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5. 「あの日の僕ら」76

Author: 佐行 院
last update publish date: 2025-10-20 08:40:13

-76 気遣いの甘味と小皿-

 香奈子の目的は改めて友人から従姉妹になった好美を含めた親戚一同に挨拶をする事、そして佳代子から密かに聞いていた「美恵」という人物に会う事だった。腹違いの姉だと分かった文香が美恵と先輩後輩の関係で本当に助かっていた。

 美恵は自分の姉である佳代子は昔、地域一のおてんば娘で病気知らずな人だったと語っていたのだが、香奈子から佳代子が白血病で入院していると聞くと好美と一緒に開いた口が塞がらないでいた。

美恵「本当にあの佳代子姉ちゃんがこっちで入院してるってのかい?」

香奈子「はい、担当医師の方によると半年もつかどうかとの事でして・・・。」

好美「昔徳島で会った時は毎日の様にそこら辺を走り回っていたのに?」

香奈子「昔の事は全然知らないけど、父さんがすっかり瘦せ細っちゃったって言ってた。」

美恵「今度お見舞いに行って良いか・・・、いや、良いわ。」

 美恵が佳代子のお見舞いに対して少し抵抗をしていたので香奈子は母から聞いた過去の事を思い出した、香奈子の傍らでは文香がお手洗いへと向かっていた。

佳代子「母さんには今こっちの方で刑事をしている美恵っていう妹がいるんだけ
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    -195 環境と共に変わった事- 周囲からの圧に押されて深くため息をついた渚は致し方なく『アイテムボックス』から「あれ」、そう、本人が「赤鬼」と呼ばれる所以となった愛車・エボⅢを引っ張り出した。でもよく考えてみればどうしてダルラン家の地下駐車場で大切に保管されているはずのエボⅢがまた『アイテムボックス』に入っているのかが不思議で仕方が無かった、この際だから聞くけどどういう事なんだ?渚「ああ・・・、実はね・・・。」 何だよ、言いづらい理由でもあんのかよ?まさか光達の家から追い出されたのか?渚「そんな訳無いじゃ無いか、あたしゃあの子の母親だよ?」 例えそうだとしても家主はナルリスであるし渚自身の素行を考えると十分あり得る話である、しかし本人からちゃんと理由を聞いておかないとずっと疑ったままになってしまう。渚「失礼だね、一時的に場所を空けておいて欲しいって言われただけなんだよ。ほら、そろそろ3国を跨いでのカフェラッテ・レースの時期だろう?」 ああ・・・、そう言えばそうか・・・。確か以前は光が3連単を当てて大儲けしてた様な気がするけどそれがどうしたってんだよ?渚「それがね、光が働いているパン屋の連中がチームを組んで出場しようってうるさく言い出したもんだからスーさんに協力を仰いであの子の車をレース用に改造するのに地下駐車場を利用しているって訳さ。元から私が拘っていじった車なのに酷い話だと思わないかい、すっかり蚊帳の外だから寂しくて仕方が無いよ。」 誰もが「そっちかよ」と言いたい場面であったが世の中で言う「覆水盆に返らず」、一先ず話を戻す事にしようか。渚「それで?私の愛車をどうするつもりなんだい?」 「どうする」って・・・、車は走らせてなんぼだぞ。当然、走って貰うんだよ。ただしボディに宣伝用のステッカーを貼ってだけどな、分かったら早くやれ。渚「何でだい、「暴徒の鱗」のステッカーだって貼っていないのに嫌なこったね。」 その時だ、眩しく輝く日光に照らされて赤色が映えていたスポーツカーの持ち主以上に抵抗する様子の「声」がそこら辺にいた全員の脳内に直接流れ込んで来た、この声は女性の様だ・・・。女性「あの・・・、前から言おうと思っていたんですが最近私の扱いが雑過ぎませんか?」渚「だ・・・、誰だい!!不審者でもいるのかい?!」 女性の声を聞いた数人が辺りを

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