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第33話

last update 公開日: 2026-01-19 19:00:00

「……そうです。彼女が、私の婚約者です」

世界が止まった。

ドクン、と心臓が跳ね、耳の奥で自分の鼓動がうるさく鳴り響く。

今、この人はなんて言ったの……?

婚約者?私が、氷室様の!?

「……嘘」

小さく呟いた声は、誰にも届かなかった。

離れたところに控える神崎さんをちらりと見ると、彼は驚いた様子もなく、ただ静かに……覚悟を決めたような目で私たちを見つめていた。

まさか、神崎さんも知っていて私をここに連れてきたの?

厳造様は、満足そうに頷いた。

「ようやくか。待ちくたびれたぞ、蓮」

「申し訳ございません」

氷室様が、深く頭を下げる。

私も、慌てて頭を下げた。だけど、頭の中は真っ白だった。

どういうこと?なぜ、氷室様は否定しないの?

「咲希さん」

厳造様

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