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7. 「異世界ほのぼの日記3」105

Auteur: 佐行 院
last update Date de publication: 2026-03-14 07:57:31

-105 特別編⑤・嬉しかったはずなのにあれは夢だったのか-

 看護師が用を済ませて病室を出てから数秒後、女性が意気揚々とした様子で病室に戻ってきた。手に提げたレジ袋の中には大きなプリンが2つと紙皿。

男性「すみません、会ってそんなに経っても無い方に図々しい事を押し付けてしまって。」

女性「良いですよ、私放っておけない性格なんで。」

 そう言いながらベッドの上のテーブルに紙皿を2つ並べる女性、まるで誕生日パーティーでも始める準備をしている様だった。

男性「何か・・・、豪華ですね。」

女性「良いじゃないですか、雰囲気だけでも楽しんだって。」

 大きくてシンプルなプリンを挟んで互いの方を向き合う2人、壁に立てかけられた時計の音からただただゆっくりとした時間が流れて行くのを感じていた。

女性「ふふふっ・・・。」

 何処か不敵な笑みを浮かべる女性。

男性「何となくですけど、嬉しそうですね。」

女性「分かります?私甘い物には弱い者でして。」

 やはりスイーツが嫌いな女性はいない、飽くまで男性の持論なのだが。

男性「蝋燭でも立てましょうか・・・、あったかな・・・。」

女性「何ですかそれ、誕生日か
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  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」385

    -385 侮れない- 俺自身は咄嗟に出た冗談だと思っていたのだが、デルアが「ビル下店」の調理場で1人頭痛薬と胃薬を服用する一方で「C’ s キッチン」のホールでは「朝ごはん」と称してダンピール(ガルナス)達が相も変わらず飯を貪っていた。 上級人魚(ピューア)は先程からずっと女子高生達の方を見て「2人共遅刻するのではないか」と心配している一方で、「まぁ『瞬間移動』でも使えば何とかなるか」と言う気持ちも芽生え始めていたので正直「どうにでもなれ」とやけくそ気味になっていたのも否定はできない。 ただ元黒竜将軍(デルア)との『念話』でも言った通り、業務用の炊飯窯一杯に用意していた特製の炊き込みご飯が今にも無くなろうとしていたので「このままでは商売にならないのではいか」とピューア自身は危惧していた様だ。ピューア「お・・・、お父さん・・・。どうしたら良いのかな、炊き込みご飯が無くなっちゃうよ。」 白米と違ってだし汁や刻んだ野菜と油揚げといった具材を用意するという手間が必要となる為に開店前からバクバクと食われてしまうと正直言って困ってしまう、しかし長女から報告を受けた父親は至って冷静であった。一先ず次女たちが未だに食事を続ける現場から少し離れた場所へとニクシーを連れて行って一言・・・。メラルーク「ピュー、今更何言ってんだよ。あの2人(いや今回は3人か)が釜の飯を平らげちまうだなんて日常茶飯事じゃねぇか、「まずい」と思うのはコンロの隣を見てからにしてくれないか?あ、今のはくれぐれもメラ達には内緒な。」 ピューアがメラルークの指差した方向を見てみるとその先には一回り大きな炊飯窯が鎮座していた、よく見ればもう既に点火されている。メラルーク「こういう事もあろうかといつも別々に作ってんだよ、ただメラ達にあの釜の存在を知られる訳にいかないから1つしか無い様に見せかけていたんだ。騙すような事して申し訳ない、この通りだ。」 深々と頭を下げるマーマンの目の前でニクシーは開いた口が塞がらない様子でいた、どちらかと言えば「怒っている」というよりそれを通り越して「呆れてしまっている」という方が正しいのかもしれない。ピューア「そりゃあメラ達にお腹いっぱい食べさせてあげたいって言うお父さんなりの気遣いなんだとは思うんだけどね・・・、私嫌な予感がするのよ・・・。」メラルーク「「嫌な予感」

