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36.龍之介、食事会の後

Auteur: 桜立風
last update Date de publication: 2026-03-24 12:03:48

「桜が呆気なく帰った。…なんか、いらねぇこと吹き込んだんじゃねぇのか」

「別に、報告する義務はないんじゃない?」

「…なにっ…?!」

龍之介の問いかけに白けた様子で答えると、蔵之介は色めき立つ兄を見て、力が抜けたように笑った

「式の日取りが決まったことなら言ったよ?祝いの花束でも贈りたいだろうと思って」

…そういうことか。

龍之介は蔵之介の胸ぐらをつかみ、鋭い目を向ける。

「…余計なこと言いやがって…麗香との結婚が、組のためでしかねぇことはお前だってわかってるだろ」

「そんなの俺は知らない」

蔵之介は自分の胸ぐらをつかむ龍之介の手をギュッと握り、耳元に口角を上げた口を寄せた。

「…愛のない結婚だって思ってんのは、あんただけじゃん?」

「は…?」

「女ってのは、結構簡単に気持ちが変わるもんだぜ?」

力任せに龍之介の手を剥がし、チラリとその後ろに目をやって、蔵之介は立ち去った。

「…龍之介、大丈夫?」

後ろに控えていた麗香が近寄ってきた。

「いや、蔵之介にムカついて…」

「桜ちゃんと一晩中2人きりで、何してたんだろうね?」

麗香らしくない、ハリのない声。スラックスのポケットに手を入れた腕
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    それは…1ヶ月ほど前のこと。「え…現場で怪我をした?」『あぁ…やっと仕事にありつけたんだけどよぅ…健康診断ってのがあって、それで、悪い病気が発見されたんだよ。…もう、ショックでさ…お前には、知らせねぇつもりだったんだけどな?』父のしゃがれた声の向こうから、街の雑踏を思わせる音が聞こえる。…携帯を買ってやったのに、それはどうしたのか。「病気って…どんな?」『今は…わかんねぇよ。家に診断書があっから…』要するに、生活費を工面しろ、ということだと理解した。「とりあえず、少しお金送るから」『なんだよ、来てくれねぇのかよ』「だって…アキちゃんは…?」『知らねぇよ、前に出てったきり、

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