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第1460話

Author: かんもく
「真帆が、あなたに話があるそうよ」とわこはスマホを奏の前に差し出す。

それは、真帆に完全に諦めさせるためだった。

奏はスマホを受け取り、スピーカーを入れる。「何を言いたい」

「奏、行かないで。お願い、行かないで」真帆は泣き崩れる。「子どもがもう少し大きくなったら、親子鑑定をする。お腹の子は本当にあなたの子なの。どうして自分の血を引く子を捨てられるの。そんなに冷酷なの」

母親であるとわこは、その言葉に胸がきゅっと痛む。

だが、この子が奏を奪うために作られた存在だと思うと、同情する気にはなれない。

「そうだ。自分の血を引く子を捨てられないからこそ、日本に戻る」奏は淡々と続ける。「父親としての責任を果たすためだ。もし俺に失望したなら、子どもは堕ろせばいい」

電話の向こうで、真帆は嗚咽するばかりで言葉を失う。

数秒待ってから、奏は通話を切り、スマホをとわこに返す。

「奏、終わったね」とわこは電源を切る。

「うん」彼女が言っているのは、Y国でのすべてが終わったという意味だと、彼には分かっている。

帰国後、真帆と関わることは二度とない。

ここで起きた出来事は、ただの夢だった
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    「真帆が、あなたに話があるそうよ」とわこはスマホを奏の前に差し出す。それは、真帆に完全に諦めさせるためだった。奏はスマホを受け取り、スピーカーを入れる。「何を言いたい」「奏、行かないで。お願い、行かないで」真帆は泣き崩れる。「子どもがもう少し大きくなったら、親子鑑定をする。お腹の子は本当にあなたの子なの。どうして自分の血を引く子を捨てられるの。そんなに冷酷なの」母親であるとわこは、その言葉に胸がきゅっと痛む。だが、この子が奏を奪うために作られた存在だと思うと、同情する気にはなれない。「そうだ。自分の血を引く子を捨てられないからこそ、日本に戻る」奏は淡々と続ける。「父親としての責任を果たすためだ。もし俺に失望したなら、子どもは堕ろせばいい」電話の向こうで、真帆は嗚咽するばかりで言葉を失う。数秒待ってから、奏は通話を切り、スマホをとわこに返す。「奏、終わったね」とわこは電源を切る。「うん」彼女が言っているのは、Y国でのすべてが終わったという意味だと、彼には分かっている。帰国後、真帆と関わることは二度とない。ここで起きた出来事は、ただの夢だったと思えばいい。真帆は崩れ落ちるように泣き続ける。周到に仕組んだ計画は、最愛の男を引き留めるどころか、父の命まで失う結果になった。後悔しても、もう遅い。「お嬢様、本当にお腹の子を堕ろせと言われたのですか」家政婦は目を赤くし、真帆を気の毒に思う。「彼は私を捨てた。子どもも捨てた」真帆は泣きじゃくる。「それなら、堕ろしてしまいましょう」家政婦は別の道を示す。「ポリー様はあなたに忠誠を尽くしています。子どもを堕ろして、彼と一緒に生きればいい。奏より百倍、千倍もあなたを大切にします」真帆はソファの肘掛けに力なくもたれかかる。「もうすぐ三か月になる。あと少しで、この子は生まれてくる」「あなたの子じゃないのに、どうして産む必要があるんですか。産んで何になるんです。奏はもう二度とあなたを顧みません」家政婦は現実を突きつける。「目を覚ましてください」「ちゃんと分かってる」真帆は鼻をすする。「奏はもう戻らない。日本には三人も子どもがいる。この子一人で、彼を引き留められるわけがない」「それなら、産むのはご自由に」家政婦は計算高く言う。「子ども一人育てるくらい、大したこ

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