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第7話

Auteur: ダンダン
凛はその言葉に胸を焼かれるような衝撃を受け、切符を固く握りしめて蒼介の探るような視線を避けた。

「何でもないわ。あなたの聞き間違いよ」

「何の切符だと聞いているんだ?」

蒼介はさらに追及した。彼は凛の誤魔化しを信じていなかった。

「蒼介、手がすごく痛い……」

栞はタイミングよくすすり泣き始め、赤く腫れた肘を彼の目の前に掲げた。

「凛さんが急に飛びかかってきて……」

蒼介の注意はすぐにそちらへと引きつけられた。

彼は慎重に栞の肘を支え、ここ数日の彼女の数々の災難を思い出し、視線を凛に向けて冷ややかな声で言った。

「ちゃんと説明してもらうぞ」

「私はただ、自分のものを取り返したかっただけよ」

凛は背筋を伸ばして立ち、その眼差しは静まり返っていた。

栞はさらに激しく泣き崩れた。

「蒼介、私が卑劣なのは分かってるわ。私が付け込んだのよ。あなたたちが本来の夫婦なんだって分かってるから、私たち、もう離婚しましょう……」

その言葉は、蒼介の頭から冷水を浴びせるようなものだった。彼は、凛がこの5年間音信不通だった後で突然現れ、度々栞を傷つけておきながら、恥ずかしげもなく自分のものを取り返すと言い放ったことを思い出した。

「もういい」

彼は声を上げて遮り、栞をなだめると、振り返って凛を見た。

「凛、ここに君のものなど何一つない。君を家に住まわせているのは、ただ今の君に行く当てがないからだ。もしこれ以上、分不相応な企みで栞を傷つけるつもりなら、容赦はしないぞ……」

彼の言葉が終わらないうちに、栞は突然彼の腕を引っ張り、優しい声で言った。

「蒼介、やめて。凛さんはきっと一時的な衝動に駆られただけよ。私は大丈夫だから、彼女を帰してあげて。私、もう休みたいわ」

蒼介は栞の蒼白な顔を見て、心が少し揺らいだ。

彼は冷ややかに凛を一瞥した。

「栞が庇ってくれたことに免じて、今回は見逃してやる。ボディーガードに君を家まで送らせるから。二度とこんなことは起こすなよ」

凛は傍らに立ち、まるで部外者のように彼らが結託して芝居を打つ様を見つめていた。ただの簡単な言葉が、ここまで曲解されるとは思ってもみなかった。

彼女はそれ以上反論せず、ただその切符をきつく握りしめ、無言のまま邸宅へと戻った。

戻った後、疲労困憊した身体のせいで、彼女はすぐに深い眠りに落ちた。

駅の構内で、改札終了を知らせるアナウンスが突然鳴り響いた。凛は切符を手に持ったまま、帰りの列車が遠ざかっていくのをただ黙って見ているしかなかった。

彼女は必死に走ったが、どうしても追いつけなかった。

目の前がかすみ、栞が突然目の前に現れた。その手にはナイフが握られており、彼女のお腹に向かって容赦なく突き刺してきた。

「やめて!」

凛は驚いて跳ね起き、冷や汗がパジャマをぐっしょりと濡らしていた。

彼女は枕の下から切符を取り出し、月明かりを頼りにその上の日付を再び確認した。

亀裂はちょうど発車時刻の文字を貫いており、まるで悪い予兆のようだった。

凛は、この残りの4日間に何か別の異変が起こるかどうかをもう賭けたくはなかった。ただ今すぐここから離れたかった。

彼女は切符をポケットにしまい、スマートフォンを手に取って部屋を出ようとした。

彼女の手がドアノブに触れた瞬間、リビングの明かりが突然パッと点いた。

蒼介が玄関に立っており、彼女の襟首を掴んで、地面から体が浮き上がりそうになるほどの強い力で引き寄せた。

「小春はどこだ?」

凛は、彼がこれほどまでに取り乱している姿を見たことがなかった。

「家政婦は午後、君一人しか家にいなかったと言っている。栞は午後、君を庇うべきではなかった。まさか君が小春を拉致するなんてな」

凛は雷に打たれたような衝撃を受けた。

「小春ちゃんがいなくなったって、どういうこと?」

たとえ小春が蒼介の不倫の証拠であったとしても、凛はこの無実の子供を憎んではいなかった。

「いい役者ぶりだな!」

蒼介は彼女を激しく壁に叩きつけた。「言え、小春をどこに隠した?」

「私じゃない……」

凛は苦しげに息をしながら答えた。

蒼介はもう彼女の弁明を聞こうとはせず、背後にいるボディーガードに命令を下した。

「こいつを地下の監禁室へぶち込め。僕の許可なしに、絶対に外へ出すな」

凛は全身を震わせた。彼女が閉所恐怖症であることを、彼は知っているはずなのに。

「やめて!」

凛はボディーガードに引きずられながらも、必死に抵抗して振り返り蒼介を見た。

しかし、彼はすでに背を向けて立ち去っており、その後ろ姿には少しの迷いもなかった。

監禁室の重い扉が目の前で激しく閉ざされ、最後の一筋の光すらも飲み込まれた。

凛は部屋の隅にうずくまり、呼吸は次第に荒くなっていった。

彼女が見た夢は、どうやら現実のものとなってしまったようだ。

1日目の夜、下腹部に激痛が走った。

温かい液体が股の間を伝い落ちるのを感じ、凛が手を伸ばすと、ベタつく感触があった。果てしない闇の中で、彼女は血の匂いを嗅ぎ取った。

それは、自分の子供だった。

2日目、あるいは3日目だったかもしれない。暗闇のせいで、彼女は時間の感覚を失っていた。

誰も食べ物を運んできてはくれず、凛は自分の手首を噛み破って血を吸うことしかできなかった。

4日目、凛は自分が本当に元の世界へ戻れなくなったのだと思った。

精神が崩壊しそうになり、自ら命を絶とうとしたその時、監禁室の扉がわずかに開いた。

凛の目の前が明るくなり、彼女はもがきながら起き上がり、よろめきながら扉へ向かって突進した。

今度は、誰も彼女を遮る者はいなかった。

特急列車の駅構内で、彼女が乗る列車の改札開始を知らせるアナウンスが響いていた。

凛は血に染まった切符を固く握りしめ、一歩ずつ改札口へと歩みを進めた。

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