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第16話

Auteur: 飛べないライスヌードル
芽依の背中に、冷たい戦慄が走った。

見たくないものほど、向こうから現れる。この世の理(ことわり)は、どこまでも残酷だ。

気づけば、風初が芽依の太ももに必死にしがみついていた。かつてあれほど芽依を疎んでいた姿が嘘のように、何があっても離さないという執念で縋りついている。

だが、芽依の対応は冷徹だった。

表情にありありと嫌悪を浮かべ、風初の手を乱暴に振り払う。

突き放された風初は、信じられないものを見るような目で芽依を見上げた。

あんなに自分を愛してくれていたお母さんが、なぜ今、自分をこれほどまでに拒絶するのか。

一年間待ちわびて、ようやく再会できた母の瞳には、かつての慈愛など欠片も残っていなかった。

涙を滲ませた深志が、すがるような目で芽依を見つめる。

「芽依……この一年、一体どこに行っていたんだ? 狂ったように君を探し回ったのに、どこにも……

俺も風初も、ずっと君に会いたかった。なあ、帰ってきてくれないか? 芽依」

震えるその声は、聞く者の涙を誘うほどに痛切だった。

だが、芽依の態度は氷のように冷ややかだった。

「深志。私たちはもう、二度とやり直せないわ」

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