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第298話

Author: フカモリ
「日記?」

真琴は彼を見つめ返した。

「何のこと?」

親指でその頬をそっと撫でながら、信行は囁くように言った。

「お前の部屋の本棚、二段目にある白い日記帳だ。あそこに綴られていた、好きな男のことさ」

色から隠し場所まで正確に言い当てられ、真琴はハッと息を呑んだ。そして、弾かれたように視線を逸らした。

慌てて右手を伸ばし、頬に触れている彼の手首を掴むと、そっけない声で話題を逸らす。

「紗友里を探してくるわ」

言うが早いか、その手を振り払い、ソファから立ち上がろうとした。

まさか、彼に日記を盗み見られていたなんて思いもよらなかった。

そのまま逃げ出そうとしたが、手首が信行にぐっとつかまれ、強引に引き戻される。

よろめいて広い胸板にぶつかり、真琴は再び男の顔を見上げた。

至近距離で視線が絡み合う。信行は相手のうなじに手を添え、その瞳を真っ直ぐに射抜いた。

「俺には言えないのか?」

真琴はたまらず目を伏せる。

表情をこわばらせ、しばらく何かを思い悩むように口を開きかけては、また閉じた。

どうしても言葉にできなかった。

俯く彼女を見下ろしながら、信行の脳裏にある
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