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2. 「最強になるために」㉛ 後日談

مؤلف: 佐行 院
last update تاريخ النشر: 2025-01-26 07:49:08
-㉛ 後日談・異世界へ-

 株主総会がおわり、義弘が逮捕されてから数年、貝塚財閥は本格的に社長となった結愛の理念の下で教育支援を中心とした事業に力を入れて信頼を取り戻していった。

 今となっては貝塚学園は雰囲気が明るく、部活動等が充実した有名進学校として有名となり当時の面影を全く残していない。

 副社長となった結愛の夫・光明が結愛にオリジナルの珈琲を淹れて渡した。

光明「ここも大分変ったよな、理想の学校として全国から憧れられる存在になっているから、お前もあれからもの凄い努力をしたんじゃないのか?」

結愛「何言ってんだよ、俺じゃなくて周りの人たちのお陰だろうが。」

 相変わらず結愛の口調は代表取締役社長に就任しても変わらない。

 そんな中、結愛は気がかりになっている事を思い出した。

結愛「光明・・・、例の件の調査は順調に進んでいるか?」

光明「あの件か・・・、状況は全く変わってない様だよ。」

 実は後々事実を知る事になるのだが、義弘が逮捕された翌日に義弘派閥の株主・重岡が保釈金を支払いすぐに釈放されてから行方不明になっているという噂が最近になって結愛の耳に入り、同じ株主である宝
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  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」345

    -345 経費の行方- いつの間にか光の座るテーブルで呑み食いを再開させていた好美の姿を見て拳を握りながら明らかにイラついているのが見て取れる結愛、この後の状況が怖くなりそうな気がしてならないのは自分だけだろうかと思う俺をよそに好美は口をもごもごさせながら平然と話を進めていた。因みに右手にはおつまみの卓上キムチ、そして左手にはマッコリを握っていたのでもう仕事の話をまともにする気などさらさら無い事が見て取れる。好美(当時)「貝塚運送(結愛の所)って最近大型と小型の冷蔵車を導入したって言ってたよね、それって使えないの?」結愛(当時)「全く・・・、何処でそれを聞いたんだよ・・・。確かにそうだけどさ、お前顔が赤い上に口に入ってるものを飲み込んでから言えよな。何処からどう見ても女を捨てた様にしか見えんぞ。」好美(当時)「何でよ・・・、結愛には言われたくないもん。」 誰か、コイツに「1度自分の姿を鏡で見てみろ」と言ってはくれないでしょうかね・・・。結愛(当時)「誰が捨てたってんだよ!!俺は何時でも自分が女である事を忘れない様にしてんだぞ!!」 あの・・・、すみませんけどヒートアップしている場合じゃないと思うんですが?結愛(当時)「コイツが冷静に対処している事が癪に障るが仕方がねぇ、それで俺達にどうしろと?」好美(当時)「だからね、さっき言ってた冷蔵車でバハラさんの白菜やヤエルさんのキムチを運んでくれれば良い訳よ。勿論お金は払うから頼むよ。」結愛(当時)「当然だ、こっちはボランティアでやってるつもりは無いんだからな。」好美(当時)「流石は経営者の鑑だね、尊敬しちゃう。」結愛(当時)「馬鹿・・・、そんなに褒めても何も出ねぇぞ?運送料2割引きが限界だ。」好美(当時)「やりぃ・・・、その言葉を待ってたの。」結愛(当時)「げぇっ・・・、これが本音(狙い)だったか・・・!!」 何となく結愛のチョロさが垣間見えた所で商談に戻る好美達、2人だけで盛り上がるのは良いが龍(ドラゴン)達がいる事を決して忘れるなよな。好美(当時)「一応大型の冷蔵車でバハラさんの畑で採れた白菜の内4割を「ビル下店(私の店)」に、そして別の4割をヤエルさんの家まで運んで欲しいのよ。それで出来上がったキムチの1部を小型でここに運び直して欲しい訳、勿論ヤエルさん自身が作ったキムチを小型で運ん

