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第571話

Penulis: 佐藤 月汐夜
桃は清墨が呼んだ看護師に連れられてVIP病室へ行き、そこに備え付けの浴室で血に染まった服を脱ぎ、顔や体についた目立つ血を洗い落とした。

着替えを済ませると、看護師が新しい清潔な服を持ってきた。桃は痛みに耐えながらそれを着て、指示に従い検査を受けに行った。

その間、桃の心は完全に麻痺していた。ただ看護師の指示に従い、言われたことをこなしていただけで、心はすでに手術室に飛んでいた。

検査の結果、内臓には特に異常がなく、主に皮膚の傷が多いだけだった。見た目には痛々しいが、大きな問題ではなかった。看護師が薬を塗った後は、桃の行動を制限することはなかった。

桃はすぐに手術室へ戻ったが、まだ中では救命処置が続いているようだった。

桃の手が微かに震えた。この光景は彼女にとって全く見覚えのないものではなかった。

かつて雅彦が彼女を助けるために海に飛び込んだときも、同じように命の危機に瀕していた。

彼女はただ祈るしかなかった。雅彦があの時のように幸運を掴み、無事に戻ってくることを。

桃が外で待っていると、背後からふらつくような足音が聞こえてきた。振り返ると、美乃梨が壁に手をつきながら、一歩一歩こちらに近づいてきたのが見えた。

美乃梨は目が覚めたばかりだったが、桃が救出されたと聞き安堵した。しかし、その後すぐに雅彦が手術中で命の危険に晒されていたことを知り、自身の体調を顧みず、状況を確認しに来たのだった。

美乃梨は桃の姿を見つけると、目が潤み始めた。「桃、無事で本当によかった……!」

美乃梨が無事に立っていた姿を見て、桃もほっとした様子で彼女を支えて、椅子に座らせた。

美乃梨は桃の顔に増えた傷跡を見て、胸が締め付けられるような思いだった。「ごめんなさい、桃……私のせいで、あなたも雅彦も……」

「そんなこと言わないで。あなたを助けることを後悔なんてしてない」桃は首を横に振り、美乃梨の言葉を遮った。

美乃梨は桃の目に浮かんできた複雑な感情を読み取り、これ以上この話題を続けるべきではないと察した。話題を変えようと、「桃、翔吾に連絡した?彼、君が見つからないって、きっと心配してるわ」と言った。

桃はその言葉で、翔吾にまだ連絡していないことを思い出した。看護師から携帯電話を借りて、翔吾に電話をかけた。

翔吾は家でひどく不安そうにしていた。雅彦に電話をしようかと思い
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