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」384

    -384 図々しいにも程がある- 時計は午前7:35を示していた、メラとガルナスが好美のマンション下の乗り場から乗る貝塚学園魔学校行きの学園バスは出発が7:50なのでここでゆっくりと食事をしている暇がある訳がないと思ってはいたんだが・・・。ピューア「2人共、どう見てもまだ制服を着ていないじゃない。そんなにのんびりとしていて良い訳?!」 何処からどう見ても女子高生2人はまだ寝る時の格好のままだった、このままでは例え間に合ったとしても恥をさらしてしまうのが見え見えだ。メラ「大丈夫だって!!よく言うでしょ、「朝ごはんは1日のスタートだからちゃんと食べなさい」って。」ピューア「そりゃあ私だって中学・高校生の頃はよく言われてたけど授業の準備を整えてから食べる様にしていたの、もしかしてこれってあんたの影響な訳?」 もしかしなくてもそうである、ニクシーがふと好美の方を見てみると夜勤明けでよっぽどお腹が空いていたのか4回目のお代わりをよそおうとしていた様だ。好美「私(ははひ)、何も悪くないもん(はひほはふふはいほん)。」ピューア「はいはい、何となく言いたい事は分かるけど食べるか喋るかどっちかにすれば?」 呆れ顔をしていたピューアの言う通りにした好美、ただどうやら別の方向に持って行ったらしく・・・。ピューア「あ・・・、食べる方にしたのね。素直で良いんだけど仕方のない子なんだから。」 改めて言う事でも無いが、夜勤の休憩中に好美はいつも通りデルアの作った弁当をたらふく食べていた。因みにだが今日は調理師を目指すヌラルがバイト中に練習をしていて作り過ぎたという餃子や焼売、そして春巻きが入っていた様なのだが・・・。デルア(念話)「好美ちゃん・・・、弁当結構な量だったはずだけどまだ食べてんの?」 店の事で相談を持ち掛けようとオーナーの事を『探知』していた「ビル下店」の新店長が呆れ顔で『念話』を飛ばして来た、因みに混沌龍(ヌラル)が「作り過ぎた」というレベルを超えた点心の量は半端では無かった様で・・・。デルア(念話)「食べた本人だから分かると思うけど、あれ何人前だと思ってんの。暫くの間何も食べていなくても大丈夫と思っていたのにな・・・。」 どうやって詰めたのかを知りたいのだが、(一応)おかずとして入っていた3種類は各々15人前だったらしいのでどう考えても「弁当」とい

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    -383 欲と要望に身を任せ- 多種多様の住民が住んでいるこの世界で皆が老若男女問わず1つの料理を同様に楽しむのはやはり難しい事なのかも知れない、しかしメラルークは「相手に合わせる」事でそれを実現しようとしていた。 ただトンカツ1つと言っても熱々でサクサクのまま食べたい住民だって、そして卵でとじたカツ丼として食べたい住民だっているはずだ。 流石にすべてのリクエストに100%応えるのは誰にだって不可能、「全知全能の神」であるビクター・ラルーだってミスをするから十分あり得る話だと言える。ピューア「そう言えばお父さんって、毎回必ず数種類の釜でご飯を炊いているよね?」メラルーク「ああ、やはり米も「硬め」「普通」そして「やわらかめ」を用意する様にしているんだ。皆が気兼ねなく楽しめる様にするにはそれなりの配慮が必要だからな。」 メラルークは各々の硬さに応じて米の品種や配合、そして炊飯に使用する水も自分の舌で選んでいるという拘り様だった。そこまで選び抜いていたはずだというのに貝塚財閥(結愛)が開発中の米に統一して大丈夫なのだろうか・・・、と思っていたらやはり侮れない所があるらしい。ピューア「ねぇ・・・、お米って炊いただけでこんな味になるっけ?」 よくよく考えてみればピューアは寿司屋で働いていた元板前だ、米に関しては熟知していると言っても過言では無い。メラルーク「やはりお前の舌は騙せないな、炊飯に使用する水に出汁を入れているんだ。風味が良いだろ、米だけで食が進む位のものを用意するのが俺の決め事なんだ。」ピューア「でもさ・・・、うちって豚カツがメインだよね?」メラルーク「勿論豚カツの味を邪魔しない程度にだ、しかし皆が好きな物を俺も好きになって悪い訳が無いだろう?」 当然の事だ、人の好みを否定して良いなんて事はある訳が無い。ピューア「ただね、米の硬さだけなら釜は3種類で十分じゃないの?」メラルーク「うん・・・、そうなんだが・・・。」 メラルーク本人にはまだ拘っている点がある様なのだが、米に拘り過ぎて豚カツの事を蔑ろにしているのではないかと勘違いしてしまう。そんな事を考えていたらやけに食欲を誘う良い香りが・・・、そして炊飯完了を告げるブザーが・・・。ピューア「この香り・・・、もしかして炊き込みご飯?!」メラルーク「そうだ、お前も好きだっただろう?」ピ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」382

