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意識しないわけない 1

작가: 玄糸雨楽
last update 최신 업데이트: 2025-07-07 16:23:54

あのキスの一件があってからというもの、セツ君を意識しないわけがない。

思い出すと、胸にきゅんと小さな痛みがはしる。

まあ、キス以外は何もされなかったんだけど。

むしろ、あのあとすぐにセツ君は帰って行った。

これ以上進むのはまだ早いからって言ってた。

仕事中でもそうでない時も、思い出しては恥ずかしくて、正直困る。

セツ君の、あの言葉。

「確実に捕まえに行くからね」

それは覚悟しといてってことかな。

覚悟も何も⋯⋯私には、ないよ。

あの時の帰り、また雨だった。

でもセツ君、傘はいらないって言ってた。

迎えが来るから大丈夫だって。

迎えってやっぱり、「若、お迎えに上がりました」みたいな?

やっぱり、極道の世界の人だから車でのお迎えがあるのかしら。

そんなことを思い出していた、キスから1週間たった日曜日ーー

お昼前からセツ君は私の家に来てくれた。

セツ君はソファにゆっくり座り、片腕をソファの背もたれにかけると、ごく自然に足を組んでみせた。

その姿はまるで、映画のワンシーンみたい。

家のファブリックソファに座らせるのが、なんだか申し訳ない気持ちにさえなる。

部屋の空気でさえも、上品に塗り替えてしまうセツ君って一体⋯⋯?

もっと豪華な本革のソファのほうが似合うよ。

そして、前と同じ様に隣に私を座らせる。

セツ君の傍にちょこんと居るしかない。

だから、緊張しちゃうの。

隣で会話してると、彼の唇ばかり見てしまい、やっぱり意識してしまう。

セツ君は、私が固まっているのが分かるのか声をかけてきた。まるでいたずらっ子みたいな、笑みを浮かべながら。

「花ちゃん、どうしたのかなあ」

私はすぐに答えられずに、口をつぐんだ。

少し間があいて、やっとのことで返事をした。

「う、ううん。なんでもないよ」

「ふうん。そっか、なんでもない、ね」

セツ君が、やけに楽しそうに私を見てる。

意識してるの絶対バレてるよ。

また、見てしまった。

艶のある、綺麗な薄い唇。

あんな唇と、キスしたなんて。

そういや、キスってあんな感じでするものだっけ。

ドラマや映画で何度も見たはずなのに、自分がいざキスされた時は、テレビで見たキスシーンと違って、やけに情熱的だったように思える。
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    「無理なくっていわれてもな·····」「そんなに難しく考えないで。僕は若頭である前から花ちゃんの同級生だよ」「それはそうだけど·····」「うーん。そんなに不安なら、そうだな·····いっそ僕と、どこか出かけてみる?」「えっ、デ、デートするの」私と·····セツ君が?そんなことして大丈夫なのかな。·····不安でしかないんだけど。「うん。デートしよっか。同級生の僕とね」「い、いきなりだね」「いや、ずっと前から誘うつもりだったんだよ。でもタイミング的にどうしようかなって思ってたんだ」「でも変なことに巻き込まれたり、とか。ほら、危ない人たちに囲まれて襲われるとか、絶対にない?」「ん?そんなん無いから大丈夫だよ。もし万が一何かあったら僕が花ちゃんを守るよ」「そんなこと言われても、やっぱり怖いよ」セツ君はふっと笑った。まるで本当に大丈夫みたいに。「本当に、なんにも変なこと起きないから安心して。大丈夫じゃなかったら、あの日に傘を返しに来たりしない。」その言葉、信じていい?デートしてみる、のか。うーん。·····正直悩む。デートするってことは私はセツ君を好きになるしかない流れに確実になっていくってことだよね。でも、セツ君簡単に引いてくれなさそうだし。決めかねてる私にセツ君が優しく言葉をかけてくれた。「デートが難しいなら一緒にお出かけってことでもいいよ」えっと、一緒にお出かけするのを一般的にデートと言うのでは?「一緒に出かけるのをデートって言うんだよセツ君。言い方変えただけじゃん」「ふふっ。そうだね」セツ君が楽しそうに笑ってる。そんな姿を見てるともう、逃げられないような気がしてならない。そうだ!デートでセツ君を幻滅させてみるとか、そうしたら諦めてくれるかも!

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