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」344

    -344 お久しぶりです・・・- 必死の形相で相手を何とか説得しようとする好美の表情を見ていた女将と新・副店長は何となくだが本当に今回の商談が破談になってしまいそうで不安な気持ちになっていた、せめて発起人(言い出しっぺ)としての責任位は果たしてもらわないと困るのは誰だって同じだ。ヤエル(当時)「あのさ・・・、一体さっきから誰と話しているんだい。何となく聞き覚えのある声が『念話』で流れてきているけどこれから一緒に仕事をしていく訳なんだからちゃんと紹介してくれなきゃ困るじゃないか。」 正しくその通りだ、業務提携を結ぶ相手はやはり信頼出来る者でなければならない。せめて相手の顔や名前くらいは知っておきたいのと思うのが性であろうか。好美(当時)「ごめんごめん、ちゃんと2人に説明しておかずに話を進めるのは良くないもんね。」 すると所用で偶然近くにいた『念話』の相手であるあの女性から助け船が・・・、正直登場するのいつ振りだよ。女性(念話)「俺だって暇じゃ無いんだが・・・、まぁ良い。今からそっちに行って顔合わせしておくわ。」 あれ?この声って・・・、まさか「あのお騒がせ社長」か?女性(当時)「誰が「お騒がせ社長」だ、誰が・・・!!」 あらま、これはこれは貝塚結愛代表取締役社長様ではないですか。ご機嫌麗しゅう。結愛(当時)「わざとらしいんだよ、さっきのあんたの発言を聞き逃した訳じゃねぇんだからな!!」 気の所為ですよ、優秀な貝塚社長に向かってそんな事言える訳ないじゃないですか。結愛(当時)「全く・・・、そう言っていつも調子に乗りやがって・・・。まぁコイツの性格がどう頑張っても治りそうにないのは今に始まった事じゃねぇからぶつくさ言っても話が進まないだけか・・・、それで好美は俺にどうしろってんだよ。」好美(当時)「貝塚運送と業務提携を結んでバハラさんの白菜とヤエルさんのキムチを運んで貰おうと思ってたんだけど・・・、「引越しで忙しい」って美麗(メイリー)がまともに相手してくれなくてさ。」 龍(ドラゴン)達は初めて聞く名前に正直チンプンカンプンとなっていた、貝塚財閥は聞いた事あるけど「貝塚運送」って何?自分達と同じ世界の名前っぽいけど「美麗」って誰?結愛(当時)「そう言えば今日は1日ずっと引越しの予約が入っていて全従業員が出払っているので対応が出来ないから代わ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」343

    -343 この話上手く行くの?- どんどんと商談が進んで行く中でバハラたちは重要な要件を話す必要があるという事を思い出した、正直言って今回の件を発案した好美がそこまで考えているように思えない。バハラ(当時)「好美ちゃん、ちょっと良いかい?」好美(当時)「少しの間なら別に良いけどちょっと待ってくれる?」 発起人の両手には相も変わらず出走表と赤ペンが、正直言って同じ転生者である光に助けを求めたいが泥酔しているが故に誰の言葉もまともに聞いてくれそうにない。 致し方無く2人は好美が次のレースの舟券を購入し終わるのを待つ事に、それから数分後やっとテーブルにオーナーが戻ってきた。好美(当時)「どうしたの?重要な事?」 2人が話している事はこれから如何に業務提携を結ぶかという事を左右する重要な案件である、下手すればこの店と「暴徒の鱗 ビル下店」だけで済む話では無くなって来た可能性が高い。ヤエル(当時)「私達が業務提携を行ったとして、配送方法はどうするんだい?」 確かにそうだ、実際女将はこの競艇場にてテナント販売を行っているだけで別に店舗を持っている訳では無い。バハラ(当時)「まさかと思うけど、私が直接取りに来るのかい?」ヤエル(当時)「若しくは私が直接店に持って来いと?」 やめておいた方が良いのは一目瞭然だ、先程もそうであった様に混沌龍(バハラ)がこの場に来るだけで周囲が騒然としてしまう上に巨大な魚龍(バハムート)であるヤエルが持って来るとすると街の中心地に入れるかどうかが分からない(勿論現在の様に『人化』している場合を除くが)。好美(当時)「あまりにもリスクが高いね・・・、じゃあ私が直接ここに取りに来ようか?」ヤエル(当時)「馬鹿言ってんじゃないよ、ここではある程度以上の魔力が制限されているんだよ?入る事すら出来ないんじゃないの?」 以前光が超高額万舟券を獲得して黒毛和牛を一頭買いした時に話したが、この競艇場一帯には特殊な魔力(『魔術阻害』と思われる)が広がっており能力や魔法が制限されているので『瞬間移動』でこの場に入る事は出来ない。好美(当時)「じゃあさ・・・、ヤエルさんの家に作ったキムチを私が直接取りに来るのは?」バハラ(当時)「好美ちゃん、夜勤族なのに出来るのかい?さっき聞いた話だけど昼過ぎに一旦この店を離れたヤエルがキムチの仕込みを終

