に許可取りをしようとしたのか」と聞かれなかったのが幸いだった中、俺自身は恋人達がどうしているのかが気になり始めた。 ロラーシュ大臣が店主になる(予定)の新店やもうすぐ開店できる様になるであろうランバルの飲食店の事を全てデカルトや渚に任せた(と言うより押し付けた)好美達は再び卒業旅行に戻る事にした、ダンラルタ王国の殆どを占める山の中の道を走りつつ2人は元の世界の事を懐かしみながら守が持参したUSBに入っていた音楽を楽しんでいた。守「これって俺達が大学に入学したばかりだった頃に流行った曲だったっけ?」 車内では丁度2人が「松龍」の前で出逢ったばかりの頃に流行っていた曲が流れていた、ただ先程まで馬鹿みたいに酒を吞みまくっていた好美がちゃんと思い出すかどうかが心配だったが・・・。好美「そうだね、確か守ってあの時揚げ物ばっかりの定食を食べてたんだっけ?」 どうやら心配は無用だった様だ、守の車の中で好美は呑んだ酒と同量の水をぐびぐびと煽った為に素面に近い状態に戻っていたのでしっかりと懐かしい思い出に浸っていた。守「そうそう、目の前にいた正や龍さん達がドン引きして

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」195

    -195 環境と共に変わった事- 周囲からの圧に押されて深くため息をついた渚は致し方なく『アイテムボックス』から「あれ」、そう、本人が「赤鬼」と呼ばれる所以となった愛車・エボⅢを引っ張り出した。でもよく考えてみればどうしてダルラン家の地下駐車場で大切に保管されているはずのエボⅢがまた『アイテムボックス』に入っているのかが不思議で仕方が無かった、この際だから聞くけどどういう事なんだ?渚「ああ・・・、実はね・・・。」 何だよ、言いづらい理由でもあんのかよ?まさか光達の家から追い出されたのか?渚「そんな訳無いじゃ無いか、あたしゃあの子の母親だよ?」 例えそうだとしても家主はナルリスであるし渚自身の素行を考えると十分あり得る話である、しかし本人からちゃんと理由を聞いておかないとずっと疑ったままになってしまう。渚「失礼だね、一時的に場所を空けておいて欲しいって言われただけなんだよ。ほら、そろそろ3国を跨いでのカフェラッテ・レースの時期だろう?」 ああ・・・、そう言えばそうか・・・。確か以前は光が3連単を当てて大儲けしてた様な気がするけどそれがどうしたってんだよ?渚「それがね、光が働いているパン屋の連中がチームを組んで出場しようってうるさく言い出したもんだからスーさんに協力を仰いであの子の車をレース用に改造するのに地下駐車場を利用しているって訳さ。元から私が拘っていじった車なのに酷い話だと思わないかい、すっかり蚊帳の外だから寂しくて仕方が無いよ。」 誰もが「そっちかよ」と言いたい場面であったが世の中で言う「覆水盆に返らず」、一先ず話を戻す事にしようか。渚「それで?私の愛車をどうするつもりなんだい?」 「どうする」って・・・、車は走らせてなんぼだぞ。当然、走って貰うんだよ。ただしボディに宣伝用のステッカーを貼ってだけどな、分かったら早くやれ。渚「何でだい、「暴徒の鱗」のステッカーだって貼っていないのに嫌なこったね。」 その時だ、眩しく輝く日光に照らされて赤色が映えていたスポーツカーの持ち主以上に抵抗する様子の「声」がそこら辺にいた全員の脳内に直接流れ込んで来た、この声は女性の様だ・・・。女性「あの・・・、前から言おうと思っていたんですが最近私の扱いが雑過ぎませんか?」渚「だ・・・、誰だい!!不審者でもいるのかい?!」 女性の声を聞いた数人が辺りを

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」57

    -57 神の失態と元々の目的- 数秒後、天空から大きな龍が降りて来た。美麗もこの世界ではごく普通の事なんだと思い、冷静な表情をしていた。まぁ、「一柱の神」が降りて来るのが普通の事とは言えないのだが。 話の流れから3人は降りてきた龍が『人化』する前にクォーツ・ラルーだとすぐに判断した、しかしクォーツ本人にとっては別の問題が発生している様だ。クォーツ「悪ぃな、喧嘩のシーンなんて出しちまってよ。いつもはあんなんじゃねぇんだ。」 クォーツは3人に気を遣っていた、ただ好美はクォーツに対して全く別の心配をしていたらしい。好美「クォーツ神様、今夜は仕事じゃないんですか?確か、週一で食べてる光さん

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」56

    -56 仕方なく取った手段- 守は幼馴染の言葉に耳を疑った、元の世界にいた時の記憶が脳内にはっきりと残っていたからだ。守「待てよ、美麗!!安正と婚約までしてたんじゃないのか?!確かさっきも安正と結婚できなくなったって嘆いていたじゃないか!!」 確かに松龍にいた頃に結婚を申し込んだのは美麗の方だった気がする、しかし美麗の方も引き下がる訳にはいかなかった。美麗「守君、かんちゃんと会えなかった間どれ位私が寂しい想いをしていたか分かって言ってんの?小学生の頃やかんちゃんが目の前からいなくなった頃に私が抱いた気持ち、守君には分かる訳?!」 確かに過去に美麗を襲った事実は1人の女の子が背負うに

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」55

    -55 元の世界からずっと引きずっていた恋心- デルアによる関西弁での突っ込みから数分後、美麗は注文した料理2品が到着したので炒飯を一口、すると・・・。美麗「これ・・・、まさか・・・。」 初めて食べたのに、何故か懐かしさを感じた美麗。好美「分かった?実はね・・・、この「ビル下店」の料理の一部は「松龍」の味を基に私が監修したのよ。」美麗「うん・・・、パパの味だ!!パパ・・・!!」 2度と味わえないと思っていた父親の作る炒飯の味に再会出来たが故に、嬉しさの余り泣き出してしまった美麗の肩に手を乗せながら杏仁豆腐を勧めた好美。好美「ほら・・・、これも試してみてよ。」 美麗は手渡された

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」53

    -53 驚いてばっかり- 美麗は新居を前にして目を輝かせていた、ずっと実家で住んでいたので密かに一人暮らしに憧れを持っていたのだ。美麗「好美、早く行こうよ!!」好美「さっきとは別人みたいになってんじゃん、もう・・・、腕を引っ張らないの!!」 新居になる部屋を前にして、大家である好美の手からカードキーが渡された。美麗「日本とは差が無いんだね、こりゃ助かるわ。」 部屋に入ると好美や守にとっては見慣れた光景が広がっていた、内線電話に出前用のタッチパネルがあるというすっかり当たり前となった光景。美麗「凄いね、ここに住んで良いの?」 初めてだらけの部屋を大層気に入ったのか、美麗は先程以

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