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第198話

Penulis: フカモリ
真琴の「片桐社長」という他人行儀な呼びかけに、信行は弾かれたように顔を上げた。

しかし……今は隣に由美がいる。「片桐社長」と呼ばなければ、他に呼びようもないのだろう。

貴博は真琴が帰るのを見て、わざわざ階段の下まで見送りに降りてきた。

智昭の車の前で、真琴は振り返って貴博に今夜の礼を言った。

貴博は彼女と軽く握手をして別れを告げ、さらに丁寧に後部座席のドアを開けてやった。

真琴が乗り込む際、彼女が頭をぶつけないよう、さりげなく手でルーフの縁を庇う気遣いも見せた。

ずっと祖父と共に客を見送っていたが、貴博が階段の下まで降りて見送り、自らドアを開けたのは真琴だけだった。

他の客とは、玄関先で握手をして別れていただけなのに。

真琴を見送って戻ると、信行の車も回ってきていた。

貴博は大らかに信行と握手し、もう片方の手で彼の腕をポンと叩いて言った。

「信行、また会おう。今度は、ぜひ奥さんに会いたいものだな」

そして、由美の方を向き、その手を軽く握り返した。

「内海さん、さようなら」

由美は愛想よく答えた。

「事務局長、さようなら」

信行と由美が車に乗り込むのを見届け
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