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」342

    -342 熱意- 結局レース結果は「1-2-4」で確定した、どうやら軍配が魚龍(ヤエル)の方に上がった様なのでずっと競争水面を見つめていた好美は愕然としていた。確かに気持ちは分からんでも無いがそのままずっと有名人(いや「有名龍」と呼ぶべきか)を待たせるのは良くないと思う、さっきも皆が言っていたが忙しい中で来てくれているので一刻も早く話を進めるべきでは無いだろうか。バハラ(当時)「あんたも偶には良い事言うじゃないか、ちょっとは見直したよ。」 あらあら、私めなんかにそこまで嬉しい事を仰って下さるとはね・・・。正直言って勿体ないお言葉です・・・、はい・・・。ヤエル(当時)「一先ずだ、好美ちゃんはまだ復活しそうにない上に光ちゃんが食べまくってくれているお陰で即席キムチを作らないといけなくなってきているからついでに作り方を教えるよ。バハラ、良かったら厨房に来てくれるかい?」 バハラは首を縦に振り頷くとヤエルに導かれて厨房へと入って行った、女将は浅漬けを作る容器に白菜や胡瓜を詰め込んで唐辛子の粉を中心とした調味料を入れた後に上から押し付ける様に蓋をする(勿論家庭用の小さな容器で作るとすぐに無くなってしまいそうなので大き目の物を用意している)。ヤエル(当時)「本来だったら2週間ほど漬け込んだ物を提供したいんだけど今回の様になっても良い様にこういった作り方をも覚えておくのも手の1つだ、勿論後で私流のキムチの作り方を教えるからお店でやってみておくれ。」 ヤエルの言葉を聞きながら入念にメモを取るバハラ、「良い事はどんどん吸収していこう」という気持ちが滲み出ている(良い事良い事)。 バハラが自らの目で見たままにイラストを交えながら書いていく中、ヤエルは漬け込みをし始めた容器を魔力保冷庫(冷蔵庫)へと入れて行った。どうやらこの店に設置されている物も「暴徒の鱗 ビル下店」や好美の自宅にある物と同じで『アイテムボックス』と同様の機能が備わっている様なので食料が無限に入る上に保存がよくきくらしい、やはり飲食店を経営している者にとっては喉から手が出る位に憧れる物の様だ。ヤエル(当時)「この中で数時間程漬け込んだら完成だ、店に置いてあるキムチに多少の余裕があるうちに用意が出来て良かったよ。」 ランチのピークタイムを終えて少しずつ客数が少なくなってきているので数個の壺に今あるキム

