Masuk※R18シーン
割り開かれた唇から、舌が入り込む。柔らかで温かい粘膜の感触に、結菜の頭はくらくらとしてしまった。
絡まる舌が、混ざり合う唾液がひどく甘い。 智輝の舌が上顎の敏感な場所に触れれば、結菜は思わずびくりと体を固くした。そんな彼女を蕩かすように、智輝はさらにキスを深めた。しっかりと結菜の頬と頭を押さえて、逃げられないようにして。
くちゅくちゅと口の中で響く水音が、彼らの熱を煽る。(気持ちいい。キスって、こんなに気持ちいいものだったんだ)
孤独を抱えた結菜は、今まで誰にも心を許したことはない。男性経験どころか、キスさえ初めてだった。
智輝の背に回していた結菜の手が、気持ちよさのあまりくたりと力を失って落ちる。「は……」
少し離れた唇から、ため息のような吐息が漏れる。
熱に溶けた目で彼を見上げれば、智輝もまた愛情と熱情の入り混じった瞳で彼女を見つめていた。「ベッドに行こう。――いいね?」
「……はい……」
問いかけの形を取っていたけれど、それはただの確認。
2人は指を絡ませながら、書斎からベッドルームへと移動した。 ベッドに腰掛けるや否や、智輝は結菜をどさりと押し倒す。性急さに少しばかり驚くが、智輝は意に介さなかった。「君が欲しい。一つになりたい」
再び落とされる口づけに、結菜はあっという間に溶けてしまう。
智輝の手がワンピースのボタンに伸びて、順に外した。ブラジャーのホックを外せば、豊かな白い乳房がまろび出る。「やぁ……恥ずかしい」
恥ずかしさのあまり結菜が服をかき上げようとすると、智輝はその手を押さえた。
「とてもきれいだよ」
耳元で囁いて、それから乳首をぺろりと舐める。
「……っ!」
ぴりぴりと甘い刺激が走り、結菜はぎゅっと目をつぶった。やわやわと両の乳房を揉まれれば、じんわりと熱が高まってくる。
下腹部が切なく甘く重くなり、結菜は思わず膝をすり合わせた。「もう、感じてしまった?」
「そ、それは」
太ももをもじもじとしていると、智輝の膝で割り開かれてしまった。彼の指が伸びる。その先は、しっとりと濡れていた。
「あ、あのっ! 智輝さん、私、初めてで……」
羞恥心に耐えきれなくて、結菜は思わず声を上げた。
「だから、どうしていいか分からなくて……」
真っ赤になる結菜を、智輝は少し身を起こして眺めている。片手で彼女の内ももを撫でながら、何も言わない。
「あの、智輝さん?」
「……ああ、すまない」
彼は手を止めて、片手で顔を覆った。
「結菜の初めての男になれると思うと、嬉しくて。……興奮してしまった」
指の隙間から見える銀灰色の瞳は、熱にまみれた雄の欲情と、切ないまでの愛情に濡れている。
「全て、俺に任せてくれ。結菜が気持ちよくなれるよう、頑張るよ」
そうして笑った顔は、獰猛な捕食者のもの。
結菜は彼の愛情を感じながらも、自分が食べられる小動物になってしまった気がして、身震いした。◇
ベッドルームにぴちゃぴちゃと淫靡な水音が響いている。 結菜は智輝に組み敷かれて、深く口付けられながら、秘部の入口を指でいじられていた。(気持ちいい、気持ちいい。頭が変になっちゃいそう)
初めて与えられる快楽に、結菜は抗うこともできない。思わず腰が揺らめいて、恥ずかしさに顔が赤くなる。
と。
智輝の舌が深く入ってきて、喉の入口近くを舐めた。 同時に彼の指が動いて、秘部の上の――敏感な花芽をぐりっとこねる。「――っ!!」
声にならない悲鳴が上がって、体が弓なりになった。
