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6. 「あの日の僕ら2」㊳

Author: 佐行 院
last update Last Updated: 2025-11-24 09:51:23

-㊳ 怒りの取り調べ-

 警視総監がある男性の写真を見せた時の犯人の反応は正直言って薄かった、あまり印象に残っていなかったのだろうか。

悟「確か・・・、そうだ。工場見学に来た五味光明さんだよ!!」

龍太郎「そうだな、でも本当にそれだけか?」

悟「どういう意味だよ。」

 龍太郎は悟が自分の工場を支える親会社の事をちゃんと把握しているか改めて把握したかったのだ。

龍太郎「仕方のない奴だな・・・、お前は親会社の社長夫婦の事を忘れたってのか?」

悟「忘れている訳が無いだろう、貝塚結愛社長と貝塚光あ・・・、あ!!」

龍太郎「そうだよ、お前の工場の見学に行ったのは副社長の貝塚光明さんだ。お前には言ってなかったが工場見学に紛れて隠しカメラを仕掛けて貰っていたんだ。」

悟「何だって?!どうしてただの中華料理屋の龍さんがそんな事を!!」

 龍太郎は警察手帳を取り出した、「警視総監 松戸龍太郎」と書いてある。

龍太郎「これで分かっただろう、俺が今ここにいる理由が。」

悟「十分だ、それで何が聞きたい?」

龍太郎「レンタカー屋からの盗まれた車で犯行が行われた暴走車事件の時、お前は何処にいた?」

悟「職場だよ、取引先の方と仕事の話をしていたんだ。」

龍太郎「本当か?」

悟「な・・・、何だよ。」

 龍太郎は光明が工場長室に仕掛けていた隠しカメラの映像を出した。

悟「これは何だよ、俺は知らねぇぞ!!」

龍太郎「それもそうだな、副工場長の島木さんしか知らない事だったんだからな。」

悟「島木め・・・、後で覚えていやがれ、とっちめてやる・・・。」

龍太郎「それはどうかな?」

悟「何だって?!」

龍太郎「まぁ、見てみろって。」

 龍太郎は映像を少し早送りした、そこには悟と茂手木の2人が映っていた。悟が両手に重箱を抱えていた。

悟「ほら、取引先の人と話していただろうが。」

龍太郎「取引先との会話で重箱なんて必要なのか?」

悟「誰だって腹が減るだろうがよ。」

龍太郎「時計を見てみろ、運動会でも花見でも無いのにあんながっつりとした弁当を食う奴がいるか?」

悟「食いしん坊だったんだよ、俺も茂手木さんも。」

龍太郎「お前今、「茂手木」って言ったな?」

悟「な・・・、何だよ・・・。」

 龍太郎は悟の言葉を聞き逃さなかった、そして街中に設置された監視カメラやオービスの映像を出した。

龍太郎「お前は警察の人間の目が暴
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