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第5話

Auteur: マリモ
「早く逃げて!誰か助けて!」

会場の客は散り散りになり、哲夫は一瞬、呆然とその場に立ちつくした。

「違う……圭子はさっきあの車に乗ったはずだ!」

そう言うやいなや、哲夫は我を忘れて炎の中に飛び込もうとする。

火柱が天を突き、黒煙が渦巻く。押し寄せる熱気に弾かれるように、彼は後ずさった。

「圭子!」

車は炎に包まれ、哲夫は焦げた残骸を見つめたが、圭子の姿はどこにもなかった。

その時、煙にむせびながら玲奈が駆け寄り、哲夫の手を引いて安全な場所へ導いた。

「哲夫さん!消防隊が来てるから大丈夫。圭子さんもきっと……きっと無事だから」

しかし、炎の勢いは衰えるどころか、さらに激しくなっていた。哲夫の胸は締めつけられた。

圭子はなぜあの車に飛び乗ったのか?それに、どうして突然爆発なんて起こったんだ?

揺らめく炎の向こうに、燃え上がる車の輪郭がかすかに見えた。

「玲奈……この車、昔お前が乗ってたのと、同じじゃないか?」

玲奈はその言葉に顔を強張らせ、視線を泳がせて口ごもった。

「そ、そんな……偶然よ。似てる車なんて、いくらでもあるし。

とにかく、早くここを離れようよ。煙
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  • 港町に雪が再び降った   第10話

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