「頭を上げてください、代表さん。現場で長く活動されている皆様の率直なご意見があったからこそ、私たちもアプリの方向性を明確にすることができたんです。これからも、ぜひお力をお貸しください」「ええ、もちろん! 早速、うちの団体のメンバー全員にあのアプリを登録させます。選書リストも、次の病棟訪問で使わせてください」 代表が明るい顔で頷いた。 その横で、タブレットを持った佐藤が興奮気味に駆け寄ってくる。「結菜代表! アプリのダウンロード数が急激に伸びています。今日のイベント参加者だけでなく、口コミで広がっているようです。オンライン掲示板にも、早速『今日の読み聞かせで学んだこと』の書き込みが殺到しています!」「本当? よかった……」 結菜は胸を撫で下ろした。 彼女の思いは、確実に現場の人々に届き広がり始めている。◇ 全てのプログラムが終了し、参加者たちを見送った後。 閑散としたホールに、結菜と家族だけが残っていた。「ママ!」 遠くから樹が駆け寄ってきて、結菜の足元に抱きついた。「ママ、すっごくすっごく上手だった! 僕が読んでもらった時より、もっと楽しかった!」「ふふ、ありがとう、樹。樹が応援してくれたおかげよ」 結菜はしゃがみ込み、息子を強く抱きしめた。 智輝が、柚葉を抱きかかえながら近づいてくる。彼の銀灰色の瞳は、心底誇らしげな光をたたえていた。「最高のイベントだったよ、結菜。子供たちも、大人たちも、みんな君の作る物語の世界に引き込まれていた」「智輝さん……。KIRYUの技術チームのおかげよ。あの空間演出がなかったら、あそこまでの一体感は出せなかったわ」「技術は裏方さ。君という本物の司書がいたからこそ、あのシステムは活きたんだ」 智輝の言葉に、結菜は胸がじんと熱くなるのを感じた。 鏡子が静かな足取りで歩み寄り、結菜の前に立った。
映像や音響はあくまで補助にすぎない。 空間の中心にいるのは、紛れもなく結菜の声と、彼女が作り出す子供たちとの温かいキャッチボールだった。「……見事ね」 代表はペンを握る手に力を込めた。 自分の偏見が恥ずかしくなる。 結菜の読み聞かせは血の通った、素晴らしいものだった。◇ 約20分の読み聞かせが終わり、ホールの照明がゆっくりと明るくなった。 子供たちの割れんばかりの拍手と、「もう1回読んで!」というアンコールが飛び交う中、結菜は深く頭を下げた。「さあ、絵本の時間は終わりです。みんな、次はあっちのお部屋で工作をしようね」 子供たちが別室での工作ワークショップに移動した後、ホールにはボランティアスタッフたちだけが残された。 ここからは、結菜が講師を務める大人向けのワークショップだ。 結菜はマイクを手に取ると、まっすぐにボランティアたちを見渡した。「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。先ほどの読み聞かせを見て、どう感じられたでしょうか」 結菜はゆっくりと歩きながら語りかける。「特別な技術や、演劇のような大げさな表現は必要ありません。大切なのは、目の前の子供たちの声に耳を傾けること。彼らが絵本のどこに興味を持ち、何を感じているのか。それをすくい上げ、一緒に楽しむこと。それが、私が皆様にお伝えしたい『対話する読み聞かせ』です」 参加者たちが熱心に頷き、メモを取る音が響いた。「もちろん、毎回上手くいくとは限りません。子供の反応が薄い時もあれば、脱線してばかりの時もあります。そんな時のために、私たちの財団が用意したシステムを活用してください」 結菜の合図で、ホールのモニターに佐藤が開発した「マッチング&ノウハウ共有アプリ」の画面が映し出された。「このアプリの掲示板には、私自身が選書した『対話が生まれやすい絵本リスト』と、その本を読む際の問いかけのヒントがまとめられています。皆様も、現場での成功体験や