    -382 必要・・・?- 重役を数人も集めてまで話し合う様な物でも無い議題に副社長と上級人魚(ニクシー)が大声でツッコミを入れる中、結愛は何食わぬ顔で会議を進め始めた。本当に議題は「学園の生徒達が来月行くバス遠足の目的地」らしいのだが・・・。光明「おいおい結愛、遠足の目的地は毎回各クラスが希望を出して多数決で決めるってのがルールだっただろ?何で俺達が話し合う必要があるんだよ。」 ごもっともな意見だと思うが今聞くべきなのは別の事では無いかとも思ってしまう。ピューア「ねぇ・・・、その議題だったらアンケートを集める必要無かったんじゃない?」 そうそう、それそれ。結愛「そうなんだけどさ、アンケートだってまずは結果を集計しないと会議の資料にしづらいだろう。一先ず『アイテムボックス』で持ち帰って集計するから、決してゴミにはしないし勿論個人情報も保護するから大丈夫だって。」 「勿論」というより「当然」と言う言葉がピッタリでは無かろうかと思うが今は触れない方が良いのかも知れない、ただ今更だがどうして重役が集まって遠足の目的地を決める必要があるのだろうか。光明「おいおい、俺の事は無視か?」結愛「んな訳ねぇだろ、俺だって人なんだから一度に何個も何個も答えることが出来ないって分かるだろ?」光明「でもさ、俺が先に質問したはずだぜ?」結愛「落ち着かせる時間位くれよ、急ぎの用事でもあるってのか?」 ヤバい・・・、この2人の事だからこのままだと喧嘩になりかねない。光明「あのな・・・、忘れたとは言わせねぇぞ!!お前が「今日ネトゲの新しいクエストが配信されるから先回りして見ておいてくれ」って言って来たんだろうが!!」 おいおい・・・、こう言っちゃなんだが理由が超下らねぇな・・・。結愛「そうだよ!!忘れてたよ!!お前何でここにいるんだよ!!」光明「お前が全員を呼び出したんだろうがよ!!」 お2人さんすみません・・・、公衆の面前で恥ずかしく無いんですかね?ほら、ちょっと深呼吸して周りを見ましょうよ。結愛・光明「・・・、やっちった・・・。」 2人の様子を見た重役達はこうなる事を予想していたのか、すっかり呆れ顔になっていた。重役①「はぁ・・・。社長、そして副社長?話し合いは終わりましたかね・・・?」結愛「は・・・、はい・・・。すみません・・・。」 恥ずかしくて仕

