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第108話

Author: フカモリ
妻としての地位?

ベッドから起き上がり、真琴は説明するのも億劫になり、単刀直入に言った。

「もう、その『妻の座』はいりません。やはり離婚したいんです」

その態度に、信行はただ彼女を見つめる。

彼の視線を、真琴は真っ向から受け止める。

「辞職の件はもう影響ないはずです。しばらくしてほとぼりが冷めたら、手続きの前に公告を出せば問題ないでしょう。

ただ、株価を安定させたいなら、由美さんとの再婚は半年か一年ほど待った方がいいかもしれません。その頃にはもう大丈夫でしょう」

彼と由美の再婚のことまで考えているとは。信行はテーブルに近づき、半分以上残ったタバコを灰皿でもみ消し、黙って真琴を見つめる。

株価の一件を経て、関係は修復できたと思っていた。もう離婚など口にしないと思っていた。

しばらく彼女を見つめ、真琴が黙々とデスクに戻るのを見て、信行は言った。

「出かけてくる。早く寝ろ」

真琴は彼を見ず、パソコンに向かったまま、淡々と応えた。

「ええ、いってらっしゃいませ」

ドアが閉まる重い音が響く。そこで初めて真琴は顔を上げ、閉ざされたドアを長い間、じっと見つめていた。

……
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