「しっぽ! しっぽが見える!」 男の子は楽しそうに叫んだ。 その子の言葉を受け止めて、結菜は再び子供たちへ語りかけた。「本当だ、ふさふさのしっぽが見えるね。誰のしっぽかな?」 子供たちは次々と声を上げる。「きつねさん!」「りすじゃない?」「ううん、きっと、くまさんだよ!」 結菜が理想としていた言葉と心のキャッチボールが、しっかりと行われていた。 結菜は子供たちの声を1つひとつ拾い上げて、大きく頷いた。「きつねさんかな? りすさんかな? くまさんかもしれないね。じゃあ、呼んでみようか。せーの」「でておいでー!」 子供たちの声に合わせて、結菜が仕掛けのページをパタッとめくる。「ばぁ! りすさんでした」「やったー! 当たった!」「りすさんだ、かわいい!」 子供たちの歓声に合わせて、壁のプロジェクションマッピングに、一匹のリスのシルエットがさっと駆け抜けていく演出が入る。 結菜はページをめくるたびに、子供たちの表情を確かめた。 前のめりになる子がいる。 親の腕にしがみつきながらも目を輝かせる子もいる。 彼らの反応を見て、読むスピードを変え、声のトーンを調整する。 絵本という1つの世界を介して、結菜と何十人もの子供たちの間に、見えない糸が張り巡らされているようだった。(楽しい……!) いつしか結菜は、心の中で叫んでいた。 AIが完璧な発音で読み上げるのとは違う。 その場にいる人間同士だからこそ生み出せる、予測不可能な対話がここにある。 これこそが、結菜がずっと信じてきた「読み聞かせ」の本当の姿だった。◇ 観客席の最後列では、首から「ボランティア」の名札を下げた大人たちが、食い入るように結菜の読み聞かせを見つめていた。 その中には、以前のオンライ
「はい。お2人とも、ありがとうございます……!」 結菜はこくりと頷いた。家族の存在が、強張っていた筋肉を少しずつ解きほぐしていく。「時間です、結菜代表。準備をお願いします」 インカムをつけた若手社員の佐藤が、緊張した面持ちで声をかけてきた。 結菜は智輝と子供たちに一度だけ微笑みかけると、ステージへと繋がる階段を上った。◇ 結菜がマットの端に置かれた低い椅子に腰を下ろすと、会場の照明がゆっくりと落ちていった。 ざわめいていた子供たちの声が、スッと静まる。「みなさん、こんにちは。今日は来てくれてありがとうございます」 マイクを通した結菜の声が、静かなホールに響いた。 最初はわずかに上ずっていたが、目の前に座る子供たちのきらきらとした瞳を見渡した瞬間、結菜の中に眠っていた何かが、カチリと音を立てて切り替わった。(ここは、私の場所だ) 海辺の図書館で、毎日子供たちと向き合ってきた司書としての時間。 あの頃の感覚が、指先から全身へと一気に流れ込んでくる。 結菜の表情から強張りが消え、自然な笑みがこぼれた。 財団設立の理念説明や、堅苦しい挨拶は最低限でいい。今はこの子供たちの期待を高めて、一緒に楽しもう。 だから結菜は、すぐに笑顔を向けた。「今日は、みんなで一緒に森の探検に出かけたいと思います。準備はいいかな?」「はーい!」 子供たちの元気な返事が響く。 結菜が傍らに置かれていた大型の絵本を手に取った瞬間、ホールの壁一面と床のマットに、プロジェクションマッピングの映像が映し出された。 深い緑の木々。木漏れ日。足元には色鮮やかな花々が咲き乱れる。 同時に、最新の音響システムから、サラサラという葉擦れの音と、小鳥のさえずりが立体的に流れ始めた。「わああっ!」「ママ、お部屋が森になったよ!」「すごい。魔法みたい!」 子供たちだけでなく