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」381

    -381 本当に良いのか?- これも改めて言う事では無いはずなのだが結愛が仕事をほったらかして酒を吞んでいる場面に突如怒り心頭の光明が『念話』を飛ばして来るという事は・・・、お前またか?光明(念話)「そうだよ・・・、突然重役会議を抜け出したままなかなか帰って来ないから「まさか」と思ったけどやっぱり『瞬間移動』して酒を呑んでいたとはな。」 結愛さん、旦那さんはそう仰っていますが反論はあります?結愛(念話)「あのな・・・、俺はいつも言っているはずなんだよ?「俺無しでも重役会議位回せないと駄目じゃねぇか」って、ちったあ副社長らしい事をして欲しいもんだぜ。」 結愛自身の言葉の聞こえは良いのかもしれない、しかし言い換えてしまうと「重役会議なんて決して出たくない」と言っている様にも聞こえてしまう。光明(念話)「頼むよ、お前がいないと他の重役や社員達に示しがつかないだろ?代表取締役社長が毎回毎回会議をすっぽかす会社が何処にあるんだよ。」 どうやら今まで以上に教育支援に力を入れている大企業を引っ張る立派な社長になった今でも「面倒くさい事は嫌い」だという性格は変わらないらしい、全く誰に似たんだか・・・。結愛(念話)「うっせぇよ、俺は俺だ!!誰かの性格をそのまま模写した様な人間じゃねぇっつうの!!」 あ・・・、そっすか・・・。それは良いんですけど光明さん、今回はどの様な会議だったんですか?光明(念話)「「どの様な」って言われても今回の会議を言い出したのは結愛自身なんだよな・・・、多分米の開発事業についてだと思うんだけど。当の本人が会議室にいないと意味が無い気がするんだがこれじゃぁな・・・、重役全員集まっているのにどうするつもりなんだよ。」結愛(念話)「お・・・、俺はモニタリングに協力してもらっているこのお店で集めて貰ったアンケートの結果を基に会議を進めて行こうと思って回収しに来ただけだったんだよ。俺だってちゃんと会社の事を考えているんだって、分かってくれよ!!」 何処からどう見ても結愛が手に持っているのはアンケート用紙ではなく一升瓶、勿論日本酒は今回の会議における参考資料に全くならない。光明(念話)「お前な、顔を赤くして会議に出る会社の社長が何処にいるんだよ。」 呆れ顔の旦那の台詞をどうやって捉えたのかは分からないが、突然右手を突き上げだした結愛。何を考え

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」380

    -380 また喧嘩にならなきゃ良いけど・・・- ニクシーの言った通り確かに2人は楽しそうに呑んでいただけだ、何の問題も無い。先程俺が「大丈夫か?」と尋ねたアルバイトの賄いもいつも通りとなっていたので何の心配も無い、正直計算通りにやられたのかもしれないと拳を握りたくもなるが今は雰囲気を悪くしてはならないのでそっと様子見をする事にしよう。結愛「おやっさん、どうだよ?いい加減俺の事を「結愛」って呼んでくれるようになってくれたか?」メラルーク「あたぼうよ、今まで何で堅苦しく「結愛社長」なんて呼んでいたのかが分かんねぇ位だってんだよ。」 酒を呑む人って性格等が変わる事が多いと思うが、まさかメラルークが下町の江戸っ子みたいな口調になってしまうとは思わなかったなぁ・・・。メラルーク「何だって?!あんたな、いくら作者でも俺っちの事を何でも知ってる様な言い方してんじゃねぇよ。」 悪かったって、この通り謝るから許しておくれよ。メラルーク「何だその言い方は、人に許しを請う時は額と両手を地に付けて「申し訳御座いませんでした」と言うんだろうがよ!!」 てめぇ・・・、人が下手に出ているからって調子に乗ってんじゃねぇぞ!!この土下座フェチが!!あんたあれだろ、「超」の付くドSだろ!!ピューア「作者さんごめんなさいって、うちのお父さん呑んだ時だけこういう性格になっちゃうのよ。喧嘩して暫く家を空けていた私が言えた義理じゃ無いけど、温厚な人だって知っているでしょ?お願いだから、ね?」 はぁ・・・、ピューアの顔に免じて許してやるか・・・。ここでの視察・研究が上手く行かないと新店のこれからに影響を及ぼすからな、でもまさか結愛が絡むレベルの大事になるとは・・・。結愛「んだよ、文句あっか?!」 無いです、嬉しい限りです。これできっと「暴徒の鱗」や「C’s キッチン」も安泰です。メラルーク「それにしても結愛、あんたあんな美味い米どうやって作ったってんだよ。本格的にウチで使おうと思うからちゃんと教えてくれ、それと良かったら「安心・安全・信頼」の観点からお客さんの目線から見える様に掲示物にさせて欲しいんだが。」ピューア「お父さん、いくら何でも無理じゃないの?結愛の会社にだって企業秘密位はあるはずよ、そんな簡単に・・・。」結愛「良いに決まってんじゃねぇか、お客さんに安心して食って貰う為

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