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第173話

مؤلف: フカモリ
「それに昨日のあれ、明らかに同情を引くための芝居よ。離婚したくないのよ」

真琴は苦笑して言った。

「もし本当に離婚したくないなら、それは私が使い勝手のいい嫁だからよ。拓真さんも言ってたわ。『二百年前に生まれてたら表彰もんだ』って」

紗友里は真顔で言った。

「私はね、兄ちゃんが今あんたを気にかけてるなら、それを利用して条件を出せばいいと思うの。

精高と組むのをやめさせるとかね。もっと自分の利益を考えなさいよ。馬鹿正直じゃだめ。

じゃないと、全部あの女に持っていかれちゃうわよ」

紗友里の入れ知恵に、真琴は笑って答えなかった。

間もなく別荘に戻ると、信行はリビングにはいなかった。

真琴が部屋に戻ると、信行は部屋にいて、棚のそばで薬を飲んでいた。

医師が出した抗生物質と痛み止めのおかげか、昨夜より顔色はだいぶ良さそうだ。

真琴を見て、信行は言った。

「後で薬を塗ってくれ」

「分かりました」

信行がまだ仕事を続けているのを見て、真琴は先にシャワーを浴びることにした。

バスルームから出てくると、信行は書類を片付けていた。彼女は軟膏を持ってベッドへ近づいた。

今、信行はチャコールグレーのパジャマを着ており、真琴も同色のルームウェアを着ている。偶然だが、まるでペアルックのようだ。

信行はボタンを外し、ベッドにうつ伏せになった。真琴の手が脇腹から背中にかけての傷に触れると、彼は「んっ」と低く唸った。

それは妙に色気のある、艶めかしい声だった。

ベッドの端に腰掛け、真琴は彼をたしなめた。

「……薬を塗ってる時に、変な声を出さないでください」

痛がっているようには見えない。

彼のその声に、少し居心地が悪かった。

信行は喉の奥で笑い、からかうように言った。

「お前よりいい声だろ?」

真琴は彼の肩をペシッと叩いた。

「……真面目にしてください」

真琴の強張った顔を見て、信行は笑って言った。

「痛いんだよ」

痛いと訴えるので、真琴はそれ以上相手にせず、薬の塗布に集中した。

しかし……時折漏れるその低い唸り声に、手元が狂いそうになる。

背中の一番深い傷に薬を塗り込む時、信行が鋭く息を吸い込むのを聞いて、真琴は思わず、痛みを和らげるように「フーフー」と息を吹きかけた。

その無意識の行動に、信行の心が揺れた。

部屋の照明は柔らかく、空
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