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」341

    -341 呆れた- 投票締め切りから数分後、6艇がスタート位置に出揃いレースが始まろうとしていた。好美は固唾を飲んで見守っていた、こうなると誰の言葉も耳に入らないので正直呆れて物も言えなくなってしまう。因みにスタート位置は展示の時から少し変わっているらしく、好美の顔が蒼白していくのが目に見えていた。まだレースは始まってもいないのに不安になり過ぎでは無いかと思ってしまうが、今は何も言わずに見守るべきなのかも知れないからそのまま話を進める事にするかね。バハラ(当時)「ヤエル、本当に良いのかい?こんなに美味いキムチを作る為に絶対教えたくない秘密があるんじゃないのかい?」ヤエル(当時)「いや、秘密って程の事でもないから気にしないでおくれよ。それより私はあんたと久々に会えたのが嬉しいのさ、出来る事があるなら何でも言っておくれ。」 国王がそうであるからか、どうやらこの世界の住民達は皆心が広い様だ。争いが起こる様な環境では無いと再確認出来て俺は少しホッとして・・・、いたかった。そう言えばレースの方はどうなっているんだろうか、まぁ俺が気にする事でもないか。好美(当時)「3だよ・・・、3が行くの!!」 固唾を飲みながら1周目1マークの旋回を見守る好美、正直言ってボートレースはここで勝負が殆ど決まると思って良いだろうと俺個人は思っている。 因みにスタート展示の結果等を反省したのか、好美の予想に反して1号艇と2号艇がほぼほぼ同時にトップスタートを決めていた。多分このまま冷静にターンして逃げ切ると女将の言った通りとなる模様だ、本当は裏で予想屋さんでもしてんじゃねぇの?好美(当時)「大丈夫大丈夫ぅ~。3号艇は今期、3コースからの1着経験があるって出走表に書いてあったもん。」 どれどれ・・・、赤ペンで塗りつぶしまくった出走表には確かにそう書いてあるがそれはスタートが良かったからじゃ無かったのか?好美(当時)「3号艇は実力持ちだもん、大丈夫だもん!!」 おいおい、何で涙目なんだ・・・。勝っても負けてもあんたの口座にはまだ神(ビクター)から与えられた金がたんまり残っているはずだしマンションの家賃を中心とした収入が毎月わんさかと入っているんだから心配する必要は無いだろ、何でそんなに必死になるんだよ。好美(当時)「泡銭を稼いでたらふく酒を呑む、それ一択しか無いっしょ!!」 

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」340

    -340 拘りって一体- 新しい副店長(予定)をそっちのけにしながら必死になってマークシートに予想を記入した「暴徒の鱗 ビル下店」オーナー・倉下好美、「別にSGとかでもないただの一般レースだし携帯のアプリで買えば良いんじゃねぇの?」と個人的に思ってしまうのは何となく俺だけであって欲しい。バハラ(当時)「もう・・・、気は済んだかい?息を切らしながらする程の事でもないと思うんだけどね?」ヤエル(当時)「そうだよ、あんたより時間が無いのはどちらかと言えばバハラの方じゃないのかい?それにこう言っちゃ悪いけどこのレースは内枠3艇が逃げるはずだから多分堅いよ?」バハラ(当時)「忙しいのに急に呼び出されて待たされるのは私じゃなくても誰だって嫌って事が分からないかい、それにここで働きながらでもレースを見続けているヤエルが言う程なんだから人気通りの決着になるかもだろ。」 周りから見ればそう見えるのかも知れない、しかし好美個人には必死になる理由があった様だ(※因みにですがこちらのヤエルさんは料理屋の女将さんであり決して予想屋さんではありませんので勘違いしない様に)。好美(当時)「そんな事無いもん、絶対このレース荒れるもん!!」ヤエル(当時)「もう・・・、こりゃムキになっちゃう悪いパターンだよ。それで「業務提携(さっき言ってたやつ)」はどう言う事なんだい?」 投票締め切りから数分の間はまだレースが始まらないのでその間に説明してしまおうという好美、こう言っちゃなんだが大切な事は焦ってはいけないと思うのだが聞こえている訳無いか。好美(当時)「バハラさん、確か家の畑って白菜も作っていたよね?」 やっと本題を話し出したか・・・、いつ話が進むかヒヤヒヤしてたんだよな・・・。バハラ(当時)「勿論さ、もうすぐ鍋料理が人気になる時期だからね。それに向けて栽培をしているけど、それがどうしたんだい?」 結愛が暑そうに見える長袖をよく着用している様に年中比較的温暖なこの世界でも少しヒンヤリとして鍋が恋しくなる時期がやって来る、特に夜に至っては日中との寒暖差が半端ではない事も事実と言えるだろう(まぁよく言う砂漠地帯みたいなもんだな、でもそれってバルファイ王国か・・・)。好美(当時)「それの一部を使ったキムチをうちで販売出来ないかなと思ってさ、それとヤエルさんのキムチも併せて販売させて

