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第182話

Author: フカモリ
誰にも言ったことはないが、由紀夫から克典との縁談を持ちかけられた時、真琴は気が狂いそうで、何日も眠れず、最後に勇気を振り絞って祖父に自分の想いを全て打ち明けた。

そうしてようやく、由紀夫が彼女の気持ちを確かめてくれる機会を得た。

まさか、あの時の天にも昇るような喜びが、こんな惨めな三年間に繋がるとは、夢にも思わなかったが。

信行の瞳を見つめながら、真琴の脳裏に、今朝の峰亜の買収発表会で、由美の後ろ盾として振る舞っていた彼の姿が蘇った。

この三年の屈辱と、数え切れないほどの冷遇を思い出した。

喉まで出かかった言葉を言おうと息を吸い込んだ時、信行の表情がふっと陰り、すぐに何事もなかったかのように背筋を伸ばして笑った。

「まあいい、困らせるのはやめだ……家に入るぞ」

彼はとっくに、真琴の日記を盗み見て答えを知っていたし、今の彼女の沈黙もまた、一つの答えだったからだ。

信行が車を降りてドアを閉める音を聞き、車の前を回る彼の背中に、真琴は小さく呟いた。

「……じゃあ、あなたは私を好きだった?」

その言葉が届いたのかどうか、信行は助手席のドアを開け、気だるげにドア枠に腕を乗せ、
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