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第9話

Auteur: 酔夫人
last update Date de publication: 2026-02-17 11:01:24
黒曜魔塔・最上階。

ルシアン・ノクスは執務室の隣、寝室のベッドの上で書類を読んでいた。

指を動かすのも面倒臭く、ルシアンは魔術で書類を宙に浮かせて読んでいた。

「……はあ」

ルシアンがため息を吐くと、空中を漂っていた三枚の書類が壁のほうに飛んでいった。

研究費削減により、研究できなくなった計画書だ。

「世の中、金だな……」

世知辛い呟きだった。

.

 コンコン。

隣の執務室と繋がった扉ではなく、廊下と繋がった扉からノックの音がしたため、ルシアンは首を傾げた。

(あっちのドアがノックされるなんて珍しいな)

ルシアンのところには研究の相談しかこない。

ルシアンが研究の相談にしかのらないからだ。

論文なら小難しい数式がたくさん並んでいても読む気になるが、予算案など単純な足し算だけで理解できる書類は読む気になれないルシアン。

ルシアンはその手の書類の処理が得意な者を三名ほど補佐に任命し、彼らにその手の書類の処理を丸投げしている。

彼らにはルシアンのサインを複写できる魔導具さえ渡してある。

三人いれば、結託して横領などしない限り問題はない。

それに魔塔に国事に関する決定権などなく、通達に対して
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