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   5. 「あの日の僕ら」㊺

    -㊺ 覚悟への感謝- 守の言葉に涙した我原は今月のバイト代に少しばかりだが色を付けておくことにした、その上での質問なのだが・・・。我原「当日休みあげた方が良いよね、何処か行く予定なの?」守「20時に予約を入れてディナーに行く予定なんです。」我原「良いじゃないか、結構頑張っているって事は相当高級ディナーって事じゃないのか?」守「そうですね、1人8000円なんで今から頑張らないとです。」 守が口にしたとんでもない値段に驚いた我原は守のバイト代に20000円程付け足す事を心に誓った、良い話を聞かせて貰ったお礼という事にしておいた様だ。店員(電話)「では12月24日当日、20時でお待ち

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   5. 「あの日の僕ら」㊹

    -㊹ 聖なる日に向けて- 平和なままに数か月が経過してクリスマスまで後1ヶ月となったある日、最近守がバイトのシフトを増やしていたので余り恋人同士のちゃんとした時間が取れていなかった2人は好美の部屋で久々にランチを食べていた。 ゆっくりとした時間が流れ、好美が大量のチキンを馬鹿食いする中で守が切り出した。守「好美ってさ、何か苦手な食い物とかある?」好美「唐突だね、急にどうしたの?」 好美は最後のお楽しみに取ってあった大きなチキンを手で掴んだまま聞き返した。 話は数日前のある水曜日に遡る、相も変わらず松龍で正とランチを楽しんでいる時にいつも通りこの時間帯に働いている好美の目を盗んで龍

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   5. 「あの日の僕ら」㊸

    -㊸ 真実の照明- 何かを決意したかの様に拳を握りながら美恵からの質問に答えた裕孝、その横で香奈子がぽかんとした表情をしていた。美恵「あらま・・・。」 数秒程静寂が続いた。裕孝(小声)「い・・・、言っちまった・・・。」 裕孝は口が震えていた、そして開いた口が塞がらなかった。空気を読んだ美恵はそそくさと荷物を纏め始めた。美恵「あ、2人共ありがとね。もう大丈夫だから・・・、ごゆっくり!!」 逃げる様にして一番近くのパトカーに乗り込んだ美恵、そして2人は現場からの帰路に着いた。 裕孝の一歩後ろを歩く香奈子、ただ歩く速度は香奈子に合わせる様にしていた。 裕孝は香奈子に嫌われたのでは

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    -㊷ きっかけはひったくり- 3人が徳島で呑み食いしまくっていた間、貢 裕孝と山板香奈子はお盆休みを各々を好きに過ごしていた、その間も裕孝の心の何処かには香奈子という大きな存在がいた。 松龍での呑みの後、ちょこちょこ連絡を取る様になっていた2人は互いを「かなちゃん」、そして「ひろ君」と呼ぶようになっていた(※ここからは貢の事を裕孝と表記します)。 日々を過ごす中で裕孝はいつも携帯を手にし、「かなちゃん何してんだろ、連絡してもいいかな」という思いに更けていた。実は香奈子も同じ気持ちでいた。 一回一緒に吞んだだけなのにすっかりその気になっていた裕孝は、気を紛らわす為に近所のボードウォーク

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