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第412話

Author: フカモリ
だが、まだ正式に付き合っているわけではなく、あくまで友達としての距離感で接していた。

信行が真琴の正体を知り、DNA鑑定までしたことについて、貴博は彼女に一切知らせなかった。

彼女のペースを乱したくなかったからだ。

……

この日の夕方。

真琴がアークライトからホテルへ戻ろうとした時、和夫に呼び止められた。

「茉琴さん」

振り返り、笑顔で挨拶する。

「黒田部長」

真琴の顔を見て、和夫は言った。

「午後から何度か電話を入れたんだが、ずっと電源が切れていたからね。だからホテルに戻って君を待っていたんだよ」

真琴が口を開く前に、和夫はさらに続ける。

「今夜、市が主催する懇親会があってね。各IT企業がこぞって参加するんだ。光雅さんはもう向かっていて、私はここで君を待って、一緒に連れて行くところだ」

一日中研究所にこもって少し疲れていた真琴は、やんわりと断った。

「私は今日はやめておきます。この件は、兄がそちらにいれば十分だと思いますので」

そう言われて、和夫が納得するはずもない。

「今の君は東都市や各IT企業から引っ張りだこの、得難い人材だよ。我々なんかよりよっぽ
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