都内の中心部に位置する、KIRYUホールディングス本社ビルの一階にある多目的ホール。 普段は株主総会や新作発表会などが行われる無味乾燥な空間が、今日ばかりは全く別の顔を見せていた。 エントランスには色とりどりの風船のアーチが飾られ、楽しげな童謡のオルゴール音が流れている。 開場時間とともに、何十組もの親子連れや、首から名札を下げたボランティアスタッフたちが続々と足を踏み入れてきた。「わあ、すっごく広い!」「ねえママ、あそこで絵本読むの?」 子供たちのはしゃぐ声が、高い天井に反響する。 ホールの中央には、子供たちが靴を脱いでくつろげるように、人工芝のような柔らかな緑色のマットが敷き詰められていた。 その周囲を囲むように、親たちやボランティアが座るための椅子が半円状に並べられている。居心地の良い空間が作られていた。 ステージの袖で、結菜は壁に背を預けていた。 大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。(ああ、駄目ね。緊張しているわ) 心臓が耳の奥で早鐘を打ち、喉の奥がカラカラに乾いていた。 いよいよ今日が、「児童書読み聞かせ財団」の正式な設立日。 そして、記念すべき第一回の「没入型おはなし会&ボランティア向けワークショップ」の本番だ。 代表としての挨拶と、メインプログラムである結菜自身の読み聞かせ。重圧が両肩にのしかかる。「結菜、顔色が硬いぞ」 不意に背後から声がして、温かい手が結菜の肩に置かれた。 振り返ると、スーツ姿の智輝が立っていた。 いつものCEOとしての鋭い表情ではなく、1人の夫としての穏やかな笑みを浮かべている。 結菜は胸に手を当てて、少しうつむいた。「智輝さん……。どうしよう、お客さんの顔を見たら、急に足がすくんでしまって」「君なら大丈夫だ。今までどれだけ準備してきたか、俺が一番よく知っている。それに、今日は強力な応援団も来ているからな」 智輝が視線を向けた先には、鏡子と雅臣に手を引かれた樹と柚葉の姿があった
「しかし、危うさも感じます」 鏡子はティーカップを持ち上げ、一口だけ紅茶を含んだ。「あなたの理念は素晴らしい。対話を重視する読み聞かせ。それは現場の子供たちにとって最高の体験になるでしょう。ですが、ボランティアの個人の熱意や善意に依存しすぎるシステムは、決して長続きしません」「善意に、依存……ですか?」 結菜が問い返すると、鏡子は静かに頷いた。「ええ。全国の施設を支援するということは、数百、数千のボランティアを束ねるということです。中には、熱意があっても技術が伴わない者、時間が取れずに離脱する者も出てくるでしょう。そのたびに代表であるあなたが現場に出向いて指導するわけにはいきません」 鏡子の指摘は、鋭く結菜の不安の核心を突いていた。 先日ミーティングをした田中代表の「現場は手一杯だ」という言葉が蘇る。「では、どうすれば……」「システム化し、マニュアル化するのです」 鏡子はテーブルの上の企画書を指先で叩いた。「佐藤くんが開発しているオンライン掲示板。これを単なる雑談の場にしてはいけません。優良な読み聞かせの事例や、子供の反応が良かった対話のパターンをデータベース化し、誰もが検索できるようにするのです。初心者のボランティアでも、そのデータベースを参照すれば一定のクオリティを保てるように仕組みを作る。それが、組織を運営するということです」「それは……!」 結菜は目を見張った。 ボランティアの自発的な情報共有に任せるのではなく、財団側から意図的に「成功パターンのデータベース」として構築する。 そうすれば、属人的なスキルへの依存を減らすことができる。 そうした仕組みがあれば、新しくボランティアを始める人の助けにもなるだろう。 経営者として数々の事業を成功させてきた鏡子ならではの、徹底して合理的な視点だった。「おっしゃる通りです。ボランティアの方々の負担を減らすためにも、知見を共有しやすい仕組みは絶対に必要ですね」